
「ポイント経済圏」に大きな動きです。QR決済でトップの「PayPay」と利用者500万人の金融アプリ「Olive」が提携。企業の狙い、そして消費者のメリットは?
“ポイント経済圏”に強力連合 「PayPay」×「Olive」のワケソフトバンク 宮川潤一 社長
「キャッシュレスNo.1の連合ができたということです」
ソフトバンク社長がこう誇ったキャッシュレス業界の勢力図を大きく変える動き。ソフトバンクグループでスマホ決済最大手の「PayPay」と三井住友の金融アプリ「Olive」が提携を発表したのです。
Olive上でPayPay残高での支払いが選べるようになるほか、貯まったVポイントとPayPayポイントを交換することも可能に。利用者は…
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「連携したら便利でいいと思う」
「一元化できたら一番いい。会社によって(ポイント)サービスがバラバラ」
「大きな買い物はクレジットカードとかを使う。普段、細かい買い物をするのがPayPay。ポイントをリンクできるとなったら、もっと生かせそう」
期待の声がある大型コラボ。企業側の狙いは?
三井住友FG 中島達 社長
「今回の大連立によって、あるいはポイントの相互交換によって、よりお客さんに使っていただけるようなサービスになっていけばいいと考えている」
つまり「ポイント経済圏」の連携で顧客を囲いこもうというのです。
そして、銀行がその先に見据えるのは預金の獲得です。
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三菱UFJFG 亀澤宏規 社長
「親会社株主純利益については1兆8629億円となり、過去最高益を2年連続で更新」
「金利のある世界」に戻り、追い風が吹く銀行業界。15日に出そろったメガバンクの決算では3行とも過去最高の純利益に。ただ、この先の成長にはデジタル分野の強化が欠かせません。
三井住友FG 中島達 社長
「ソフトバンクの最先端のデジタルサービス・AI技術は、Oliveによる我々のリテールビジネスの変革を大きく加速させてくれるものと期待」
銀行がデジタルの領域を広げる動きはほかにも。
みずほFG 木原正裕 社長(去年11月)
「我々自身のデジタル化、いろんなマーケティングやポイントもやるが、やはり他社と共同してやった方がより広がりがある」
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みずほは「楽天経済圏」を見据えて提携クレジットカードを発行。そのうえで通帳や印鑑をなくした“相談”に特化した店舗をオープンさせています。
三菱UFJもデジタルネイティブの若者世代を囲い込むべく、金利の高いネット銀行を新設する方針です。
「デジタル」に大きくシフトする消費者のニーズをとらえようと、銀行の変身が加速しています。
メガバンクの顧客拡大策は? 連携で預金獲得へ出水麻衣キャスター:
メガバンクでは様々な方法で顧客拡大策を進めています。
三井住友フィナンシャルグループでは、「Olive」と「PayPay」の提携を決めました。ヘルスケアなど、金融以外のサービスを目指します。
他にも、みずほ銀行は「楽天カード」と提携し、カード事業やポイントサービスを連携しています。
そして三菱UFJ銀行は、全自動資産運用サービス「ウェルスナビ」を完全子会社化し、資産運用サービスの強化をしていくということです。
“ポイ活”に詳しい「ポイ探」代表取締役の菊地崇仁さんによると、「メガバンクが持っている独自『ポイント』は強くない。今後ポイント経済圏と連携し、自社サービスを拡大させていく戦略が進むのではないか」と話していました。