
2022年のお盆の時期、Xユーザー・まぁ-チャンさん(@makitan0110)は実家へ帰省していました。夕暮れの静けさの中、ふと微かな子猫の鳴き声が耳に届きます。庭先で出会ったのが、「ちくわ」ちゃんと白猫のきょうだいでした。
「小さな影がふたつ、すっと横切ったんです。最初は母猫が迎えに来るのではと思い、庭に猫部屋を作って様子を見ていました。でも、結局、母猫は戻りませんでした」
数週間が経過し、ふたりは警戒心をあらわにしながらも庭先に現れるように。しかしシャーシャーと威嚇が続き、なかなか人に馴れる様子はありませんでした。
そこで飼い主さんはキャリーケースにごはんを設置。子猫たちが入ったところで静かに扉を閉め、保護することに成功しました。
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「保護したときは生後推定2カ月くらい。ノミだらけで、動物病院へ連れて行くのも一苦労でした」
涙ぐましい奮闘の毎日 距離を縮めた“液状おやつ作戦”
人慣れしていなかったちくわちゃんときょうだい猫。最初は触れることすらできませんでしたが、飼い主さんは根気強く距離を縮めていきます。
「液状おやつを使って、少しずつ撫でる練習を続けました。本当におやつの力は偉大でした(笑)」
体調が整ってきた頃、先住猫の虎太郎くんとも対面しました。最初はお互いにシャーシャーと威嚇し合いましたが、思った以上に虎太郎くんがすぐに受け入れてくれ、小さな2匹の面倒を見てくれるようになりました。
「子猫たちは元気いっぱいで、虎太郎は最初、パワーに圧倒されていましたが、優しくお世話をしてくれました」
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やがて、白猫のきょうだいは知人の元へ譲渡され、ちくわちゃんは飼い主さんの家に迎え入れられました。
いつまでも元気にーー今、飼い主さんが届けたい言葉
現在、ちくわちゃんは1歳になりました。かつて威嚇を繰り返していたことは今や懐かしい思い出に。すっかり甘えん坊の姿を見せています。
「まるで自分がかわいいことをわかっているみたいなんです。おやつが欲しい時、膝に乗りたい時は“きゅるん”とかわいく鳴いて見つめてきます」
先住の虎太郎くんにも甘え、寄り添って眠る姿は、見ているだけで癒やされる光景だといいます。普段からよく鳴く性格でもあり、元気いっぱいの声が家に響きます。
「元気に鳴いてアピールしてくれるのが、本当に愛おしいんです」
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ちくわちゃんと虎太郎くんは「我が子と同じ」と語ってくれた飼い主さん。今では何ものにも代えがたい家族になりました。
「この子たちには、いつまでも元気で長生きしてほしいです。寄り添って眠る姿を見ると、胸がきゅんとして幸せになります。『いつまでも元気に鳴いて、あざとかわいくワガママ言ってね。あまりお兄ちゃんを困らせちゃダメよ』。ちくわにはそう伝えたいです」
(まいどなニュース特約・梨木 香奈)