高市氏、麻生氏と連携アピール=「外交力強化」で石破首相に対抗

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2025年05月15日 07:31  時事通信社

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時事通信社

自民党の「自由で開かれたインド太平洋戦略本部」の会合で発言する本部長の麻生太郎元首相(中央)。左から2人目が高市早苗前経済安全保障担当相=14日午後、東京・永田町の同党本部
 自民党の高市早苗前経済安全保障担当相が「外交力強化」をテーマに、保守系議員を結集する動きを見せている。麻生太郎元首相がトップを務める党政調組織の開催に奔走。麻生氏との連携をアピールし、リーダー候補として存在感を発揮する狙いも透ける。

 「自由貿易の旗手として地域の課題解決に日本が主導的な役割を果たす時期だ」。14日午後の党本部。「自由で開かれたインド太平洋戦略本部」の会合に出た高市氏は、トランプ米政権の高関税政策が世界を揺さぶる中、外交力に関する議論を進める意義を記者団に強調した。「政局に向けた動きか」との問いは、「勘ぐらないで」と受け流した。

 「自由で開かれたインド太平洋」は石破茂首相と対立関係にあった安倍晋三元首相の「レガシー(遺産)」とも目される。今春、高市氏は自身の政調会長時代に設置された同本部が休眠状態だと知り、麻生氏に「今やらないでいつやるんですか」と談判。自らも本部長代理として中軸を担うことにした。

 14日の会合には茂木敏充前幹事長、萩生田光一元政調会長、古屋圭司元国家公安委員長といった首相と距離を置くベテランら57人が出席。参加者は「石破包囲網だ」と感想を漏らした。

 昨年の総裁選で首相に決選投票で逆転負けした高市氏は次の総裁選に捲土(けんど)重来を期す。参院選が近づく中、従来の支持層である保守系を意識した発信を再び活発化。4月に台湾を訪れ、頼清徳総統と会談した。今月13日にはインターネット番組で、消費税減税に慎重な首相の姿勢を「がっかり」などと批判した。

 もっとも高市氏の対中強硬姿勢や積極財政の主張にはアレルギーが根強く、党幹部は「何を考えているのか」と冷ややか。保守系内部も小林鷹之元経済安保相を推す動きがあるなど一枚岩とは言えず、高市氏に近い議員は14日の会合について「麻生氏がトップだから人が集まった」と認めた。

 「継続することが大事だ」。会合終了後、参加者の人数を聞いた麻生氏は、求心力アップが高市氏の課題だと言わんばかりに含み笑いを浮かべてこう語った。 

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