海洋研究開発機構(JAMSTEC)は6月12日、富山深海長谷沿いに「令和6年能登半島地震」で生じた海底地すべりの痕跡を新たに見つけたと発表した。地震により、広範囲にわたって海底の地形が変化した可能性があるという。
東京大学大気海洋研究所、海上保安庁と連名で発表した。地震発生前の2023年5月に海上保安庁の海洋情報部が調査した海底地形データと、地震直後に学術研究船「白鳳丸」が3度にわたる緊急調査航海で取得したデータと比較したところ、余震域に近い能登半島東方30km沖で海底地すべりが生じたことを示す変化を4カ所検出した。
一方、崩落した物質の堆積(地形が高くなる)は認められなかった。JAMSTECは、崩落した物質の量が少なかったか、海底谷に沿った流れにより下流に流された可能性が考えられるとしている。
現時点で能登半島地震で発生した津波と海底地すべりの関係は不明だが、陸から近い海底で大規模な地形変動が生じた場合には津波災害を引き起こすリスクが高まるという。今後は地震前のデータが存在する他の海域でも地形変化があるかどうか、データ解析を進める。
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論文は地球惑星科学分野の国際的学術誌「Earth, Planets and Space」に5月21日付で掲載された。
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