
途中で、秋田さんが急にお腹を押さえて「少しトイレに行ってきます」と言いました。顔色がよくなかったので、私は「ケイタくんは私が見ておくから!」と、返しました。秋田さんはすぐにトイレへ向かっていきました。
秋田さんがトイレに向かった直後、ケイタくんが泣き出しました。私は優しく声を掛け続けながら背中を軽くさすりましたが、泣き止む気配はありませんでした。そのとき、バッグに付いていた「ポケっぴー」のキーホルダーが目に入りました。好きなキャラクターなのだろうと思い、私は近くに落ちていた細い枝を拾い、地面にしゃがみました。
最初は不安で泣き出してしまったものの、ケイタくんは私がイラストを描く様子をじっと見つめるうちに泣き止みました。即興でしたが、地面に描いた大好きなキャラクターのイラストを見た瞬間、表情が和らぎ、指をさして嬉しそうに笑ってくれました。その様子に私も胸をなでおろし、思わずほっと息をつきました。自分の絵がこんなふうに誰かの気持ちを支え、安心させる力になるのだと実感し、少し誇らしい気持ちにもなりました。まさに芸は身を助くという言葉の通りで、今回は絵を描けることで思わぬピンチを無事に乗り切れました。子どもたちに大人気のポケっぴーにも改めて感謝です。
文、作画・カヲルーン 編集・横内みか
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