写真 2010年にTBSに入社し、『朝ズバッ!』『報道特集』などを担当したのち、2016年に退社したアンヌ遙香さん(39歳・以前は小林悠として活動)。
TBS退社から8年経った今年、紆余曲折を経て20年生活した東京を後にして活動拠点を故郷北海道に戻したアンヌさん。アラフォーにして再スタートを切った「出戻り先」でのシングルライフの様子や心境をつづる連載です。
第38回となる本記事では、アンヌさんが大好きなドラマ『セックス・アンド・ザ・シティ』の話から、ある“問題”について語ります(以下、アンヌさんの寄稿)。
◆大好きなドラマの新シリーズの配信が始まった
“愛犬命”の私は、夜遊びというものに本当に縁がありません。会食をするにしても大抵一次会で失礼し、ほとんどの時間を愛犬のために捧げています。
そんな私の夜の楽しみと言えば、21時ごろ早々に入った布団の中で眺めるファイターズ戦や海外ドラマ配信など。イギリスの歴史ドラマ『ダウントン・アビー』や、アメリカの有料チャンネル「HBO」制作のものなど欧米の連ドラが好きですが、『セックス・アンド・ザ・シティ』(SATC)はやはり永遠の名作です。
いよいよ、『セックス・アンド・ザ・シティ』新章、『And Just Like That…』シーズン3の配信が始まりました。
待ってた!
このシリーズ、私の友人にも熱心なファンがたくさんいます。SATC、および、AJLT、何が良いかと言えば、ニューヨークを舞台にしたおしゃれすぎるライフスタイルやファッションの数々と言ってもいいでしょうが、4人の登場人物のうち「なんとなく自分の境遇が当てはまるかも」「考え方に共鳴する部分があるかな」と感じるメンバーが、何らかの形で必ず見つかるというところでは?
◆4人の登場人物に「自分」を見つける
私もかつて人並みにパートナーがいた時期は、家庭的な要素を感じさせるシャーロットが好きだな、なんて思ったりしていましたが、今や4人全員の要素がちょっとずつ自分の中にあるような気がして、4人とも捨てがたくあります。
物事に白黒つけたがりながらも、繊細で優しいミランダ、男性と対等な関係を忘れずにいながら愛情深く、そして自分自身を一番大切にすることを忘れないサマンサ。
独身生活を謳歌し、自宅で原稿を書くことに明け暮れる主人公キャリーの要素も、最近では自分の中にあるかなぁなんて。あ、私あんなにおしゃれじゃないですけどね。
大人になってきてわかるのは、国境を超え年代を超え、恋愛のあるあるや名言が詰まりすぎていて、いつ見返しても深く頷いてしまうシーンがたくさんあるということ。
◆弁護士ミランダの名言に共感
最近私が深く深く共感してしまった言葉は……弁護士ミランダの名言。
「It’s like those guys you have the great second date with, and then never heard from them again. I pretend they died.」
わかりやすく訳せば、
「めちゃくちゃ脈ありだと思ってたのに、連絡がパッタリと途絶えた男については、どこかとおーくの世界に行ってしまった(よくよく原文お読みください。もっとはっきり言ってます)と思うようにしてる」
うん。なんかわかるぞこのかんじ。連絡問題。
◆男女で感覚が違う?「連絡」について
男性だって、本当に好きな人に対してはきちんとマメに連絡が取りたくなるものでしょう。はい、わかってます。これは男女の差はないのかも。
1週間や1か月、何の音沙汰もない……なんて異常事態が起きたら、それは最初から脈なしという説もありますが、しかししかし、時には、中には、本当にLINEで文章を打ったりするのがなかなかできない男性も、たまにいたりする!(そんなことない? すみません)
女性の場合、もちろん人によりけりですが、好きな人もしくはお付き合いをしている人とはほぼ毎日のように密な連絡を取りたがると思うのが大多数ではないかと思うのですが……。
自分から連絡をすればいいのに、意地を張って先方からの連絡を待ってみたり、せっかく連絡が来ても「余裕を見せたい」とすぐにLINEを開けなかったり……。
いくつになっても恋愛に関してはみんな考えすぎちゃうこと、ありません? あと、よくあるのが、好きな人からの連絡ひとつで一日が本当に充実したものになったり、その逆も然り。
◆一方的な「さよなら」は自衛策
今夜こそ連絡があるはずと思い、音量をMAXにして枕元にスマホを置いて寝てみる。そしてうとうとしてみて夜中の3時くらいにスマホを覗いてみれば誰からも連絡なし。ちーん。
嫌われているんだろうか、このまま自然消滅を狙われているんだろうか? などなど、勝手な妄想が頭の中をめぐり、眠れなくなる……あー地獄。正直勝手に自分で自分を苦しめているだけなんですが……。
だから、連絡がない相手様については、もう脳内で一方的に、その相手にさよならをするという自衛策がありますね。
ミランダの言う通り、もうどこか遠くに行ってしまったと思い込む。
『セックス・アンド・ザ・シティ』は、これまで何十年、何百年と繰り返されてきた女性たちの経験談が詰まった金言集でもあるのです。
さ、5月30日よりU-NEXTにて配信が始まった最新章『And Just Like That…』シーズン3。今回はどんな金言が飛び出すのか。
遠くに行ったと仮定した相手から奇跡的に連絡がきたら、まーた小躍りして世界が薔薇色になるのもあるある。ミランダならこの現象、なんて表現するのかしら?
<文/アンヌ遙香>
【アンヌ遙香】
元TBSアナウンサー(小林悠名義)1985年、北海道札幌出身、在住。現在はフリーアナウンサーとしてSTV「どさんこWEEKEND」メインMCや、情報番組コメンテーターして活動中。北海道大学大学院博士後期課程在籍中。文筆家。ポッドキャスト『アンヌ遙香の喫茶ナタリー』を配信中。Instagram: @aromatherapyanne