鹿児島県警は21日、知人女性に捜査情報を漏らしたとして、前捜査2課長の安部裕行警視(29)を地方公務員法(守秘義務)違反容疑で書類送検したと発表した。安部警視は別の知人女性に性的暴行を加えたとして不同意性交等の疑いで書類送検され、警務部付に更迭されていた。課長着任後に複数の女性と不適切な交際をしていたことも明らかになったとして、県警は21日付で安部警視を停職1カ月の懲戒処分とした。
鹿児島地検は21日、いずれの容疑も不起訴処分とした。同法違反は起訴猶予で、不同意性交は処分理由を明らかにしていない。
県警などによると、安部警視は警察庁採用のキャリア官僚。県警の捜査2課長に着任した2023年8月から24年12月まで、県内外の複数の女性と交際していた。24年4月と6月には、交際していた女性の1人に自身が捜査指揮していた事件の情報を、スマートフォンのメッセージアプリで漏らした。
情報を漏えいしたことについて、安部警視は「仕事で忙しい状況を理解してもらうためだった」と説明しているという。安部警視はこの時期、県警の元生活安全部長が逮捕、起訴された国家公務員法(守秘義務)違反事件などの捜査を指揮する立場にあった。25年1月、安部警視による性的暴行を訴えるメールが警察庁に届いたのを受け、県警が捜査を進めていた。
この日、記者会見した県警の岩瀬聡本部長は自身と中野誠刑事部長の指導監督が不十分だったとして、警察庁から業務指導を受けたと明らかにした。岩瀬本部長は「(県警で相次ぐ不祥事の)再発防止策への信頼も大きく損なうものであり、県民に深くおわび申し上げます」と陳謝した。【取違剛】
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