秋元康と長年の友人・古舘伊知郎「秋元康案を半年ぐらい寝かせたあたりがちょうどいい食べ頃」世間でヒットするタイミングを考察

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2025年07月06日 21:00  TOKYO FM +

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秋元康と長年の友人・古舘伊知郎「秋元康案を半年ぐらい寝かせたあたりがちょうどいい食べ頃」世間でヒットするタイミングを考察
テレビ朝日「羽鳥慎一モーニングショー」でレギュラーコメンテーターの玉川徹とフリーアナウンサーの原千晶がパーソナリティを務めるTOKYO FMのラジオ番組「ラジオのタマカワ」。「テレビではまだ出せていない玉川徹の新たな一面を発信!!」をコンセプトに、ビジネス、キャリア、マネー、カルチャー、エンタメ、音楽など、さまざまなジャンルをテレビとは違った角度から玉川が深掘りしていきます。

今回の放送では、古舘伊知郎さんと秋元康さんがゲストに登場。ここでは、アイデアのヒントやヒットするタイミングについて語ってもらいました。


(左から時計まわりに)古舘伊知郎さん、パーソナリティの玉川徹、原千晶、秋元康さん、この後の番組「ダレハナ」パーソナリティの山崎怜奈



◆雑談がアイデアのヒントになることがある

玉川:これまでに達成していないことがあるとしたら、これからおふたりは何をやりたいですか? 何が目標で仕事をしていますか?

秋元:僕は何もないですね。高校2年生から大学にかけてずっと放送作家をやってきたわけです。途中から縁があって作詞家になったわけで、「こういう道を行こう」っていう目標みたいなものはなかった。その時々でドラマ、映画、歌と作っていますけども、今も特に「これをやりたい」っていうのはないですね。

玉川:でも、AKB48みたいなものは「こいうのを作りたい」と思っていたんですよね?

秋元:ああいうのって、大体雑談から始まるんですよ。お寿司屋さんで「秋元さん、次は何やるんですか?」と。僕は演劇が好きなので、「劇場がある劇団みたいなものを作りたいな」という話になったんです。

だけど、実際に劇団を作るのは難しいから、それをアイドルでやったら面白いんじゃないかという雑談をしていて、それに「やりましょう」と言ってくれた人がいたのが(AKB48スタートの)きっかけです。

玉川:へぇ〜!

古舘:みんな後追いで秋元康を分析しているんですよ。たとえば、AKB48の大ブレイクだって、もっと前の段階で「やっぱり秋元康は戦略家だ」と言われていました。時代は大きく転換し、テレビはブラウン管からプラズマテレビになり、液晶になり、そして4Kへと向かっている。そのなかで画面がどんどんクリアになっていくと、奥のほうにいる子たちも見えるようになるんですよ。

クリアに見えてしまう世の中になり、個の時代に入ってきた同時期に、それぞれの好みを見つけられるアイドルが誕生したんですよ。これを飲んでいるときに、あっきーに追求したんですけど「まったくそんなことは考えていない。寿司屋で雑談をしていただけだ」と答えたんですよ。

だけど僕は、その人の解説もちょっとわかる気がしています。意識下に乗せていないだけで、世間の時代の気分を汲み取ってはいると思うんですよね。本人は無意識ですけど、摂理に合ったものを着想しているんです。玉川さんも事象を分析する人ですよね?

玉川:そうですね。

古舘:僕は事象を描写する人間。そういう意味では、後追いで常に何かを分析していないとダメなんですよね。

玉川:わかる!

古舘:だからこういう“天才型”に憧れますし、玉川さんにシンパシーを感じるんですよ。

◆新しいものが世間にヒットするタイミングは?

玉川:秋元さん、インプットはどういう風にされますか?

秋元:よく「企画メモを取っているんですか?」とか「気になったことを書き留めているんですか?」とか聞かれるんですけど、そういうことはしていないですね。

それから、女子高生や女子大生に話を聞いて、グループインタビューをしたりすることもありますけど、ああいう言葉って、やっぱりその世代の子たちから直接聞かないとわからないじゃないですか。僕が50歳なら50歳、60歳なら60歳で、自然に入ってくるぐらいのタイミングがちょうどいいんですよ。

玉川:なるほど!

秋元:たとえば、乃木坂46で「インフルエンサー」という曲を書いたんですけど、(インフルエンサーという言葉が)一部の人たちのあいだで話題になって、それが僕のもとに自然に入ってきた頃に書いたものだから“ちょうどいい”んですよ。

玉川:そうなると、ちょうどマスに広がるタイミングと合うと?

秋元:そうです。これは、僕が「ザ・ベストテン」(TBS系)という歌番組の構成をやっていたときに学んだことです。当時大学生だった僕は、「これからルービックキューブが流行る」といち早く察知して、セットに使いましょうと提案したんですね。

そうしたら、誰にも相手にされなかった。それから半年ぐらい経ち、日本中がルービックキューブに飽きている頃に、沖田浩之さんの「E気持」という曲のセットに使われたんですよ。

古舘:あの巨大なルービックキューブのセットですね。

秋元:TBSのディレクターに「僕が半年前に言ったやつじゃないですか。今からは遅すぎますよ」って言ったら、「お前、わかっていないな」と。当時の「ザ・ベストテン」は40%の視聴率を取っていたんですけど、僕が提案した時点でルービックキューブを採用していたとしたら、観た人はそれが何かわからないわけです。

古舘:なるほど!

秋元:みんなが飽きたということは、それだけ周りに行き渡っていて、“今頃やってるよ”とバカにしながらテレビを観る。それがちょうどいい、これがテレビだと教えられました。なるほどって思いますし、そういうのがテレビの面白さなんだなって思いました。

古舘:秋元康案を半年ぐらい寝かせたあたりがちょうどいい食べ頃だったということですね。

<番組概要>
番組名:ラジオのタマカワ
放送エリア:TOKYO FM
放送日時:毎週木曜 11:30〜13:00
パーソナリティ:玉川徹、原千晶
番組Webサイト: https://www.tfm.co.jp/tamakawa/
番組公式X:@radio_tamakawa


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