日本ハム伊藤大海投手(28)が7日、レギュラーシーズンを総括した。
5年目の今季は2年連続で最多勝(14勝)を獲得。さらに初めて最多奪三振(195個)も獲得した。シーズン投球回も12球団トップの196回2/3と、エースとしてフル回転した。
この日はCSへ向けてエスコンフィールドで紅白戦前の全体練習に参加。2年連続で2位に終わったチームやポストシーズンへ向けた思いも語った。
一問一答は以下の通り。
−レギュラーシーズンを振り返って
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「去年より悔しいシーズンだったかなと思います」
−その悔しさっていうのは、どのあたりに特に強く感じてるんでしょうか
「去年はかなりのゲーム差もあったんですけど、今年の方が手が届きそうで届かなかったっていう印象なので。なんか“あの1球が”とか“あの1敗が”とかっていうのは、今年の方が強く感じるかなと思います」
−どのあたりに、その差を感じたか
「難しいですけど、ここぞで取りきれなかったとか、ほんとに小さい差ではあったと思うんですけど、それが大きな結果の違いにつながってしまったので。なんか、やりきれてない悔しさというか、そんな感じです」
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−個人成績は2年連続で最多勝、そして初の最多奪三振と去年に続いて投手2冠
「それも去年の方がうれしかったというか。それ以上にチームとしてのタイトルが欲しかったっていうところが正直なところなので。もちろん光栄なことではありますけど、あんまりそこに対してのうれしさっていうのはないかなと思います」
−今季はストレートの割合が非常に多く、平均球速も150キロを超えていたが、ストレートの進化については
「やっぱストレートに対してのこだわりはありますし、ボス(新庄監督)もずっとフォアボールのことは言ってたので、自分の中の打開策としてゾーンの中で勝負するっていうところに着目してたので。それが空振りが取れる、ファウルが取れるストレートが変化球かなっていうところに僕はたどり着いたので。なんかそれは自分のイメージしてた部分ではあったので。今年の目標というか、自分の設定で三振180個以上とフォアボール30個以内っていうのを考えていたので、そういうとこを体現できたのは良かったなと思います」
−シーズン全体通しての数字で満足している部分、もしくはもっと伸ばしたかった部分はありますか
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「やっぱ、ちょっとさっきの話と矛盾はするんですけど、ゾーンの中で勝負していく中で、やっぱ被本塁打が多かったっていうのは反省点としてありますし、結果的にそれが致命的な失点になっていたり、防御率の悪化にもつながったっていうところで、そこはこの後のCSも含め課題ではあると思うので。今度のオフも考えながら取り組んでいきたいなとは思います」
−勝ち星は15勝を大きく意識をされていたと思うが、1勝届かなかった
「もちろん達成したかったですし、去年の自分自身の成績も超えられなかったっていうところで悔しい思いはあります」
−シーズンを振り返ると、特にホークスのモイネロ投手ら各チームのエース級と投げ合うことが多かった
「そうですね。モイネロ投手とは何回投げ合いましたか?」
−6度
「27登板中の(6度)なんで、なんかやっぱそういうのも考えると、個人的な数字っていうのは、あまりなんか意識してもどうしようもない部分ももちろん出てくるんで。やっぱそういうとこで、数字以上に勝ち星は僕がこだわっているところ。そこの対戦を全部勝っていたらって、もちろん思いますし。来年は負けない投手というのに、こだわっていきたいなと思います」
−レギュラーシーズン終了後には新庄監督の来季続投が正式発表
「それもすごくうれしかったというか。選手として、チームとして、監督との約束はまだ果たせてないので。ボスには優勝しか似合わないので、必ず優勝して胴上げしたいですね」
−新庄監督の伊藤に対する信頼も絶大だったが、それを感じる部分もあった
「もちろんそれは感じてましたし。ただ、じゃあ全て応えられたかっていうと決してそうではなかったシーズンではあるので。言葉が難しいですけど、来シーズンはそれ以上の成績でチームに貢献できるように、しっかりやっていきたいです」
−まずは今季のCSが待っているが、昨季はエスコンフィールドでのCSファーストステージは登板がなかった。今季はどうなるか分からないが、CSへ向けての意気込みは
「短期決戦は負けられないっていう状況が続きますけど、本当1戦1戦、目の前の勝ちに対してどう取り組んでいくかっていうとこだと思うので。1位で通過したわけでもないですし、ここは、なんて言うんですかね…気持ちがこう、なんて言っていいかわかんないですけど、こうガッと入りすぎずに、こう愉しんだ中でチームとしての姿を見せられたらなとは思います」
−ポストシーズンのエスコンフィールドの雰囲気は、またひと味違う
「やっぱ1戦目を取れるか取れないかっていうのは、すごく大事なんで。まず初戦、取れるようにしっかりやっていきたいです」
−もし、エスコンフィールドで投げるとなるとオリックスが相手になるが、今シーズン対戦した印象
「本当に打線もいいですし、投手陣もいいですし、後ろにかけてピッチャーも強くなっていくっていう、そういうチームだったんで。先発の役割としては、勝った状態で後ろにつなぐ、あるいは1人で投げ抜くっていう投球をしていかないと優位に立てないと思うんで。先発はかなりキーになってくるかなと思います」
−CSファーストを突破できれば、昨季は悔しい思いをした福岡でソフトバンクとの戦いが待つ
「もちろん戦いたい気持ちはありますし。でも、ほんと先ばかり見てもしょうがないので、まず1戦1戦っていう。チーム全員で勝ち取っていかなければいけないなっていう。その時にまた見えてくるものっていうのはあるかなと思います」
−CSへ向けての覚悟、意気込みを
「悔しい思いはもう十分してきたので、勝つ喜びをみんなと分かち合えるように、そんなポストシーズンにしたいなと思います」
−今年のキャンプは投げ込みという部分で球数をかなり抑えてシーズンに入ったが、そのあたりの自身の手応えや課題みたいなものがあれば
「そうですね、たぶん12球団で一番キャンプの球数が少なくて、それで12球団で一番イニングを投げたので。そこは成功というか、良かったかなと思いますけど、別に推奨はしないです(笑い)」
−来季も同様の調整法は続けていく考えか
「もう20球ぐらい減らせるように。でも、感覚としてはすごくよかったというか。ある程度、ゲームと同じようなサイクルでブルペン入りしてっていうところと、そのブルペンとブルペンの間での確認っていうのがしっかりできたっていうのが、すごく収穫だったので。これで、こういう動きをしとけば、これだけの出力をブルペンのゲームの日に持ってこられるっていう確認がキャンプ中からできていたっていうのは、スムーズにシーズンにも入っていけましたし、シーズン中もそれをずっと継続していけたっていうのは、さっきの話にあったストレートの強さが落ちなかったっていうところにつながりましたし。ただ、その課題としては耐久性っていうところで。僕は特に問題なかったんですけど、もしこれを見よう見まねでやってしまう、そこの難しさっていうのはもちろん出てくるので。なんかそこをちゃんと僕も言語化ができるように、もし伝えるんであれば、そういう風にピッチャー陣にも伝えていけたらなとは思います」
−キャンプ中の投げ込みがなくてもローテをしっかり回れたっていうところでは、コンディション面のケアがあったからこそ
「僕は肩肘、特に問題なく1年間投げることができたので良かったんですけど、そこを投げ込むことでたぶん耐久性をつけるタイプのピッチャーもいるのかなって思うんで、もし、それで調整してみたいっていう人が他球団にもいたら、ぜひ直接連絡してください(笑い)」
−球数も120球近く投げながら中4日でも回ったりできるのは日頃のケアなのか、それともシーズン中のトレーニングなのか
「ケアももちろんそうですし、なんて言うのかな、本当に毎日同じような準備、投げるまでの準備をしっかり考えてできるようになったっていうのは1つ大きいところかなと思っていて。なんか細かい作業を怠らなかったっていうのが一番の要因かなとは思います」
−細かい作業っていうのはグラウンドの外でも含めて
「そうですね。体を温めるにしても、表面だけなんとなくあったまるのか、中からしっかりあっためるのかっていうのは全然違ってくるので。そこに、ここ2年はすごく時間をかけてやってるので。しっかり芯からあったまった状態で動くことで、やっぱその他の作業というか動きもより繊細に感覚も出てきたので。なんかいろんな部分がつながって、ケガなくシーズンを乗り切ることができたのかなっていうのは思ってます。いろんなことを、もちろん試しながらはやってるんですけど、自分の中でこれは必須だなっていうところは、もう1年間ずっと削らずにしっかりボリュームをこなしてきたっていうのはあったので。もう朝も早く来なきゃいけないし、大変は大変なんですけど(笑い)。でも、ケガするよりかは絶対いいので。そこを継続するっていうのが、なんか今一番、簡単そうで難しいことなのかなって思うんで。まだまだ改善していける部分もあると思うので、いろいろ研究しながらやっていきたいなと思います」
−与四球は自己最少の29個。意識の部分が大きいのか、技術的な改善が大きいのか
「意識が強くあったところに、じゃあどう補うかっていう技術がついてきたっていう順番かなと思うんですけど。でも一番はストレートで空振りなりファウルなり取れるようになってゾーンの中でカウントを作れるようになったっていうのが1つと。で、真っすぐで三振取れた数がたぶん結構トップクラスに多いんで。その真っすぐの使い方というか、浅いカウントでの使い方と、追い込んでからの使い方っていうのをしっかり1個の変化球みたいな感じのイメージで投げることができてたんで。結局、それもゾーン内でできてるとフォアボールは必然的に減ってくるので、そこはかなり大きかったかなと思います」
−ストライクゾーンの使い方が変わってきたのは、新庄監督の四球を減らそうという方針もあったか
「そうですね。なんて言うんすかね、4つボールを出したらフォアボールなわけで。なんかそこに至るまでに、細かく言うと、その2ストライク目の取り方をどうしようか。そのスイングさせるべきなのか、させないべきなのかとか、そういうことも考えながら今年はすごいピッチングしてたんで。そこに行くまでにホームラン打たれるケースがちょっと多かったんですけど。先の、決めきることも考えつつ、そこまでの過程を、どれが一番最善なのかっていうのを考えながらピッチングしてたんで。1球1球に意図を持たせることができたっていうのが。例えば、それがボールでも、バッターにしては考えさせるボールで、フォアボールになる前に決着をつけられるっていう方につながったかなと思います」
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