藤村志保さん 時代劇映画などで活躍した俳優の藤村志保(ふじむら・しほ、本名静永操=しずなが・みさお)さんが12日、肺炎のため東京都内の病院で死去した。86歳だった。川崎市出身。葬儀は近親者で済ませた。喪主は夫純一(じゅんいち)さん。
1961年に大映京都撮影所演技研究所へ入所。翌年、市川崑監督の「破戒」で市川雷蔵さんの恋人役に抜てきされてデビュー。各種の映画新人賞に選ばれた。
着物が似合う古風な雰囲気と品格ある演技で、「座頭市」や「眠狂四郎」シリーズをはじめ多数の時代劇にヒロインなどで出演。「男はつらいよ 寅次郎頑張れ!」(77年)のマドンナ役も務めた。NHK大河ドラマ「太閤記」(65年)での秀吉の妻ねね役など、テレビでも存在感を示した。
自ら臓器移植問題を取材した著書「脳死をこえて」があり、85年の読売女性ヒューマン・ドキュメンタリー大賞に入賞。ドラマ化もされた。