
50代で卵巣がんと子宮体がんを経験したものの、1年の闘病を経てミセスコンテストにも挑戦し、アラ古希となった今でも、プロポーションを維持している、トータルビューティークリエイターの中野さん。ぷるぷるお肌や体形維持は「セルフケアのみ」。美容整形や画像加工、一切なしでこの美しさとは驚き!
その日にできたむくみは、その日のうちに解消
「ジムに行くなどの激しい運動や、無理なダイエットはしていません。食べるものに気をつけて、あとは毎日のセルフケアで30年以上、167cm、体重40kg台の自分の理想の体形をキープしています」
と話すのは、元モデルで女性のための美容教室を主宰している、中野ちさとさん。
あと数年で70歳を迎える中野さんの体脂肪率は、なんと18%。すらりとした美脚にハリ艶のある肌を見ると、健康的で若々しい印象を受けるが、実は55歳のときに大病を患っている。
「原因不明の体調不良が続いて体重が一気に落ちてしまい、病院に行くとステージ3の卵巣がんと子宮体がんが見つかったんです。子宮と卵巣を全部摘出し、腹部のリンパ節も半分以上摘出することになりました」(中野さん、以下同)
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手術後は抗がん剤治療も行い、脱毛の副作用もあったが、いつもと違うメイクやウィッグを楽しんだりと、中野さんは前向きに乗り越えた。
「ただ、リンパ浮腫という後遺症が残り、今も月に数回、通院しています」
リンパ浮腫は、リンパ液の流れが悪くなることで、腕や脚が腫れたり、むくんだりといった症状が出る病気。中野さんの場合、腹部のリンパ節を切除した影響で両脚がパンパンにむくむことがある。
「リンパ浮腫は医療用の分厚いタイツをはいて圧迫療法を行うなど一生ケアが必要。けれど、大好きなミニスカートをはける自分でいたくて、医師や看護師の方に相談しながら、むくみケアについて徹底的に勉強したんです」
その結果、独自の美脚メソッドを編み出し、術後からわずか1年で「ミセス日本グランプリ」に出場し、50代の部でグランプリを獲得するまで回復したのだ。
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中野さんが美脚を維持するために編み出したむくみケアは、いたってシンプル。毎日行う、下半身のリンパマッサージだ。
「むくみが気になる女性に徹底してお伝えしているのは、その日にできたむくみは、その日のうちに解消してほしいということ。というのも、むくみは細胞の間にたまってしまった水分であって脂肪ではありませんが、むくんで老廃物がたまっている状態だと、代謝も下がって脂肪がつきやすい身体になるからです」
静脈と同じように全身に張り巡らされたリンパには、身体の余計な水分や老廃物を回収し、体内のさまざまな組織を正常に保つ役割が。リンパの流れが滞ると、むくむだけでなく、老廃物が体内に蓄積されることで代謝も落ちてしまうのだそう。
「まずは毎日しっかりとシャワーだけでなく、湯船につかるようにしてください。水の中では身体に水圧がかかり、手足の血管などが影響を受けて、血液やリンパの流れが良くなるからです。
リンパマッサージはそのまま湯船の中か、お風呂上がりに行うと効果的。両手を使って足首から太ももの付け根まで、上へ上へゆっくりと圧をかけながら、リンパを押し流すようにもみほぐします。そのまま、そけい部、お腹のあたりまで、じっくりとマッサージをしてあげてください」
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ちょっとした隙間時間にできるケアもあるそう。
「同じ姿勢が続くとリンパの流れが滞るので、座り仕事をしていても、30分に1度は立ち上がります。貧乏ゆすりをするのもおすすめ。ふくらはぎや股関節が動くことで、血流が良くなりむくみが軽減します。家の中でやれば誰にも迷惑はかかりませんしね」
「老けを加速させる食べ物」とは
食事では、“タン活”を意識しているという。
「お肌や髪、爪など全身の細胞に欠かせない栄養素なので、タンパク質は多めに食べるように。ご飯やパンは半分にして、そのぶんチーズや卵をプラスします。あとは、良質な油も重要。脂質は太ると避けている人もいますが、酸化しにくいオリーブオイルやココナツオイルなどの植物性の油は、肌の基礎である細胞膜を作るのに欠かせないので毎日とっています」
逆に、ハムやソーセージ、ベーコンなどの加工肉は、極力避けているそう。
「普通のお肉よりも添加物や塩分も多く、老けを加速させるので食べません。あとは、ブドウ糖や果糖など、砂糖がたっぷり入っているジュースやお菓子も、老化物質のAGEs(終末糖化産物)を生成してしまうので、とらないようにしています」
その日のむくみはその日のうちに解消!“こっそり貧乏ゆすり”がおすすめ
「背もたれを使わずに、背筋を伸ばした状態でイスに座り、両足を床につけます。次に、かかとだけを浮かせたまま、膝を上下に1秒間に3回くらいのスピードで揺らし続けて、まずは5分ほどやってみてください。意外と疲れますが、ふくらはぎの血流がよくなって、翌日の脚や下半身のむくみ具合がぜんぜん違いますよ!」(中野さん)
若さとほっそり脚をキープする 3つの美習慣
1・「タン活」で代謝を上げ脂肪を寄せつけない!
程よく筋肉がついていると、身体の代謝も上がり、痩せ体質に。主食の量を半分に減らし、チーズや卵など、タンパク質を多く含む食材を1品プラスして、毎食とるように。
2・「良質な油」で肌の潤いをキープ
敬遠しがちな脂質は、肌の基礎である細胞膜を作るのに必須なので、足りないとカサカサに。オリーブオイルやココナツ、アボカドなどの良質な油ならとってもOK。
3・「美姿勢」で歩くと余計な肉がつかない
姿勢が悪いと、本来動かすべき筋肉が働かず、その周りに脂肪がつきやすくなる。首と背骨をまっすぐにして顎を引く、モデル歩きの習慣を続ければ、姿勢もよくなり一石二鳥♪
トータルビューティークリエイター。26歳でレンタルブティックの会社を立ち上げる。現在は、女性のためのメイクレッスン、ダイエットサポートなどを行う、「中野ちさと美容道場」を主宰。インスタグラム(@chisato_nakano)などで67歳の美容インフルエンサーとしても活躍。著書に『40歳からでも遅くない ちさと流 最強美脚メソッド』(エッセンシャル出版社)ほか