『国宝』ⓒ吉田修一/朝日新聞出版ⓒ2025映画「国宝」製作委員会吉沢亮主演、横浜流星共演の映画『国宝』が現在開催中の第27回上海国際映画祭のインターナショナル・パノラマ部門カンヌ エクスプレスに出品され、現地時間6月18日(水)に公式上映が行われた。
歌舞伎役者の家に引き取られ、芸の道に人生を捧げる主人公・喜久雄の50年を描いた壮大な一代記が、壮絶で胸が熱くなると観る者を圧倒し、公開から話題を読んでいる本作。公開2週目にして、興行収入は驚異の土日前週比143.4%を記録する異例のヒット。
5月には、国際映画祭の最高峰ともいえるカンヌ国際映画祭「監督週間」部門に選出された。
この度の上海国際映画祭のインターナショナル・パノラマ部門カンヌ エクスプレスは、カンヌ国際映画祭で上映された作品のうち、選りすぐりの作品をいち早くアジアで上映する部門。
2024年は『ナミビアの砂漠』(監督:山中瑶子)、『化け猫あんずちゃん』(監督:久野遥子・山下敦弘)、今年は『ルノワール』(監督:早川千絵)、『遠い山なみの光』(監督:石川慶)も選出されている。
現地時間6月18日(水)18時30分から行われた公式上映は、1,300人収容の大光明電影院で行われ、上映終了後には鳴りやまない拍手喝采に包まれた。
上映後には、李相日監督がQ&Aの舞台挨拶に登場。上海国際映画祭に参加しての感想として、「今回、上海で上映できることは僕にとって特別な想いがあります。『国宝』の映画制作にあたり、学生時代にチェン・カイコー監督の『さらば、わが愛/覇王別姫』(1993)を観た衝撃から、いつかこんな映画を撮ってみたいという想いを持っていた。それが歌舞伎をテーマに映画を撮ってみたいという思いにつながっていました」と制作秘話を明かした。
本作を観た観客からは、「涙が出るほど感動しました。吉沢亮さんと横浜流星さんは今までと全然違う表情でした。こんな素敵な演技ができると想像できなかったです。なぜ2人をキャスティングしたのかとても興味があります」という質問が。
李監督は「喜久雄という人間を考えた時に、吉沢亮さんしか思い浮かばなかった。彼の中が見えないというか、いくら想像しても広い空間があいているような感じがしました。横浜流星さんはとても努力家。努力を惜しまない人で、歌舞伎俳優をどこまでも演じられると思いました」と真摯に応じた。
観客からは上映終了後も作品を絶賛するコメントに溢れ、カンヌ国際映画祭に続き、さらなる熱狂を呼んでいた。
『国宝』は全国にて公開中。
(シネマカフェ編集部)