
山歩きの醍醐味といえば、やはり風を感じながら進む「稜線歩き」。森林限界を超えた尾根道に立てば、遠くの山並みや青空が一望でき、思わず深呼吸したくなる気持ちよさがあります。
今回は、そんな開放感あふれる稜線歩きが楽しめる日本百名山の中から、「景観や歩きやすさに定評のある3座」を厳選。あわせて、稜線歩きがより快適になるおすすめの登山グッズも紹介します。
●気持ちいい稜線歩きが楽しめる「日本百名山」:大菩薩嶺(山梨県)
東京近郊で気軽に稜線歩きを楽しみたいなら、「大菩薩嶺」は絶好の一座です。標高2000m級ながら、登山口の上日川峠までバスでアクセスでき、登山初心者でも安心して挑戦できるコースが魅力。日本百名山デビューにもおすすめです。
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中でも、雷岩から大菩薩峠まで続く開放感たっぷりの稜線歩きは、この山ならではの楽しみ。大きな富士山が姿を現す瞬間は、思わず足を止めたくなるほどです。視界いっぱいに広がる草原と空の青さが、心と体を緩やかに解きほぐしてくれます。
途中には山小屋があり、ひと休みにぴったりです。歩く距離や所要時間の調整もしやすく、日帰りはもちろん、のんびりと宿泊登山も可能。静かな自然に包まれながら、誰でも自分のペースで稜線歩きを満喫できる、優しい日本百名山です。
●気持ちいい稜線歩きが楽しめる「日本百名山」:雲取山(東京都・埼玉県・山梨県)
東京都・埼玉県・山梨県の3都県にまたがり、東京都では最高峰を誇る「雲取山」は、標高約2017mの堂々たる存在感と、ゆったりと続く稜線が魅力の山です。
鴨沢ルートから登れば中腹から山頂にかけて見晴らしの良い稜線が続き、穏やかな風とともに爽快な山歩きを楽しめます。特に新緑がまぶしい5月からは、そよ風を浴びながらの稜線歩きに思わず足取りも軽くなるはずです。
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コースタイムは長めですが、富士山や南アルプスの山々を望む絶景が背中を押してくれます。危険箇所が少なく、傾斜も比較的緩やかなため、しっかりと長時間歩く準備をしておけば、初めての本格登山にもぴったりです。
登頂の達成感や、山の心地よさをじっくり味わいたい人にこそ訪れてほしい一座です。
●気持ちいい稜線歩きが楽しめる「日本百名山」:白馬岳(長野県・富山県)
北アルプスの名峰「白馬岳」は、標高約2932mの頂から槍ヶ岳や南・中央アルプス、日本海までを一望できる“空の展望台”。壮大な景色を楽しみながら、稜線歩きを満喫できる山です。
特におすすめは、栂池高原から白馬大池を経て山頂を目指すルート。白馬大池から山頂へ続く稜線は、見渡す限りの絶景と爽やかな風に包まれた、まさに別世界のような体験ができます。さらに、7〜8月には高山植物が咲き誇り、目にも鮮やかな彩りを添えてくれるのもポイントです。
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また、夏でもひんやりとした空気が気持ちいい猿倉ルートでは、日本三大雪渓のひとつ「白馬大雪渓」を堪能できます。体力に応じて行程を調整できるため、無理なく自分のペースで稜線歩きを楽しみましょう。高山だからこその、スケール感あふれる山旅を求める人にぴったりの一座です。
●稜線歩きが楽しめる山におすすめのグッズ
ミレー「トレッカー II キャップ」
稜線上では日光を遮るものが少ないため、紫外線や暑さ対策はしっかりとしましょう。
ザ・ノース・フェイス「マウンテンソフトシェルフーディ」
稜線上では日光と同様に、風を遮るものも少なく、冷たい風にさらされることがあるため、防風性に優れたジャケットがあると快適です。
スポルティバ「トラバースX5 ゴアテックス」
白馬岳など岩場の登りが多く行動時間が長い場合には、滑りにくく安定感があり、足首をサポートするトレッキングシューズを選びましょう。