71歳大ベテランの挑戦/性能調整で複数車種に変更/ドライ以外ならチャンスありetc.【ニュル24時間予選後Topics】

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2026年05月16日 17:30  AUTOSPORT web

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ともにウインワード・レーシングが運営する80号車と3号車メルセデスAMG GT3エボ 2026ニュルブルクリンク24時間
 現役F1チャンピオンであるマックス・フェルスタッペンの初参戦により、例年に増して注目が集まっているADACラベノール・ニュルブルクリンク24時間レース。まもなく始まる決勝レースを前に、ここでは予選日の各種トピックをお届けする。

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 ランボルギーニは、ルカ・ルートヴィヒがフェラーリ488 GT3エボ(オクタン126)で予選トップの栄誉に輝いた2022年以来、ニュルブルクリンク24時間レースでドイツ以外のメーカーとして初の総合ポールポジションを獲得した。

 一方、ドイツ車以外での直近の総合優勝車は、フリカデッリ・レーシングによる2023年のフェラーリ296 GT3となっている。その時のドライバーラインアップの一員であったニッキー・キャツバーグが乗る130号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(レッドブル・チームABT)は、マルコ・マペッリが記録したタイムで姉妹車84号車ランボルギーニに次ぐ予選2番手となった。

 これは、2023年当時ハウプト・レーシング・チーム(HRT)のメルセデスAMG GT3で、ラファエル・マルチェッロがマーロ・エンゲルを抑えてポールポジションを獲得し、メルセデスがフロントロウを独占して以来初の同一メーカー車の予選ワン・ツーとなったことを意味する。

 エンゲルが今年の予選で乗り込んだ80号車メルセデス(メルセデスAMG・チーム・ラベノール)は、このドイツ人ドライバーがハッツェンバッハでクラッシュを喫したため、上位12のグリッドを決めるトップクオリファイ3(TQ3)に進出できなかった。

「もちろん非常に残念だ」と彼は語った。「チームには申し訳なく思っている。我々の誰もが望んでいた結果ではない。タイヤがまだ完全に適温になっておらず、温度を上げようとプッシュしていたところ、突然挙動が乱れたんだ」」

 ランボルギーニ勢に次ぐ3番グリッドを確保した16号車アウディR8 LMS GT3エボII(シェーラー・スポーツPHX)のクリストファー・ハーゼは、フィールドの前方からスタートすることの利点については控えめに語った。

「24時間レースの開始時にフロントランナーであることは、もちろん常に素晴らしいことだ。これはいつだって良いことだが、正直なところ何の意味もない。良い気分だし、精神的な後押しにはなるが、一方で僕はこれを何度も経験しており、はるか後方からスタートして最終的に非常に良い結果で終わったこともある。もちろん、3番手は良いことではあるけどね」


■予選前と決勝前に性能調整が入る

 ハーゼの16号車アウディは、ダニエル・ジュンカデラのドライブで4番手につけた3号車メルセデス(メルセデスAMG・チーム・フェルスタッペン・レーシング)の隣に並ぶことになる。コドライバーのF1“4冠”王者マックス・フェルスタッペンはTQ2で6番手タイムを記録し、3号車をポールシュートアウトに進ませるという役割を見事に果たした。

 チームメイトのトーマス・プレイニングのアタックで911号車ポルシェ911 GT3 Rエボ(マンタイ・レーシング)は予選8番手につけたがケビン・エストーレは、ドライでの1周の「純粋なペース」が少し足りないと考えているものの、ウエットやダンプコンディションでのチャンスには自信を感じている。グレロ・カラーの911号車は、トップ12シュートアウトに進出した唯一のポルシェだった。

「チームは今のところ、あらゆるコンディションにおいて適切なタイヤ、適切なタイヤ圧など、すべての面で素晴らしい仕事をしてくれている。しかし、スリックタイヤでの純粋なペースについては、メルセデスやランボルギーニに対して少し欠けていると思う。アウディも非常に強かった。我々も争いの中にいるが、間違いなく本命ではない」とエストーレはSportscar365に語った。

 ADACドイツ自動車連盟は金曜日の朝、トップクオリファイに先立って更新されたBoP(バランス・オブ・パフォーマンス=性能調整)テーブルをリリースした。これによりポルシェとフォード・マスタングGT3エボの両方の2番目のエアリストリクターが1mm拡大されている。以前は、ポルシェの2番目のリストリクターは1番目のものより1mm小さい35mmだったが、変更によって両方とも36mmとなった。一方、マスタングには35mmと36mmのペアのリストリクターが装備される。

 SP9クラスのメーカーにおける唯一の他の変更は、マクラーレン720S GT3エボの6000〜6500rpmの範囲におけるわずかなターボブースト圧の低減であった。この影響を受けるのは、今年のレースで唯一のGT3スペックのマクラーレンを投入しているドール・モータースポーツの69号車だ。

 ADACは決勝レースを前にふたたびBoPテーブルを更新し、この中で前回大会の優勝車であるBMW M4 GT3エボは10kgの重量増を受け取った。このクルマの予選最高位は9番手であったにもかかわらず、最低重量は1340kgから1350kgに引き上げられた。

 フロントロウを独占したランボルギーニも変更の対象となり、こちらは5kgの重量増と、エアリストリクター径の0.5mm縮小(50.5mmから50mm)を受け取っている。また、ポルシェにも5kgの追加重量が課されたほか、フォードは金曜朝に1mm拡大されていた第2エアリストリクターのサイズが、第1と同じ35mmに戻された。

 この他、SP9クラスに参戦する他のGT3車両への影響はないが、SP10クラスで走行するメルセデスAMG GT4には燃料タンク容量の調整が実施された。


■名物ジェントルマンドライバーが今年も出場

 トレーシー・クローンとニック・ヨンソンは今週末、共同ドライバーとして39回目の24時間レースに挑む。長年コンビを組む両名は、他2名とともにRPMレーシングが走らせるカップ2アマクラスの777号車ポルシェ911 GT3カップのステアリングを握る。ヨンソンと現在71歳のクローンは、ル・マン24時間レースに14年連続(2006〜19年)、デイトナ24時間レースに12年連続(2005〜16年)で参戦した記録を持っている。

 マット・キャンベルは木曜午後に更新されたエントリーリストで911号車ポルシェの4人目のドライバーとして追加されたが、同ブランドの広報担当者によれば、彼は今週末、すべてのポルシェSP9クラスのリザーブドライバーに留まるとのことだ。このオーストラリア人ドライバーは、マンタイのポルシェでアヤハンカン・ギュベンとともにNLS第2戦に出場し、2位でフィニッシュしている。

 キャンベルが正式追加された理由は、必要に応じてどのマシンでもレースができる資格を得るために、予選で最低2周を走行させるためであった。911号車ポルシェは、当初の計画どおり3人体制でレースを戦う予定であり、キャンベルが最終エントリーリストに記載されないのは、記載されるとレースで最低15周を走行する必要が生じるためだ。しかしこの規定は、レースが2時間以上中断された場合、その数字はわずか1周の最低走行周回数に短縮される。

 24時間レースでの最大連続運転時間は、5時間以内で3時間と規定されている。これを10分未満超過したドライバーには次回のピットストップで32秒のペナルティが科され、10分以上超過した場合には92秒となる。また複数の車両で参戦するドライバーには、各スティント間に最低2時間の休息をとることが義務付けられている。

 昨年表彰台に上ったルーク・ハルトフは、54号車と55号車を運営するダイナミックGTのポルシェの両方に登録されており、SP9クラスで複数のマシンに搭乗予定の8人のドライバーのうちのひとりとなっている。このオランダ人ドライバーは、911 GT3 Rエボのアップデートの一部である調整可能なエンジンブレーキは、ノルドシュライフェ(北コース)での過去のレースから得られたものだと語った。


■最後の“タイヤ戦争”の舞台に

 日本のスーパーGTが来季2027年から指定タイヤ制に移行するため、ニュル24時間とNLSは、タイヤコンペティションを採用する最後の主要なスポーツカーレースとなる。それにもかかわらずミシュランは今週末、フィールドの50パーセント以上、SP9クラスの18台にタイヤを供給する予定だ。同社は、直近の8大会を含む計25回の総合優勝を誇る。

 ミシュラン・モータースポーツの耐久プログラムマネージャー、ピエール・アルベスは次のように語った。「ニュルブルクリンク24時間は、おそらくGTタイヤメーカーにとってもっとも複雑な挑戦だ。コースは25kmを超え、超高速セクション、大きな高低差、絶えず変化する気象条件を備えたニュルブルクリンクは、独特の制約を課す。1周の中でドライとウエットが混在することもあり、多用途で一貫性のあるタイヤが求められる」

 フォード・レーシングのクリストファー・ミースは、今年後半にさらなるIGTCレースへの参戦を希望しているが、来月のスパ24時間レースがIMSAのワトキンズ・グレン戦と日程が重複する問題に直面している。

「素晴らしいチャンピオンシップであり、素晴らしいレースが繰り広げられるのは言うまでもない。開催地も魅力的だ」とSportscar365に語ったミース。

「僕は数年間参戦してきたが、ずっとIGTCの大ファンだった。スパはワトキンズ・グレンとの日程の衝突があるため出場できないが、追加できるレースがあれば参加したい」

 鈴鹿1000kmに向けたフォードのプロクラスエントリーはまだ明かされていないが、シーズン最終戦のインディアナポリス8時間レースでは、GTワールドチャレンジ・アメリカに参戦中のドーラハイト・レーシングが、ブルーオーバルを代表することになる。

 今年、レース序盤にカンガルーとの接触事故を経験したミースは、バサースト12時間レースへの復帰について問われると、「もし戻ることがあっても、二度とスタートは担当しないと言っておく」と答えた。「将来的に復帰することは間違いなく計画に入っているし、、できればより多くのマスタングGT3と一緒に参戦したい。クルマが増えればより多くのことを試せるし、より多くのことを学べるからね」

 IGTCの今季第2戦として開催されている第54回ADACラベノール・ニュルブルクリンク24時間レースの決勝は、16日土曜15時(日本時間22時)にスタートが切られる予定だ。

[オートスポーツweb 2026年05月16日]

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