ジュリアン・アンドラウアーがドライブする17号車ポルシェ911 GT3 R ポルシェのファクトリードライバー、ジュリアン・アンドラウアーは、ニュルブルクリンク24時間レースで各チームがタイヤを自由に選択できることを「素晴らしい」と述べ、もしタイヤブランドがひとつに限定されていたら「参戦台数ははるかに少なくなっていただろう」と語った。
ニュルブルクリンク24時間レースは、特定のタイヤブランドにチームが制限されない数少ないトップレベルのスポーツカーレースのひとつであり、たとえば最高峰のSP9クラスに参戦する13台のポルシェ911 GT3 R Evoには、6つの異なるメーカーのタイヤが使われている。
そのなかでアンドラウアーは今年、ダンロップへと乗り換える。ダンロップは、シュナブルがエントリーする17号車のポルシェのスポンサーとなり、レース用のタイヤ開発に携わってきた。
「このようにさまざまなメーカーに自由を与えるのは素晴らしいことだと思う。同時に、各ブランドがレースにもっと影響力を持ち、レースにもっと深く関わる機会にもなる」と、アンドラウアーはSportscar365に語った。
「IMSAやWECなどを見れば、彼ら(ワンメイクサプライヤー)は常に勝利を収めている。彼らには真の意味での競争相手はおらず、タイヤを製造・販売するだけで、サポート役に徹しているだけだ」
「しかし、ここでは彼らはサポート役として参加しているだけでなく、競争力を持ち、勝利を目指している。だからこそ、競争に勝つために、最高のタイヤを提供するために最大限の努力を惜しまないのだ」
「これはタイヤメーカーにとって競争をもたらすだけでなく、パートナーシップも生み出すものだ。ミシュラン、ハンコック、ピレリ、グッドイヤー、ファルケン、ダンロップといったメーカーは、チームにスポンサーシップや予算面での支援も提供してくれる。これは素晴らしいことで、非常に助かる」
「ここには多くのプロドライバーが参戦しているが、その多くはタイヤメーカーのサポートのおかげだ。もしワンメイクレースだったら、参戦台数ははるかに少なくなっていただろう」
アンドラウアーは、ノルドシュライフェの難コースに最適化されたタイヤを開発するためにダンロップと緊密な関係を築いていると述べ、まだパフォーマンスを引き出す余地があると確信している。
「テストセッション、レース、NLS(ニュルブルリンク耐久シリーズ)のレースに至るまで、常にダンロップと密接な連絡を取り合っている。ダンロップから少なくとも1〜2名の担当者が現場に常駐し、コース上で何が起こっているのか、僕らが何を求めているのか、何が必要なのかについて、詳細な情報やフィードバックを提供してくれる。そうすることで、常に小さな改良や修正を加え、より良い製品を生み出すことができるのだ」とアンドラウアーは付け加えた。
アンドラウアーは、ダンロップの強みは涼しく乾燥したコンディションにあると考えており、今年のレースは昨年の雪辱を果たす「リベンジ」だと語った。昨年、ファルケンタイヤを装着したアンドラウアーのマシンは、視界不良の中、スピンした下位クラスのマシンと接触し、表彰台争いから脱落した。
姉妹車の44号車シュナブルはファルケンの支援を受けており、クラウス・バッハラーは、昨年のIMSAウェザーテック・スポーツカー選手権への参戦が重なったため欠場を余儀なくされたが、今回チームに復帰した。
ミシュランタイヤを装着したマシンは過去8回のレースで優勝しているが、バッハラーは今回こそその連勝記録を止めようと意気込んでいる。
「これが夢であり、だからこそ僕らはここにいるのだ」とバッハラーはSportscar365に語った。
「ファルケン・モータースポーツでの24時間レース参戦は8回目で、復帰できて本当に嬉しい」
「どのタイヤにも特定のコンディションや温度帯で有利な点がある。タイヤが最高のパフォーマンスを発揮できるタイミングを見つけ、そこで戦えることを願っている」
「昨年、チームは素晴らしいスピードを見せたが、最終的には勝利を手にすることはできなかった。トップ3争いをしていたところで、ターン1でアクシデントに見舞われた」
「このレースでは、最速のマシンであっても、ちょっとした不運、トラフィックや天候、路面のオイルなど、あらゆる要素が絡み合い、あっという間にすべてが終わってしまう可能性がある」
■タイヤのスペックを選択できることは「F1に近い」
タイヤメーカーが異なることに加え、各ブランドはニュルブルクリンク24時間レース用にソフト、ミディアム、ハード、そしてウエットコンディション用のコンパウンドをそれぞれホモロゲーションする必要がある。
ピレリタイヤを装着したダイナミックGTのポルシェ2台をドライブする予定のルーク・ハルトッグは、これはタイヤメーカーとチームにとって新たな挑戦だと語る。
「GTレースで通常見られる選択肢よりも、F1に近いものになってきている」と、ハルトッグ。さらに、タイヤエンジニアと直接協力してタイヤ開発に携わることができたのは「非常に素晴らしい経験だった」と付け加えた。
「このサーキットでは、タイヤ開発の方法がこれまでとは異なる。タイヤへの負担がはるかに少ないため、よりアグレッシブなタイヤを投入できる。特定のタイヤを開発し、学ぶためのまったく新しい方法だ」
ハルトッグは、2025年よりも1カ月早くレースが開催されること、そして気温が大幅に下がることも、新たな課題をもたらすと付け加えた。
「ドライタイヤの性能は、今はまだピークではないと言えるだろう」と彼は述べた。
「理想的なコンディションとは言えない。だが、路面が半分濡れていて半分乾いているような状態、つまり今週末に起こりそうな現実的なコンディションになれば、レインタイヤが非常に有利になるかもしれない」
「土砂降りの雨であれば、まったく勝ち目はない。豪雨への対応経験が豊富な他のタイヤメーカーと比べると、ラップタイムは大幅にロスしてしまう。だが、僕らの真骨頂は、路面が半分乾いていて半分濡れているようなコンディションなのだ」
[オートスポーツweb 2026年05月16日]