なぜ「北海道」は魅力1位なのか? ブランド総合研究所の担当者に聞いた

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2025年10月07日 18:41  ITmedia ビジネスオンライン

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魅力度が低い都道府県は?

 国内で最も魅力的と評価された地域はどこか。ブランド総合研究所(東京都港区)は「地域ブランド調査2025」の結果を発表した。都道府県の魅力度ランキングの1位は、17年連続で「北海道」(70.7点)、市区町村の魅力度ランキングでは「函館市」(52.8点)が2年連続でトップとなった。


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 地域ブランド調査は、国内1000の市区町村および47都道府県について、認知度や魅力度、イメージなど全90項目について消費者が評価した。2006年から実施し、今年が20回目(都道府県は2009年からで17回目)。


 北海道の強さについて、ブランド総合研究所の担当者は「『北海道』は観光意欲度でも1位。市区町村ランキングの上位にも多く含まれており(上位10位に4市、50位に11市)、『北海道』というブランドの下に函館、札幌、富良野など個々に特色あるサブブランドが存在する構造が最大の強みだ」と分析した。


 また「国内消費者には函館や富良野など特定の都市が人気だが、海外からの観光客は『北海道』という地域そのものを求める傾向が強い。国内外で異なる魅力の受け止め方があるのも北海道ブランドの特徴だ」(担当者)とした。


●「都道府県ランキング」東京都は後退


 都道府県ランキングの2位は「京都府」(52.6点)、3位は「沖縄県」(48.6点)、4位は「神奈川県」(43.1点)、5位は「東京都」(42.1点)だった。神奈川県は初の4位となり、代わって東京都は5位に後退した。


 大きく上昇したのは、19位の「熊本県」(27.7点、昨年26位)。台湾の半導体関連企業「TSMC」の工場が2024年末に稼働し、「IT・先端技術の県」のイメージが全国5位と高い(2015年は25位)。また、新空港の影響で観光意欲が前年の22位から14位、「アクセスがいい」も34位から25位へと上昇している。


 一方、最下位は「埼玉県」(13.7点)。昨年の46位から順位を落とした。46位は「茨城県」(14.3点、昨年45位)、45位は「佐賀県」(15.4点、同47位)、44位は「鳥取県」(17.3点、同44位)、43位は「山口県」(17.8点、同43位)という結果に。


 居住意欲度の1位は「神奈川県」で、2021年以来4度目の1位となった。市区町村でも「横浜市」が1位。具体的な商品の購入意向を表す「食品想起率」では「北海道」がトップとなったほか、「静岡県」や「長崎県」、市区町村では「福岡市」「仙台市」などが上昇した。


●市区町村ランキング


 市区町村ランキングでは、北海道の「函館市」が2年連続で1位となった。担当者によると、観光意欲度が全国2位と高く、食や地域産品の評価が特に目立つという。


 「函館は『食事がおいしい』が全国2位、『買いたい土産や地域産品がある』が全国5位と評価されている。一方で、環境、教育・子育て、健康・福祉などのイメージは弱く、今後の課題といえる」(担当者)


 ランキングの2位は「札幌市」(51.8点)で、以下「京都市」(49.6点)、「小樽市(北海道)」(48.1点)、「鎌倉市(神奈川県)」(46.9点)と続いた。


 伊勢神宮の式年遷宮の儀式が始まった「伊勢市(三重県)」(38.7点)が前年の23位から13位へ上昇。「出雲市(島根県)」(36.2点)も44位から20位に順位を上げた。15位の「屋久島町(鹿児島県)」(38.2点、昨年25位)、31位の「美瑛町(北海道)」(32.3点、同61位)、45位の「白川村(岐阜県)」(29.1点、同103位)など、観光人気が高い町村も順位を上げている。


 調査は6月24日〜7月9日、インターネットで実施。対象者は20〜70代の消費者で、男女別、年代別、地域別にほぼ同数ずつ回収し、年齢や地域人口の分布に合わせて再集計した。有効回収数は3万3449人。



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