「SUUMO住みたい街ランキング」には住みたい憧れの街・住めそうな街が混在。「穴場」ランキングの上位にも知名度のある駅が大半を占める リクルートが首都圏(東京都・神奈川県・埼玉県・千葉県・茨城県)に居住している人を対象に実施したアンケート調査「SUUMO住みたい街ランキング2025 首都圏版」から「穴場だと思う街(駅)」と、同調査を参考に記者が独自に選定した「穴場だと思う街(自治体)」を紹介しよう。
その他の画像はこちら●「SUUMO住みたい街ランキング」には住みたい憧れの街・住めそうな街が混在
同調査は、首都圏在住の20〜49歳の男女1万人に対して、2024年11月8日〜12月6日に実施した。「住みたい沿線ランキング」や「住みたい自治体ランキング」、年代別・ライフステージ別・居住地別の「住みたい街(駅)ランキング」など、より詳細なデータも公開している。なお、「住みたい自治体ランキング」以外は駅ごとのランキングであり、地下通路/連絡通路でつながっている駅は同一とみなし、「回答時に最も多く選択され、得点数が高かった駅」として出現した回数が多かった駅名で紹介している。
今年のトピックスは、物価高、家賃高騰のなかで、「船橋」「立川」「柏」「藤沢」などの郊外のターミナル駅が過去最高位を獲得したこと。また、「交通利便性や生活利便性が高いのに家賃や物件価格が割安なイメージがある」という定義で「穴場だと思う街(駅)」を聞いたところ、1位は「北千住」、2位は「大宮」、3位は「和光市」となり、4・5位に西武有楽町線・池袋線の「練馬」、西武新宿線・池袋線の「所沢」が続いた。
6〜10位には「流山おおたかの森」「小竹向原」「横浜」「柏」「川口」が入った。つくばエクスプレス・東武野田線の「流山おおたかの森」は、記憶に残りやすいキャッチコピーでファミリー層の支持を集めている。JR京浜東北線「川口」駅には今年5月、旧そごう川口店の建物をリニューアルした商業施設「三井ショッピングパーク ららテラス川口」がオープン予定。JR・東武野田線の「柏」は前述の通り、千葉県内有数のターミナル駅。「小竹向原」は知名度こそ低いものの、メトロ有楽町線・副都心線(東武東上線と相互直通運転)と西武有楽町線が乗り入れ、高速道路のジャンクション(JCT)に相当する運行上の重要駅となっている。
ただし、「大宮」や「横浜」などは「住みたい街(駅)ランキング」の上位にもランクインしており、人気と知名度がある。実際には家賃や物件価格はさほど割安ではなく、むしろ近隣に比べ割高といえるケースもあるので実際に住宅を購入する場合は注意が必要だ。
●「自治体」では東京23区の一部の区が前年に比べ躍進
行政単位に基づく「住みたい自治体ランキング」では、東京都の「大田区」「杉並区」「千代田区」などが前年に比べ、大きく得点ジャンプアップを果たし、東京都心のオフィス街勤務者の「職住近接」の傾向の強まりがうかがえる。
このほか、「住みたい自治体ランキング」の「得点ジャンプアップしたまち(自治体)」には、茨城県の「龍ケ崎市」「つくば市」「つくばみらい市」「土浦市」「牛久市」、神奈川県の「藤沢市」「横浜市南区・港南区・金沢区・神奈川区・瀬谷区」「相模原市緑区」「厚木市」「小田原市」「平塚市」、東京都の「立川市」「多摩市」「町田市」、千葉県の「市川市」「松戸市」「柏市」「銚子市」「木更津市」、埼玉県の「さいたま市南区・北区」「川越市」「所沢市」「飯能市」などもランクイン。本当の穴場といえるまちは、これらの得点ジャンプアップした自治体の中心駅や、その駅から1〜2駅離れた駅ではないだろうか。誰でも知っている穴場は、もはや穴場ではないだろう。
関東地方で転居を検討中の方はぜひ、先入観に問わられず、通勤・通学の利便性を考慮しつつ、多くの選択肢から検討していただきたいと思う。人々のまちに対する関心が高まるほど、「SUUMO住みたい街ランキング」のようなインターネット調査の信頼性も高まるだろう。(BCN・嵯峨野 芙美)