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化学機械メーカー「大川原化工機」(横浜市)の社長らの起訴が取り消された冤罪(えんざい)事件で、警視庁公安部と東京地検の違法捜査を認定した東京高裁判決(5月28日)が確定する見通しとなったことを受け、大川原化工機側が11日、記者会見した。大川原正明社長(76)は「やっと終わった。一段落付いた」と安堵(あんど)の表情を浮かべ、「捜査はおかしかったと証言した3人の警察官。それが大きな力になった」と感謝した。
高裁判決は1審・東京地裁判決(2023年12月)に続いて公安部の逮捕や取り調べ、地検の起訴をいずれも違法だと指摘。都と国に1審とほぼ同額の約1億6600万円の賠償を命じた。
1、2審の証人尋問では、警視庁公安部で捜査に携わった現役の警部補3人が「事件は捏造(ねつぞう)」「捜査幹部の欲があった」などと証言した。高裁判決はこうした捜査員の証言について「重く受け止めるべきだ」と述べた。
警視庁と地検は11日、警視庁と最高検が判決で違法だと指摘された捜査の問題点を検証する予定であることを明らかにした。大川原社長は「内部で検証することは無理だと思う。オープンな形で進めてほしい」と述べた。
大川原側は21年7月の起訴取り消し以降、警視庁と地検に明確な謝罪や捜査の検証を繰り返し求めてきた。今月9日には警視庁や東京地検、国家公安委員会に対し、上告しないことなどを求める要望書を、4万筆を超えるオンライン署名を添えて提出していた。【安達恒太郎】
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