「解像度が高すぎる!」timeleszの広告でファン熱狂。CM撮影の裏側とマーケティング戦略を仕掛け人に聞く

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2026年06月05日 09:10  マイナビニュース

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画像提供:マイナビニュース
「公式、わかってるじゃん」――。ファンが熱狂したプロモーションの裏側には、どんな戦略があったのだろうか。



モバイルバッテリーシェアリングサービス「CHARGESPOT(チャージスポット)」を展開するINFORICHが仕掛けた、アイドルグループ「timelesz (タイムレス)」の広告起用。これが、ファンのニーズに応えた「ファンマーケティング」の成功例としても注目を集めている。



この施策を牽引したのが、マーケティング部 担当部長の大澤南斗さんだ。今回は仕掛け人である大澤さんに、その舞台裏と独自のファンマーケティング論を聞いた。


○現場からマーケティングへ。根底にある「売り方の視点」



――まずは大澤さんのこれまでの経歴と、現在CHARGESPOTで担当されている業務について教えてください。



新卒でアパレル企業に入社し、店舗での販売員からエリアマネージャー、本部業務まで一通り経験しました。その後、SNSマーケティングのスタートアップ企業に転職し、SNSアカウント運用やインフルエンサーマーケティングの支援に携わりました。そこで、IP(知的財産)やインフルエンサーを起用したマーケティングの基礎を学んだんです。



現在はマーケティング部 担当部長として、INFORICHのテレビCMからSNSなど、全体的なコミュニケーション設計を担当しています。


――そもそもファンマーケティングとは? 大澤さんが考える「ファンマーケティング」と、通常の広告との違いはどこにあるのでしょうか。



一般的なファンマーケティングとは、企業が提供する商品を愛してくれるファンを増やし、売り上げを拡大していく戦略のことを指します。今回、僕たちはtimeleszを起用することで、彼らのファンの方たちに、自分たちのサービスも同じように興味を持っていただきたいと考えていました。



特に意識したのは、timeleszのファンが抱いている「応援したい」という熱い矢印の方向を、いかに自分たちのブランドやサービスの方にも向けてもらうか、という設計です。



単に人気のアイドルを起用するだけでは、ファンはその矢印をこちらに向けてくれません。いかに彼らが持つ文脈や物語を理解し、そこに我々のサービスを近づけていくか。「この企業、彼らのことをよくわかってくれているな」と感じてもらえるかが勝負になります。


――今回、広告塔に「timelesz」を起用した狙いを教えてください。



最も大きな理由は、CHARGESPOTというサービスを「常に新しい、ホットな存在」であり続けるインフラにしたいという点です。私たちのサービスは単一商材ですし、機能のアップデートが頻繁にあるわけでもありません。だからこそ、放っておくと「古いインフラ」だと思われてしまいます。



そこで、Netflixでのオーディション番組『timelesz project』で大きな話題になった彼らの勢いに乗らせていただこう、と考えました。彼らがオーディションという形で新しい挑戦をしている姿は、モバイルバッテリーを「持つ」から「借りる」という新しい文化を作ろうとしている私たちの姿勢と親和性が高いと感じたんです。



また、これまでリーチしきれていなかった30〜50代の女性層にアプローチしたかったというのもあります。

○「オタク解像度が高すぎる」と騒がれた動画の仕掛け


――SNSで配信されたメンバー同士のペア動画が「解像度が高い!」と反響を呼んでいます。あの構成にはどのような意図があったのでしょうか。


1人ずつの個別動画も配信していたのですが、もっと新しさを出したくて“ペア動画”という形にしました。



インタビュー形式だとどうしても作られた表情になってしまいがちですが、2人で自然な会話をしてもらうことで、まるで楽屋を覗き見しているようなリアルさを出したいと考えたんです。



――あの絶妙なペアリングや会話の内容は、どのように決めていったのですか?



まず、「モバイルバッテリーは持つより借りるほうがいい」という私たちの伝えたい訴求軸を決めました。次に、訴求軸に沿って、悩みを抱える人と解決策を提示する人という役割を設定し、パブリックイメージを元にメンバーを選定していったんです。



最後に、ファンの方たちが最も喜ぶ組み合わせをパズルのように当てはめていった感じです。例えば、佐藤勝利さんと原嘉孝さんは同期でラジオも一緒にやっている。菊池風磨さんと橋本将生さんはファン公認の仲良し……といった、ファンの皆さんの期待に応えられるようなラインを徹底的にリサーチして、ペアを作り出しました。



――INFORICHのサービスと、彼らが持つ関係性を近づけていったのですね。では、その「彼らの解像度」を上げるために、具体的にどのようなインプットをされたのでしょうか。



これは本当に日々の地味な積み重ねですね。通勤中に彼らのラジオを聞き、レギュラー番組をチェックし、SNSやYouTubeのコメント欄も徹底的に読み込みました。ファンがどこに一番沸いているのか、どんな共通言語やグループ内の流行語があるのか……といったところを欠かさずチェックした感じです。

○目指すのは「新しくて面白いもの」。進化し続けるCHARGESPOT


――今回の取り組みによる具体的な成果について教えてください。



指名検索数は昨年比で140%に増加しました。さらに驚いたのはSNSでの発話量で、CHARGESPOTに関連するUGC(ユーザー生成コンテンツ)が前年比で約3.5倍になっています。これはやはり、ファンの皆さんが動画やキャンペーンを楽しんで、自発的に拡散してくださった結果だと思います。



また、アンケート調査でも、特に今回ターゲットとしていた30代〜50代女性の利用率が向上しています。全国6万カ所のバッテリースタンドに彼らのビジュアルが出たことで、「街中でメンバーに会えるのが嬉しい」という声も多く、サービスのアイコン的な役割を果たしてくれました。



――今後、CHARGESPOTのマーケティングはどのように進化していくのでしょうか。



私たちのサービスは無機質なインフラになりがちですが、だからこそIPやエンタメの力を借りて、常に「新しくて面白いもの」という仕掛けを作っていきたいと思っています。



また、INFORICHには応援広告を出せる「CheerSPOT(チアススポット)」というサービスもあります。今後はCHARGESPOTとCheerSPOTをさらに掛け合わせ、より多角的なコミュニケーションを仕掛けていきたいですね。



――最後に、CHARGESPOTに興味を持った方へメッセージをお願いします。



私たちは国内外に設置場所を広げ、いつでもどこでも充電の不安がない社会を目指しています。そんなお堅いインフラでありながら、エンタメが大好きなスタッフが多いので、常にワクワクするような仕掛けを考えています。これからも「次はどんな面白いことをしてくれるんだろう?」と期待していただける存在であり続けたいですね。



猿川佑 さるかわゆう この著者の記事一覧はこちら(猿川佑)

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