トランプ減税法案可決＝債務膨張は不可避―米下院

　【ワシントン時事】米議会下院は２２日、トランプ大統領の看板政策である大型減税を盛り込んだ法案を賛成２１５票、反対２１４票の僅差で可決した。法案は上院に送られる。トランプ氏は「米史上最大の減税」により、経済成長の加速を狙うが、税収減による政府債務の膨張は不可避とみられる。

　与党共和党は下院でわずかに多数派となっている。同党から２議員が造反したものの、辛うじて可決された。トランプ氏も自ら議会に出向いたり、議員をホワイトハウスに招いたりして、債務膨張を懸念する財政規律派の説得に力を入れた。

　法案審議は上院に移る。トランプ政権と共和党指導部は７月初めまでの上院通過を目指すが、財政悪化をもたらす法案に対する財政規律派の反発は根強く、審議は難航しそうだ。トランプ氏はＳＮＳの投稿で「（大統領に）署名される法案で米史上最も重要だ」と強調。「ぐずぐずしている暇はない」と述べ、上院に速やかな可決を求めた。

　法案は、第１次トランプ政権下で発効し、今年末に期限を迎える大型所得減税の恒久化が含まれる。トランプ氏が大統領選で公約した飲食店従業員らが受け取るチップなどの税額控除、米国内に工場を建設する企業に対する優遇措置も盛り込まれた。