北陸地方梅雨入り 梅雨入り早々に警報級の大雨も 14日頃からも前線の活動活発化か

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2025年06月10日 14:51  日本気象協会

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日本気象協会

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6月10日、北陸地方で梅雨入りの発表がありました。平年より1日早く、昨年より12日早い梅雨入りとなりました。これから本格的な雨のシーズンとなりますが、11日(水)にかけて、梅雨入り早々の大雨となるおそれがあります。また、この週末14日(土)〜15日(日)にも前線の活動が活発化して雨量が多くなるおそれがあります。最新の気象情報に注意してください。

北陸地方で梅雨入り 平年より1日早く 過去10年の梅雨入りと梅雨明けの傾向

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本日6月10日(火)、新潟地方気象台より、北陸地方で梅雨入りしたとみられると発表がありました。平年より1日早く、昨年より12日早い梅雨入りで、平年並みの梅雨入りとなりました。

2015年から昨年2024年までの過去10年の傾向を見ると、昨年の梅雨入りは6月22日頃でしたが、2018年以降を中心に梅雨入りは平年の6月11日前後に収まっている年が多くなっています。

一方、梅雨明けは梅雨入りよりも年による変動が大きくなっています。2022年は速報では6月28日に梅雨明けが発表されましたが、その後、盛夏期の8月上旬に線状降水帯による大雨が発生するなど前線の影響を受けやすくなり、9月の確定値で北陸地方の梅雨明けは特定できずとなりました。

近年は梅雨明けが8月にずれ込む年や特定できない年が増えてきています。地球温暖化が進むと前線が北上しにくくなり、東北や北陸を中心に梅雨が明けない年が増えるという研究結果もあります。

いずれにしろ、これから少なくとも台風シーズンの10月までは大雨リスクがあるものとして対策を続けることが大切となってきます。

梅雨入り早々に富山で警報級の大雨のおそれ

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北陸地方では、梅雨入り早々、大雨のおそれが出てきています。11日(水)にかけて、前線が北陸付近まで北上し、局地的に1時間に20ミリ以上の強い雨の降る所があるでしょう。特に富山県では山間部を中心に強い雨雲が掛かりやすく、警報級の大雨となるおそれがあります。土砂災害などに注意・警戒してください。

現在のところ、雨のピークは10日(火)夜〜11日(水)の朝までとなり、11日(水)の日中以降は前線が再び本州の南岸へ離れるため、雨の降り方は徐々に弱まってくるでしょう。ただ、土砂災害は雨が弱まったり止んでからも発生することがありますので、警報や注意報が解除されないうちは危険な崖や斜面には近づかないようにしてください。

14日(土)〜15日(日)は前線の活動活発化 熱帯擾乱の動向にも注意

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12日(木)〜13日(金)は、前線は一旦本州の南の海上に離れるため、北陸地方では「梅雨の晴れ間」となるでしょう。しかし、14日(土)には再び前線が西から北上して活動が活発となり、15日(日)にかけては降水量が多くなる可能性もあります。

また、南シナ海に熱帯低気圧があって、気象庁は10日(火)午前9時に「24時間以内に台風に発達する見込み」と発表しました。現段階では、本州付近への直接的な影響はない見込みですが、熱帯由来の暖かく湿った空気が16日(月)以降に本州付近に入ってくる可能性があり、今後の動向に注意が必要です。

今年は、太平洋高気圧が日本の南で勢力が強いことや上空の偏西風が平年より北を流れやすいことなどから、6月の内からたびたび前線が日本海まで北上して北陸地方で大雨となることがありそうです。常に最新の気象情報に注意して下さい。

土砂災害の前兆を掴んで早めの避難を

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10日(火)夜〜11日(水)にかけて、梅雨入り早々の大雨で富山県では警報級の大雨となるおそれが出てきています。土砂災害などに注意・警戒してください。

土砂災害には前兆現象があります。
1.地面に亀裂や段差が生じる、木が傾いたり、地面が揺れる
2.斜面から物音がする、何かが落ちてくる、土臭い臭いがする
3.湧き水が急に止まる
4.水が吹き出したり浸みだしたりする

その他、川の水位が急に低下したり、木が流れてきた場合や地鳴りがするなどの現象があります。

土砂災害の前兆現象に気付いたら、すぐに危険な斜面や崖などから離れ、市町村役場などに連絡し、周りの人に知らせて早めの避難をすることが大切となってきます。

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