毎朝起こしてくれる21歳のシニア猫 幸せな日課の始まりと、刻々と近づく最期の予感 「私との暮らしはどうだった?」

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2025年06月12日 12:50  まいどなニュース

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21年間、毎朝、飼い主さんを起こしているボアくん(画像提供:sachiさん)

「『朝だ』。21年間、毎朝欠かさず叩き起こしてくれるボア爺。体力は日々落ちるのに、威圧感は日々増していく」

【動画】「朝の爪とぎは元気な証」 お薬もペロリと完食しました

そんなコメントとともに投稿された写真には、Xユーザー・sachiさん(@MoncheriSonia)の愛猫「ボア」くん(21歳・男の子)が、まっすぐこちらを見つめて立つ姿が写っています。澄んだ瞳にキュッと結んだ口元、精悍な顔立ちは、まさしく“イケニャン”。人間年齢に換算すると、およそ97〜100歳にあたります。

その姿からは、出会ってから今に至るまで、ボアくんと飼い主さんがともに歩んできた時間、そして育まれた深い信頼の絆がにじみ出ているようです。

今では尊敬と愛情を込めて「ボア爺」と呼ばれているボアくん。写真が公開されると瞬く間に8.2万件を超える“いいね”が寄せられ、多くの人の心をつかみました。

これを受けて、飼い主さんは感謝の気持ちとともに、次のようなコメントを投稿しています。

「ボア爺の早朝アラームに、たくさんのコメント、リプライ、引リツをありがとうございます。『ぬいぐるみみたいでかわいい』『頑固ジジイが渋い』『仙人』『うさぎ』『大滝秀治』……見る人によってボアの印象が全然違っていて、笑いながらすべて拝見しています。朝は“鬼軍曹”だけど、昼はバブみ強めの爺猫・ボア。どうぞよろしくです」

21歳のボアくんと飼い主さんの朝のルーティン。この習慣は、一体どのようにして始まったのでしょうか。詳しくお話を伺いました。

悲鳴から始まった朝の習慣――ボアくんと築いてきた、今という日常

ーーボアくんは、どのように飼い主さんを起こすのでしょうか。

「大音量、スヌーズ機能オン状態で、しつこく起こしてきます。あの手この手で、私が起きるまでやめません。大音量がダメなら、今度は至近距離で覗き込んで“怖がらせて”起こします。以前、薄暗い部屋で顔を覗き込んできたボアを見て、私が悲鳴を上げて飛び起きたことがあったんです。それ以来、味をしめたようで、顔の至近距離から起こすようになりました。本当にやめてほしいです…」

ーーこのあとのルーティンがあれば、ぜひ教えてください。

「ウェットフードを少し温めて、薬を混ぜて食べさせています。腎不全末期で大量に水を飲むので、新鮮な水を飲みたがる日もあり、様子を見ながら対応しています。もう自分で顔を洗えないため、食べ終わったあとのべっちょりした口元をティッシュで拭いてあげるところまでが、朝のルーティンです」

ーーボアくんの日々の様子について。どのようなケアやサポートをされていますか?

「多飲多尿が激しく、パンクした腎臓の代わりに水をたくさん飲んで頑張ってくれています。水のボウルは5カ所に増やしました。慢性的な脱水状態が続いているため、毎日自宅で点滴をしていますが、それでもふらつくことがあります」

「ボアは私にとって初めての老猫で、初めての看取りになります。毎日が試行錯誤の連続ですが、ボアが鳴けば駆けつけ、外に出たいといえば深夜でも一緒に出かける…。常に“ボアファースト”で、ストレスのない生活を心がけています。糖尿病と診断され、余命宣告を受けてからは、不思議なくらい私のあとをずっとついて回る、甘えん坊な子になりました。20年前の子猫時代をよく思い出すようにもなっていて、最終章が近づいているのだと感じています」

ーーボアくんと歩まれてきた21年間で、印象的だったエピソードがあれば教えてください。

「子猫時代、ひとりっ子だったボアを不憫に思って、私が兄弟代わりになって家中を走り回り、一緒に遊んでいました。当時は私も若く、体力が有り余っていたので延々と遊んでいたのを覚えています。よく食べ、よく遊び、生後半年で5kgくらいになっていたと思います。その影響か、私たちの関係は“ママと息子”というより、“仲間・兄弟”のような関係になりました」

「もうひとつは、16歳のときの失踪事件です。今でも寝ていると、不安そうに声を上げることがあります。あのとき、ひとりぼっちで外の世界をさまよった記憶がよみがえるのかもしれません。そんなときは、ゆっくり撫でて落ち着かせています。きっとトラウマになっているのだと思います。でも、あの時つながった人たち、助けてくれた方々とは今でも懇意にしていて、ボアがつないでくれたご縁だと思っています。捜索中は本当に大変でしたが、その経験で迷子猫の捜索ノウハウを学ぶことができました。今では、それを他の猫の捜索にも役立てています。とても貴重な経験だったと感じています」

ーー今、ボアくんにかけたい言葉はありますか?

「体当たりで試行錯誤しながら育ててきたので、果たして自分の育て方が正しかったのか、今でも自信はありません。ボアにはこう伝えたいです。『私との暮らしはどうだった? 私はとても楽しかったよ』と」

この投稿には、ボアくんをたたえる声や、あたたかなエールがたくさん届いています。

「まだまだ長生きしてね」
「使命感を感じますね」
「全身から気迫が伝わって来ます」
「素晴らしい。私も起こされたいな」
「カッコええ! ボア爺、仕事をやる男の顔だ」
「なんてかわいい。まだまだ目力ある。目覚ましは買わせない」
「ワイルドでイケニャンなボアちゃんに起こされる朝、素敵ですね。ボアちゃんの幸せルーティン。満足そうなお顔がかわいいです」

(まいどなニュース特約・梨木 香奈)

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