お尻の奥にしびれや違和感がある。
太ももやふくらはぎまでズーンと重く、だるい感覚が広がる。
そんなとき、「坐骨神経(ざこつしんけい)」が関係しているかもしれません。
坐骨神経は、腰から足先まで伸びる長くて太い神経で、
その途中で圧迫されたり引っ張られたりすることで、しびれや痛みが出ることがあります。
この症状は「坐骨神経痛」と呼ばれますが、実は病名ではなく“神経のSOS”のようなもの。
つまり、まず原因を特定することが整えへの第一歩です。
代表的な原因には、椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、
背骨まわりで神経が圧迫されてしまうものがあります。
また、私たちの現場でよく見かけるのが「梨状筋症候群」。
お尻の深部にある梨状筋という小さな筋肉がこり固まり、
神経に触れてしまうことで、脚のだるさやしびれを引き起こします。
ヒールをよく履く方、長時間座る方、脚を組むくせがある方に多く見られます。
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症状はお尻から脚にかけて現れます。
立ちっぱなし・座りっぱなしで悪化し、歩くと痛みが増し、
休むと和らぐ──このようなパターンも特徴的です。
こうした違和感は、体が出している“今、見直してほしい”という小さな声。
早めに気づき、整えていくことが、深刻化を防ぐカギになります。
私は美脚や歩き方の相談を受ける中で、
坐骨神経まわりの悩みをご相談いただくことがとても多いです。
そのときお伝えしているのはシンプルです。
「座りっぱなしを見直して、1時間に一度は体を動かしましょう」
「歩くときは“3本指歩行”を意識してみてください」
この歩き方は、足の人差し指・中指・薬指で地面を蹴る歩き方です。
脚全体の連動がスムーズになり、お尻や骨盤への負担も軽減されます。
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見た目の脚のラインが崩れているとき、
そこには筋肉の使い方や姿勢のクセが隠れています。
中臀筋や梨状筋、ハムストリングスのバランスが崩れていると、
神経が通るルートが圧迫されやすくなります。
「なんだか形が変わってきた」
「脚の裏側が張ってつらい」
そんなときは、美容だけでなく、神経にも負担がかかっているサインかもしれません。
1時間に1回立ち上がる、座り姿勢をこまめに変える。
靴を見直す。足裏の重心を意識する。
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そして、次のようなストレッチを習慣にしてみてください。
•仰向けで膝を胸に引き寄せる
•座って脚をクロスして、上半身をやさしくひねる
「気持ちいいな」と思える範囲でOK。
無理せず、ゆっくり行うのが整えの基本です。
坐骨神経まわりの不調は、
ある日突然出てくるものではなく、少しずつ積み重なっていくものです。
気になるサインがあるなら、まずは生活や姿勢を見直す。
必要があれば、専門家に相談する。
その一歩が、痛みの予防にも、美しさの土台にもつながります。
整えることは、自分の体と向き合うこと。
その意識こそが、快適に動ける明日をつくってくれます。
【参考文献】
坂井建雄 編『標準解剖学 第6版』医学書院, 2020年
MSDマニュアル プロフェッショナル版「坐骨神経痛」
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