天皇陵などで倒木被害相次ぐ 「卑弥呼の墓」や世界遺産の古墳も

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2025年03月19日 13:01  毎日新聞

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毎日新聞

手前は百舌鳥陵山古墳(履中天皇陵)、奥は大山古墳(仁徳天皇陵)=堺市で2023年1月11日、本社ヘリから加古信志撮影

 天皇や皇族の墓などとして宮内庁が管理する8カ所の陵墓で2018年以降、台風や大雨による倒木で墳丘に穴が開いたり、地中から埴輪(はにわ)が露出したりする被害が相次いでいることが判明した。世界遺産の百舌鳥・古市古墳群(大阪府)の大山古墳(仁徳天皇陵)や、卑弥呼の墓との説がある奈良県の箸墓(はしはか)古墳(大市墓)なども含まれる。一級の文化財としての側面を持つ陵墓で樹木管理が大きな課題になっている実態が浮かんだ。


 毎日新聞は陵墓の管理状況を確認するため、宮内庁が陵墓の保存整備工事に関して専門家の意見を聞く「陵墓管理委員会議」で使用した13〜24年分の資料や会議録を情報公開請求し、開示を受けた。さらに宮内庁へ取材し、陵墓の調査報告書を確認したところ、台風や大雨による倒木被害が相次いでいることが明らかになった。


宮内庁が調査


 こうした事態を受けて宮内庁は23〜24年、主に西日本に所在する古墳などの陵墓で樹木の状況を調査。地形的に台風の影響を受けやすい場所に樹木が生えていた陵墓は、調査対象の大半を占めた。宮内庁は立地や大きさから陵墓を優先度で4分類し、昨年7月の陵墓管理委員会議で報告した。会議録によると、委員の一人は「危険木を伐採するということはぜひしないといけない」と述べる一方、自然環境に配慮して植物の種類などを「十分に検討して説明できるようにしないと、自然環境を守るというところからクレームが出てくるだろう」と懸念を示した。


 宮内庁陵墓課は毎日新聞の取材に「いくつかの陵墓で自然環境を確認する調査をしており、今年夏ごろの会議で説明する予定だ。陵墓の景観や自然環境などを損なわないように留意しながら、リスクのある場所の樹木の伐採を進めていきたい」と説明した。【高島博之】



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  • ついでに学術調査も入れて、本当に○○天皇陵なのかも調査しないとね。
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