2026年F1第7戦バルセロナ・カタルーニャGP ルイス・ハミルトン(フェラーリ) 6月14日(日)、2026年F1第7戦バルセロナ・カタルーニャGPの決勝レースが行われ、ルイス・ハミルトン(フェラーリ)がフェラーリ移籍後初/自身通算106勝目を飾った。2位にジョージ・ラッセル(メルセデス)、3位にランド・ノリス(マクラーレン)が続いた。
ハミルトンの勝利は2024年F1第14戦ベルギーGP以来であり、メルセデス以外のパワーユニット(PU)/エンジンでのキャリア初勝利となった。
スタートタイヤは、22台中13台がミディアムタイヤ(C3/イエロー)、6台がソフトタイヤ(C4/レッド)、19番グリッドのセルジオ・ペレス(キャデラック)とアストンマーティン勢の計3台がハードタイヤ(C2/ホワイト)と、タイヤに厳しいカタロニア・サーキットだけに上位勢でもタイヤ選択が別れた。
決勝日は快晴。強い日差しが照り付け、気温31度、路面温度52度、湿度30パーセントというコンディションとなるなか、66周の決勝レースは幕を開けた。
クリーンなスタートを切り、上位5台はグリッド順のままオープニングラップを終えた。ただ、6番グリッドスタートのアイザック・ハジャー(レッドブル/ミディアム)は大きく出遅れ、14番手までポジションを下げてしまう。
2周目よりオーバーテイクモードが使用可能となるが、その時点で首位のラッセル(ミディアム)は、2番手ハミルトン(ソフト)に対し1秒以上のギャップを築いた。また、上位勢のうち2番手ハミルトンとマックス・フェルスタッペン(レッドブル)の2台がソフトタイヤを履いていたが、ソフト勢のペースはミディアム勢と大差がなかった。
ミディアムタイヤで首位を走るラッセルはファステストラップを更新するペースで2番手ハミルトンを引き離し、3秒以上のギャップを開けたところでタイヤを温存するべく、ペースコントロールに入った。
一方で3番手のアンドレア・キミ・アントネッリ(メルセデス/ミディアム)は、2番手ハミルトンの後ろで周回を続けた。タイヤに厳しいコースだけに、上位勢はしばし様子見の時間が続く。そんななか、6周目にランス・ストロール(アストンマーティン)がギヤボックスのトラブルでマシンをガレージに収めた。
8周目のターン3でシャルル・ルクレール(フェラーリ/ミディアム)が、オスカー・ピアストリ(マクラーレン/ミディアム)をかわし6番手に浮上。続けてルクレールはソフトタイヤを履くフェルスタッペンの背中を追う。予選でのミスを取り返そうと、ルクレールはプッシュを続けた。
そんななか、12周目に2番手ハミルトンが真っ先にピットインし、ハードタイヤに履き替えた。その動きに反応し13周目に首位ラッセル、5番手フェルスタッペンがピットイン。ラッセルはハードタイヤ、フェルスタッペンはミディアムタイヤに履き替えた。
ラッセルとハミルトンの位置関係は変わらずも、1周のアンダーカットでハミルトンは1.6秒差までギャップを縮めることに成功した。そして15周目にはアントネッリがハードタイヤに交換を済ませた。1回目のタイヤ交換を終え、上位勢の位置関係は変わらず。
ハミルトンに合わせるというチームの指示で13周目にピットインしたラッセルは、当初ピットストップを先伸ばす計画だったようで「タイヤを温存していたのに」と不満を口にしつつ、20周目にはハミルトンに対し再び2秒のギャップを築いた。
首位ラッセル、2番手ハミルトン、3番手アントネッリ、4番手ノリスのトップ4は同じハードタイヤ、交換タイミングも近かったこともあり、ほぼ同じペースで周回が続く。一方、ミディアムタイヤの5番手フェルスタッペンは、ノリスのペースについていけず、逆に6番手ルクレールの接近を許すことに。
ハードタイヤに履き替えて14周となった27周目、ラッセルはフロントタイヤの食いつきに違和感を抱くもハミルトンに2.8秒のギャップを築いていた。そんななか28周目、ハードタイヤへの交換からわずか15周のタイミングで2番手ハミルトンが2度目のピットストップでミディアムタイヤに交換した。
タイヤを替えたハミルトンは7番手でコースに復帰すると、ラッセル比で1周あたり2.6秒速いペースを見せた。29周目にはハードタイヤのピアストリを易々とかわし、6番手に浮上する。30周目にはフェルスタッペンが2度目のタイヤ交換でミディアムからハードへ交換し、ハミルトンは5番手となる。
ハミルトンの強力なペースは、メルセデス勢の頭を悩ませた。さらに、ラッセルはラップダウンの車両に引っかかり、見た目上2番手のアントネッリとのギャップが1秒以内に。これでアントネッリがオーバーテイクモードを使用できる状況に。
ハミルトンはタイヤ戦略の異なるルクレールに前を譲ってもらい4番手に浮上。一方でメルセデス勢の戦いは33周目には激化。アントネッリには担当エンジニアのピーター・ボニントンから「トラックリミットに気をつけてくれ」を無線が飛ぶ。2台のメルセデスが接近戦を繰り広げる間に、4番手ハミルトンはラッセルから10秒以内に入った。
そんななか、36周目に3番手ノリスが2度目のピットストップでハードタイヤ(2セット目)に交換。この動きに反応し、37周目にラッセルが、38周目にアントネッリがハードタイヤ(2セット目)に交換。メルセデス勢はノリスの前でコース復帰を果たす。
これで見た目上のトップはハミルトンに変わった。ただ、ハミルトンはもう1度タイヤ交換をしなければならない。フレッシュなハードタイヤに替えたラッセルは、ハミルトンとのギャップを徐々に縮める。そんななか、レースの展開が大きく変わる出来事が起きた。
トップが41周目を迎えるなか、ターン9でフェルナンド・アロンソ(アストンマーティン)がバッテリートラブルでマシンを止めた。これでイエローフラッグからバーチャル・セーフティカー(VSC)導入となり、このVSC中に5番手フェルスタッペンがミディアムタイヤに替えた。
VSCは少し長めとなり、VSC中の42周目に首位ハミルトンはハードタイヤに履き替えることに成功。ハミルトンはトップでコースに復帰し、2.4秒後方に2番手ラッセル、4.2秒後方に3番手アントネッリという位置関係となる。
これでハミルトンのフェラーリ移籍後初勝利が現実味を帯びるなか、レースコントロールが『ハミルトンのイエローフラッグ違反の可能性を記録』とインフォメーション。ただ、ハミルトンは強烈なペースでラッセルとのギャップを47周目時点で5.1秒まで広げた。
49周目、ハミルトンのリードが7秒に達したところで『ハミルトンにイエローフラッグ違反無し』のインフォメーションが出された。ただ、それでもハミルトンのペースはかなり速く、ラッセルとのギャップは広がり続けた。
一方、50周を過ぎると2番手ラッセルのペースが上がらず、3番手アントネッリが接近。ラッセルはハミルトンを追うことはできず、アントネッリから2番手のポジションを死守することに徹することに。
61周目、アントネッリがホームストレートでラッセルに並ぶと、サイド・バイ・サイドの末、ターン1でアントネッリが2番手に浮上した。しかし、そのオーバーテイク翌周の62周目、ターン5立ち上がりでアントネッリがストップ。さらにほぼ同じタイミングで6番手ルクレールがパワーステアリングトラブルでスローダウンとなりVSC導入に。
ただ、VSC解除後も展開が大きく変わることなく、66周目を終えてハミルトンがトップチェッカーを受けた。フェラーリ移籍後初優勝、そして2024年F1第14戦ベルギーGP以来となる通算106勝目の勝利を飾った。そして、今季第2戦中国GPから続いた19歳アントネッリの連勝を5回で止めたのは41歳のハミルトンだった。2位にラッセル、3位にノリスが続いた。
以下、4位フェルスタッペン、5位ピアストリ、6位ハジャー、7位ピエール・ガスリー(アルピーヌ)、8位フランコ・コラピント(アルピーヌ)、9位リアム・ローソン(レーシングブルズ)、10位アービッド・リンドブラッド(レーシングブルズ)までがポイントを獲得。ホンダPUワークスのアストンマーティンは2台ともにリタイアとなった。
次戦となる2026年F1第8戦オーストリアGPは6月26〜28日に、レッドブルリンクで開催される。
[オートスポーツweb 2026年06月14日]