
ビジュアル系エアバンド、ゴールデンボンバー(金爆)のギター担当で俳優の喜矢武(きゃん)豊(41)が、公開中の映画「劇場版山崎一門2〜日本統一〜」(辻裕之監督)に主演している。累計100作品超の人気配信シリーズ「日本統一」のスピンオフ映画第2弾。2022年(令4)の「日本統一53」から登場し、広域組織三代目侠和会傘下の三代目川谷組悠成会若頭の翁長照邦(おなが・てるくに)、通称テルを演じている喜矢武に、主役としての思いを聞いた。【小谷野俊哉】
★また脱いじゃいます
三代目侠和会は本宮泰風(54)が若頭・氷室蓮司、山口祥行(54)が本部長・田村悠人を演じる。今回は、喜矢武演じるテルが宗教団体に洗脳され、仲間を騒動に巻き込んでいくコメディータッチとなっている。
「これはこれで、やっぱり『山崎一門』。一門の結束の固さを描いてますから。世の中を浄化するために立ち上がる任侠(にんきょう)っていうのは、かっこいいですよね。悪だけじゃないんです。僕は騒動の原因を作ってしまう役柄で、みんなよりちょっと出番が多い感じ。自分が主演だと言われた時はびっくりしました。なぜ私が、っていう気持ちでした。ありがたいんですが、主役と言われると恥ずかしいですね」
4年前から「日本統一」シリーズに出演している。
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「出演が決まった時は、まず極道の世界というのが分かりませんでした。あと、今までやってきたところに後からポッと入るプレッシャーが、めちゃめちゃありましたね。泰風さんと知り合って、面接とまではいかないですけど、いろいろと話をしていただいた中で『出てみないか』っていうことになったんです」
任侠ものが作りにくい時代でもある。男性を中心に根強い人気を誇る「日本統一」シリーズに若い女性を引き込むために、総合プロデューサーも務める本宮が、喜矢武をキャスティングした。
「泰風さんから『山口と俺だけじゃ』って、頑張ってくれと(笑い)。でも、泰風さんと山さんが2人並んだ時のオーラはすごい。やっぱりパワーは強い。もう感動的、隙なしですね。泰風さんは、めちゃめちゃ人を見ています。ずっと陰から観察している。そして、いろいろなことを考えている。見透かされている感じがしますね」
★バンドと俳優は別物
本宮とは、また違った重みを持つのが山口だ。
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「山さんもめちゃめちゃ人を見ていますね。どっちかっていうと、人と人の橋渡しみたいな役割をやってくれています。ちゃんと泰風さんを立てながら、叱ってくれる。シリーズに僕が加入した時、自分の下に付く人間として期待していたら、イメージと全く逆の俺が来ちゃって、最初は怒ってたらしいです。今は、平和になっていますけど。でも、ある意味そういうところが山さんらしい。愛らしいし、なんか面白い」
ゴールデンボンバーと俳優。俳優をやっている時は、バンドのことは意識にないという。
「基本的には忘れちゃってますね。ゴールデンのことを入れちゃうより、近づけないほうがいいと思っています。メンバーたちは多分、役者の僕に興味がないんじゃないかな。鬼龍院(翔)なんかは、あら探しで見てますけど。どういう風に僕をイジるか、ってね」
ゴールデンボンバーのステージでは、笑いを取るためにさまざまなパフォーマンスを行っている。ブリーフ一丁になり、手作りの段ボール製の小道具・大道具を使う。
「ゴールデンボンバーと俳優業の切り替えも、舞台と映像では、また違ったりします。舞台だと、かなり音楽のステージと近いところがある。お客さんが目の前にいるというところは同じ。ゴールデンは一応エア演奏もしているけど、そういう意味では完全に演劇というかね。その場の空気を読んでパフォーマンスをしてきた。舞台も、その場の空気を感じながら芝居をする。今までやってきたことが、使えるというのがありました」
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★気持ちでやらないと
ドラマ、映画など映像作品に出演する時は、全く別ものだ。
「映像になった時、どこに向けて発信すればいいんだろう、ってなった。迷いというか、全く分からなかった。映像はせりふを強く言わなきゃいけないと思うんですよね。大きくアップできちゃうから、ごまかしがきかない。演じるというより、気持ちでやらないといけないことに最近、気が付きました」
04年に鬼龍院翔(41)らとゴールデンボンバーを結成。
「一緒に遊んでいた友達同士でやってみようと。だけどギターが、全然うまく弾けない。それで、エアバンドになりました」
ギターがうまく弾けない代わりに、ギターソロと称して、面白パフォーマンスを繰り広げる。
「鬼龍院が決めたんです。面白いことをやりたかったのか、俺にギターを弾かせたくなかったのか、両方かと。そのお笑いの部分がどんどんでかくなって。それで、他のメンバーもやるようになりました。今思うと良かったなと。面白いバンドになって、来てくれた方が笑ってくれるのが、本当にうれしいです」
★いい人生を送ってる
イケメンで、ブリーフ一丁の姿も見せる。
「この作品でも、ちょっと脱ぐシーンがあります(笑い)。なんか最近、泰風さんが僕を脱がすのが好きらしくて。でも、僕がこの作品に出られるっていうのは、何か違う風が欲しいからだと分かっています」
41歳になった。
「40代になる前は、なかなかの大人になるなと思っていました。でも、なってみると変わらない。ふと、こんな40代で大丈夫なのかと思ったりもしますけど。まぁ、逆に考えると、もう40代だけど、やりたいこともあるし、好きなことをやれてるっていう部分は、なんかいい人生送ってんじゃないかなって」
好きなことをやって人を楽しませ、自分も楽しむ。いい人生だ。
▼「劇場版 山崎一門2〜日本統一〜」の総合プロデューサー兼三代目侠和会若頭の氷室組組長氷室蓮司役の本宮泰風(54)
喜矢武は「日本統一」のシリーズの内容を全然知らないんですよ。4年前に参加してからのストーリーも分かってないし、その前のことはもちろん。薄々はみんな怪しいなとは思ってたんだけど、つい先日、レギュラーシリーズの撮影で完全に発覚した。侠和会の最大の敵の丸神会を知らなかったんです。台本を読まないのも、もういいです。まぁ、芝居を見ていて、それはそれでいいと思ってるんで(笑い)。
◆喜矢武豊(きゃん・ゆたか)
1985年(昭60)3月15日、東京都生まれ。04年(平16)にボーカルの鬼龍院翔らとゴールデンボンバーを結成して、ギターを担当。05年頃からエアバンドに。09年発売の「女々しくて」が、12〜13年に51週連続オリコンカラオケランキング1位の新記録。12〜15年「NHK紅白歌合戦」出場。12年に俳優デビューの映画「死ガ二人ヲワカツマデ…」で主演。13年フジテレビ系「ビブリア古書堂の事件手帖」で連ドラ初出演。15年に初舞台「ふしぎ遊戯」で主演。166センチ。血液型B。
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