太平洋上で警戒監視中の海上自衛隊のP3C哨戒機に異常接近した中国軍のJ15戦闘機。翼下部に装着された白色のミサイルのようなものが見える=8日(防衛省提供) 中国軍空母「山東」を太平洋上で監視していた海上自衛隊のP3C哨戒機に異常接近した中国軍のJ15戦闘機は、2日間にわたり、衝突を誘発しかねない飛行を繰り返した。防衛省が公表したJ15の画像にはミサイルのようなものが写っており、同省は「模擬か実弾かは不明だが、ミサイルと推定される」としている。
同省は異常接近された海自機が8日に撮影したJ15の画像を公表。翼下部に白いミサイルのようなものが写っている。赤外線誘導の空対空ミサイルの可能性があり、同省幹部は「胴体下部にも別のミサイルを搭載しているのではないか」と話す。
同省によると、J15は8日、海自機の前方約900メートルを横切った。両機に高度差はなく、J15のジェットエンジンが気流の乱れを引き起こし、後方を飛ぶ海自機のエンジンに影響するリスクもあった。乱気流では、最悪の場合、エンジンが停止することもあり得るという。
空自幹部の戦闘機パイロットは「意思疎通できない状況下で、機動性が高い戦闘機が、高度差がないまま異常接近すれば衝突事故を誘発する可能性が高い」と指摘。J15が複数回異常接近したことから、パイロットの独断ではなく、組織的に行われた可能性もあるという。