東京商工リサーチが9日発表した11月の企業倒産件数(負債額1000万円以上)は前年同月比4.2%増の841件となり、3カ月連続で前年同月を上回った。原材料などのコスト増を価格に転嫁できない「物価高」関連倒産が4カ月ぶりに増加に転じ、円安による物価上昇や人件費高騰が事業継続に影を落としている。
負債総額は68.8%増の1602億2300万円。上場企業で今年初の倒産となった素材メーカーの日本電解など、負債額100億円以上の大型倒産が2件(前年同月は0件)発生。1億円以上10億円未満の中堅規模の倒産も203件(同162件)に上った。
年間累計件数は11月時点で9164件と既に前年を上回っており、商工リサーチは「11年ぶりの年間1万件超えが見えてきた。あらゆるコスト上昇が企業を直撃しており、負担増を吸収しきれず破綻する企業が増えていく」と分析している。