YOSHIKI×美麗-Bi-ray- YOSHIKIがプロデュースする、平均年齢15歳の4人組ガールズボーカルグループ・美麗-Bi-ray-が、メジャーデビューと同時にハリウッド映画の主題歌という快挙を成し遂げた。「Butterfly」は、YOSHIKIが映画『BRIDE HARD』のために書き下ろした楽曲で、美麗-Bi-ray-を起用するかたちで、世界デビューが実現した。これを記念し、YOSHIKIとメンバーのEmi、Hinata、Cocomi、Michelleによるスペシャル座談会を実施。話題を呼んだドジャースタジアムでの国歌斉唱、デビュー作の裏話、そして“好きな食べ物”まで、和気あいあいとしながらも世界を見据えたトークが繰り広げられた。
【写真多数】ドジャースタジアムでの歌唱の模様やメンバーソロショットも■ドジャースタジアムでのアメリカ国歌斉唱を振り返る
――YOSHIKIさんの方から、美麗-Bi-ray-のメンバーそれぞれをプロデューサー目線でご紹介いただけますか?
YOSHIKI 美麗-Bi-ray-のみんなと出会ったのは、僕が審査員をしていた『歌唱王』という番組がきっかけです。まずEmiですね。Emiは広域・高音の歌声を持っていて、普通の人では出ないような音域をチェストボイス、つまり地声で出せる。もちろんファルセットも出ますが、素晴らしいボーカルだと思います。性格は明るくて、京都弁をしゃべります。これでいいのかな(笑)?
――とても素敵なご紹介です。その調子でほかのメンバーさんもお願いします!
YOSHIKI わかりました(笑)。次はHinataですね。Hinataはレコーディングでは低音をカバーしてもらったりしていますが、すごく器用で、ハモリなどいろんなボイシングにも対応してくれます。普通は3度とかで作るところを、僕は4度5度でオーケストラのようにボーカルを構成するんですが、そこにも即座に対応できる強みがあります。声にも張りがあって、素敵な声です。性格はテキパキしていて明るく、まっすぐ。ダンスも上手いです。
次はCocomiですね。全員そうなんですが、Cocomiもファルセットまでの広い音域を持っています。彼女はエアリーな声質が特徴で、自然とそういう声が出てくる。僕はそういう声をよくプロデュースするんですが、それが自然に出るのは大きな才能です。喋ってるときからそういう声が出てる。なかなか到達しにくい領域なんですけど、それが地で出ている。性格は優しくて、ちょっと不思議な感じもあって可愛いです。
そしてMichelleですね。このメンバーのなかでは最年少ですが、英語は完全にフルーエント=流暢です。英語の歌詞がほとんどですが、Michelleの発音は完璧です。声にも厚みがあって、ドジャースタジアムでのアメリカ国歌斉唱のときは、あえてMichelleから始めてもらいました。すごく壮大な曲なので、彼女の声で勢いがついた。ダンスもすごく伸びています。最年少だけどしっかりしてますね。みんなに共通することですが、無限の可能性を秘めた4人だと思います。
――ありがとうございます。改まって評価をしてもらう機会ってなかなかないと思いますので、メンバーさんも非常にうれしい時間だったんじゃないかと思います。アメリカ国歌斉唱の話がありましたが、YOSHIKIさんはあのパフォーマンスを観てどう思われましたか?
YOSHIKI 正直、素晴らしいと思いました。あれだけの場で、何十年の経験があっても、あのスタジアムで、ライブで歌うというのは本当に度胸がいる。素晴らしいパフォーマンスができたのは、みんなが持っているポテンシャルの高さだと思います。
――あの日、スタジアムで選手と触れ合ったエピソードなど、印象的だったことはありますか?
YOSHIKI 僕は、当日は行けなくて。前日には一緒にリハーサルをやったんですけど。
――そうだったんですね。Emiさんはあの日の国家斉唱、歌ってみてどうでしたか?
Emi あんなに大きくて、歴史のあるスタジアムで歌うのはもちろん初めてだったので、すごく緊張しました。でも、みんなでたくさん練習してきたので、フィールドに立った瞬間、目の前に広がる景色に感動しました。たくさんの方がいて、日本とアメリカの国旗が並んでいる光景は、今でも心に強く残っています。もっと海外のステージにも挑戦してみたいという気持ちが大きくなりました。
――日本人選手とお話したりできました?
Emi お話はできなかったんですけど、直前に“大谷選手さん”が練習しているのを観ることができました!
■僕はきっかけを作っただけ みんなの才能や歌声があってこそ
――“大谷選手さん”っていう呼び方いいですね(笑)。YOSHIKIさん、今回「Butterfly」が映画の主題歌に起用されることになりましたが、これはどのようないきさつで?
YOSHIKI 映画に出演されている女優さんやプロデューサーの方と友達なんです。それで「主題歌の作曲に興味ありますか?」という感じで話をいただきました。映画『BRIDE HARD』は、強い女性の生き様や女性の友情を描いた映画で、『ブライズメイズ』と『ダイ・ハード』がくっついた『BRIDE HARD』という映画なんです。監督も『コン・エアー』や『トゥームレイダー』などを手がけたすごい方(サイモン・ウェスト監督)で。それで、僕は美麗-Bi-ray-をプロデュースしているので、なんとかこの2つのプロジェクトを結びつけることができないかと考えて、それが実現しました。
――最初に美麗-Bi-ray-の歌声を関係者に聴かせたときのリアクション、覚えていらっしゃいますか?
YOSHIKI そうですね。けっこう早い段階でプレゼンしていたんですが、決定的だったのは、僕がパリにいたときです。女優さんやプロデューサーの方が、たまたま僕のファッションショーに来ていて、その翌日くらいに「これでいきましょう」と。そのとき、僕はレストランで食事をしていたんですが、そこで美麗-Bi-ray-のデモテープを流しました。
――やはり、実力もあって、関係者のみなさんにも響いたということですよね。
YOSHIKI それはドジャースタジアムの件にも言えると思います。きっかけを作ったのは僕かもしれませんが、みんなの才能や素敵な歌声があって、すべての要素が重なってこういう形になったと思います。
――Hinataさん、メジャーデビューが決まり、さらに主題歌にも決定したという大きなニュースだったと思います。その話を聞いたときの感想、覚えていらっしゃいますか?
Hinata デビューが決まったときは、ずっと夢見てきたアーティストとしての第一歩を踏み出せるんだと思って、本当にうれしかったです。しかも、この4人でデビューできることが何よりもうれしくて。さらにデビュー曲が映画の主題歌に決まったと聞いたときは、言葉が出ないくらいびっくりしました。しかもハリウッド女優の方が出演される映画と知って、本当に信じられない気持ちで、うれしい気持ちでいっぱいでした。
――YOSHIKIさん、デビュー曲の「Butterfly」のレコーディングについてうかがいたいのですが、どういったディレクションをしたのでしょうか?
YOSHIKI まずこの曲に関しては、「蝶のように羽ばたいてほしい」という思いから作り始めました。みんなに歌ってもらったり、音をチェックする中で、全員の持ってる武器を最大限に活かそうと。最終的に、すごい低音から高音まで出る曲にしました。デビュー曲ということもあり、キャッチーな曲にしたかったんですが、そこに僕の職人気質も出ていて、いろんな展開を盛り込んでいます。転調に次ぐ転調を繰り返していて、聴いた感じはそこまで派手な転調に聞こえないかもしれないですが、構成は非常に複雑です。
全パートを全員に歌ってもらうという方法でレコーディングをしました。そのなかから、いちばん良い、特徴のあるところを選んでいます。これは膨大な作業なんです。普通は全員にやってもらうことはあまりなくて、大体は「ここはこの人」というふうに指定するんですが、今回は全員で全パートを録る形にしています。そのなかから、強いラインを選んでいくという形で進めました。
――それぞれのメンバーの、いちばん良いところが出ている曲になっているということですね。
YOSHIKI 意識しているのは、なるべく全員に「出番」があるようにすることです。「ここはEmiが目立つ」「ここはHinataが目立つ」「Cocomiが目立つ」「Michelleが目立つ」といった感じで、誰がいちばんその瞬間に強いかを考えています。「強い」というのは、声質や存在感も含めてです。けっこう考えて作っています。
■初めてのMVがいきなりロサンゼルスでの撮影に
――レコーディング中に、みなさんの成長も強く感じられたのではないですか?
YOSHIKI そうですね。僕の場合はまず「自由に歌ってください」とお願いして、それから「もう少しウィスパーっぽく」など少しずつディレクションしていきます。みんなすごく器用に対応してくれるので。実はすでにかなりの数のレコーディングをしていて、そのなかでそれぞれの強みが見えてきました。逆に、これからの課題も見えてきています。
――これからの課題、あるいは今後の成長として期待している部分はどのあたりになりますか?
YOSHIKI 僕はもう30年近くロサンゼルスを拠点にしていて、ここ数年は日本のアーティストよりも海外のアーティストとの仕事のほうが多いんです。なので、「海外で通用する作品にしたい」という想いが強くて。その観点から見ると、たとえば英語の発音など、まだ完全に流暢でないメンバーもいます。そういったところは課題ですが、すごく可能性を感じています。
――やはり海外と日本の間には、まだ差があると感じていらっしゃいますか?
YOSHIKI そこはまだまだ日本も伸びしろがある部分だと思いますし、美麗-Bi-ray-のみんなにはぜひ挑戦してほしいと思ってます。特に美麗-Bi-ray-はもともとのボーカリストとしての素質は、計り知れないほど高いと思います。磨かなくても輝いているダイヤモンドのような存在ですね。
――Cocomiさん、初めてのレコーディングはいかがでしたか?
Cocomi さっきYOSHIKIさんもおっしゃっていましたが、全パートをみんなでレコーディングしたんです。そのなかで、たくさんのアドバイスをいただいて、とても勉強になりました。「ここはもっと力強くしてみよう」だったり「ここは弱くなってるからもっとがんばろう」だったり、的確にアドバイスをいただきました。
――Michelleさんは、曲が仕上がって、実際に聴いてみたときの感想はいかがでしたか?
Michelle この曲はみんなの良いところが本当にハイライトされていて、自分の経験にもつながるような歌詞がたくさんあるなと思いました。1回聴いただけで、本当に大好きになりました。私が大好きな歌詞は、「We’ll bridge the skies, we’re flying high」というフレーズで、「空を越えて、私たちはどこまでも高く羽ばたいてく」というメッセージなんです。今でも自分自身、そういう気持ちでいるので、本当に大切にしたい大好きな言葉です。
――「Butterfly」のミュージックビデオに関してですが、アコースティックバージョンもあるそうですね。
YOSHIKI 今まさに制作中ですが、2つのミュージックビデオを作っています。ひとつは通常バージョン、もうひとつがアコースティックバージョンですね。どこまで言っていいかわかりませんが、アコースティックバージョンは映画のキャストの方たちにも出演していただいたり、ちょっとした物語仕立てのバージョンになると思います。
――Emiさん、ミュージックビデオの撮影はいかがでしたか?
Emi ミュージックビデオの撮影は初めてだったので、表情の作り方とかはすごく悩んで、モニターを見ながら「どうすればもっと良くなるんだろう」ってずっと考えていました。でも、本当に素敵な方々と一緒に撮影ができて、うれしかったです。英語でのコミュニケーションがうまくいかないときもあって、悔しい気持ちもあったんですけど、できる限り理解しよう、話そうと努力して、すごく良い作品になったと思います。
YOSHIKI ミュージックビデオはロサンゼルスで撮影しました。全スタッフが現地のスタッフです。
――初めての撮影でその環境はすごいですね!Hinataさん、ミュージックビデオを観た感想はいかがでしたか?
Hinata ダンスシーンがあるんですが、それがすごくかっこよく撮れていると思います。振り付けをもらってから、何度も練習して、お互いに「ここちょっとズレてるかも」「もう少しこうした方がいいかも」って言い合いながら、合わせていきました。セットも本当に美しかったので、すごく素敵なミュージックビデオになったと思います。見るのがとても楽しみです。
YOSHIKI 今回のメインの振付を担当してくれた方は、レディー・ガガもやっている振付師の方なんです。
――それはまたすごいスケールですね。ミュージックビデオにも期待しています。
(後編は後日公開)
【美麗-Bi-ray-プロフィール】
YOSHIKIがプロデュースを手がける平均年齢15歳の4人組ガールズボーカルグループ。 メンバーはEmi、Hinata、Cocomi、Michelle。2023年にテレビ番組『歌唱王』で優勝したEmiがYOSHIKIの目に留まったことをきっかけに、4人の才能が集結。日本テレビ『THE MUSIC DAY』への出演や、MLB公式戦でのアメリカ国歌斉唱など、デビュー前から大きな話題を集めた。YOSHIKIがハリウッド映画『BRIDE HARD』のために書き下ろした曲「Butterfly」に美麗-Bi-rayを起用し、世界デビューを果たす。同曲は6月20日にリリース。主題歌に起用されたレベル・ウィルソン主演のハリウッド映画 『BRIDE HARD』は同日より全米2000館規模で公開。