役所広司(69)が18日、東京・丸の内TOEIで、同館の閉館プロジェクト「さよなら丸の内TOEI」の一環として行われた2018年(平30)の映画「孤狼の血」(白石和弥監督)上映後舞台あいさつに登壇した。
トークの中で、司会のフリーアナウンサー笠井信輔(62)が白石和彌監督(50)に、21年9月に製作が発表されている第3弾「LEVEL3」の進捗(しんちょく)状況について問いかける一幕があった。同監督は「現状は、そんなに進んでいない」と率直に明かした一方で「東映さんの作品で言うと、1度、死んだ方が続編に戻ってくる“お家芸”もありますし、役所さんに、やくざの大物で出ていただく野望もある」と役所の再起用を熱望した。
「孤狼の血」は作家・柚月裕子氏の同名小説を映画化した。暴力団対策法が成立する直前の1988年(昭63)の、広島の架空の都市・呉原を舞台に、役所が演じた呉原東署の“マル暴”刑事・大上章吾巡査部長と松坂桃李(36)が演じた広島県警本部から赴任した大学出のエリート刑事・日岡秀一刑事がコンビを組み、広島の巨大組織・五十子会系の「加古村組」と地場の暴力団「尾谷組」との抗争、報復合戦の収拾、解決に奔走する姿を描いた。
21年には、続編「孤狼の血 LEVEL2」も公開。3年前に暴力組織の抗争に巻き込まれ殺害された大上の後を継ぎ、広島の裏社会を治める日岡が、鈴木亮平(42)が演じた刑務所から出所した“悪魔”五十子会上林組組長・上林成浩と激突した。同作が公開中の段階で、東映は「LEVEL3」の製作決定を発表していた。
役所は、白石監督の“野望”を聞き「ビックリ…ですね」と驚きつつ、笑みを浮かべた。「孤狼の血」は、やくざの抗争をはじめとした過激なシーンの連続で、菅原文太さん主演の「仁義なき戦い」シリーズをはじめとした、東映黄金期の実録やくざ映画をほうふつとさせる作風に「新たな東映やくざ映画の金字塔」と評価された。笠井は、同シリーズに出演した松方弘樹さんが「(劇中で)3回、死んで、よみがえるんですよ。『仁義なき戦い』は死んで違う役でよみがえる“不文律”がある」と過去の例を挙げた。すると、役所の再登板を期待する客席からは拍手が巻き起こった。
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丸の内TOEIは、1960年(昭35)9月20日に、東映本社の東映会館の落成とともに丸の内東映と洋画封切館・丸の内東映パラスとして開館。04年10月には現行の丸の内TOEIに名称統一し2スクリーンを構える。そして24年5月15日、東映会館の老朽化を理由に、今夏をめどに再開発することを発表。今年1月16日に同所で開催した東映ラインナップ発表会で、正式な閉館日(最終営業日)を7月27日とし、最後の直営館として約65年の歴史に幕を下ろすことを発表した。そして9日から「さよなら 丸の内TOEI」プロジェクト上映がスタート。閉館日の7月27日までの80日間にわたって、数々の傑作特集上映に加え、劇場を活用した各種イベントも実施する。
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