ＩＲジャパンを強制調査＝社員がインサイダー取引関与か―監視委

　コンサルティング会社「アイ・アールジャパン」（ＩＲジャパン、東京）の社員がインサイダー取引に関与した疑いがあるとして、証券取引等監視委員会は２２日、金融商品取引法違反容疑の関係先として同社本社を強制調査した。関係者への取材で分かった。

　監視委は今後、東京地検特捜部への告発も視野に調査を進める。

　関係者によると、同社社員は顧客企業に関わる公表前の投資家向け情報を知人に伝えた疑いが持たれている。親会社のアイ・アールジャパンホールディングス（ＩＲＪＨＤ）は同日、「子会社の社員が調査を受けていることは事実であり、当社グループとしては調査に全面的に協力する」とのコメントを出した。

　ＩＲジャパンを巡っては、ＩＲＪＨＤ元副社長が、未公表情報を基に知人に株の売却を勧めたとして２０２３年６月に金商法違反（取引推奨）罪で起訴され、同１０月に有罪を言い渡された。

　ＩＲジャパンは１９８４年創業。企業の合併・買収（Ｍ＆Ａ）や買収防衛策、「物言う株主」と呼ばれるアクティビスト対応などを手掛けている。グループの２５年３月期の連結売上高は５７億８３００万円。