
「BankPark YOKOHAMA」建物の変遷
「BankPark YOKOHAMA」の建物は、渋沢栄一により創設された第一国立銀行の支店として開設されました。関東大震災で被災後の1929年に、第一銀行横浜支店として復興されたものを原型としています。1980年には、横浜銀行本店別館として使用開始。創建時の建物位置が都市計画道路予定地となったことから、建物の特徴である先端バルコニ一部分が現在の位置へそのままの状態で移動され、横浜アイランドタワー(高層棟)の低層部に組み込まれました。公益施設として再生され、2003年に現在の姿に。
本町通りから馬車道にかけての一帯は、戦前の横浜金融界の中心地であり、その歴史を体現する貴重な建物として、2003年に横浜市の歴史的建造物に認定されました。
「BankART1929」から「BankPark」へ
2003〜21年までは文化創造発信拠点「BankART1929 Yokohama」として活用されていました。その後は天井脱落対策工事に伴い休館。2024年9月に、竹中工務店、CRAFTINGJAPAN、グッドルームの3社が一体となり、運営することとなりました。
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文化・芸術・観光を発信する、1階「CRAFT.」
1階は、CRAFTINGJAPAN が運営する店舗「CRAFT.」です。工藝ギャラリー、ダイニングレストラン、フラワーショップ、ライブラリーで構成されています。列柱が並ぶ、吹き抜けのレトロな空間から、文化・芸術・観光を発信します。「CRAFT. Table」は全国から届く四季の恵みを、ていねいに仕立てるダイニングレストラン。愛知万博のフードプロデューサーを務めた新納平太さんを起用しており、規格外野菜を活用したスパイスカレーや、奈良の干し納豆など各地の特産品を使用したタイヤイヌードルなどサステナブルな一皿を楽しめます。今後は、一汁三菜の和食なども提供予定。営業時間は11:00〜22:00(予定)。
また、日本が誇る工藝品など暮らしを彩るライフスタイルアイテムを集めたギャラリーやライブラリーも併設。箸や皿などの工藝品はダイニングレストランで実際に使用されます。
開業記念「横浜から世界へ〜オールドノリタケの航海」
グランドオープンを記念して「CRAFT. Table」のギャラリースペースでは10月19日まで「横浜から世界へ〜オールドノリタケの航海」を開催。
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暮らしがカラフルになる花々を提案「CRAFT. Flora Ludique by Hanahiro」
「CRAFT. Flora Ludique by Hanahiro」は、いつもの暮らしがより豊かに、よりカラフルになる花を提案するフラワーショップです。「Ludique(ルディック)」はフランス語で“遊び心”という意味で、「花弘」が運営を担当。季節の彩りや香りを大切に、遊び心のエッセンスをプラスします。営業時間は11:00〜19:00。馬車道駅直結のコワーキングオフィス
地下1階および2〜3階は、グッドルームが運営するコワーキングオフィス「goodroom lounge 横浜馬車道」です。グランドオープンに先駆けて、7月31日に開業しました。地下1階はタッチダウンスペース、2〜3階は企業ごとの個室や会議室などが設けられたワークスペースとなっています。3階には、大きな窓が設けられ、コーヒーマシンなどが用意された明るい雰囲気のラウンジも設置。顔認証によるセキュリティも万全です。
全国の拠点が利用可能な月額プランから、時間ごとのドロップイン利用まで、多様なニーズに対応しています。利用時間は7:00〜24:00。
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環境問題などをテーマにした作品を発信する「まちかどギャラリー」
通りに面した2階バルコニーは、施設を象徴する「顔」。このスペースは「まちかどギャラリー」となっており、環境問題や工藝などをテーマにした作品を発信します。グランドオープンにあわせて、持続可能なデザインを通じて社会課題の解決を目指す会社「サヴァン」が手がけたアートオブジェが展示されています。
工事現場から出た建設廃材をベースに、廃棄漁網や石油の使用量を軽減した漁網などを使って製作されています。夜にはライトアップされ、幻想的な姿へと変化します。
10月4日にグランドオープンしたばかりの「BankPark YOKOHAMA」。ぶらりと訪れてみては?
「BankPark YOKOHAMA」情報
住所:横浜市中区本町6-50-1 横浜アイランドタワー低層棟アクセス:みなとみらい線 馬車道駅下車1b出口より直結。JR桜木町駅新南口・地下鉄ブルーライン桜木町駅1番出口より徒歩5分
(文:田辺 紫(横浜ガイド))