自殺した財務省近畿財務局職員、赤木俊夫さんが自筆で記録したとみられるノート(妻雅子さんの弁護団提供) 財務省が11日に開示した、同省近畿財務局職員、赤木俊夫さん=当時(54)=の自筆とみられるノートには「8億」「どう整理したらよいのか」などの文言がつづられており、森友学園に売却した際の値引きの根拠の説明に苦慮していたとみられる様子が浮き彫りになった。
ノートはB5判約60ページで、表紙に赤字のローマ字で「AKAGI NOTE」と書かれている。走り書きで読み取りにくい部分が多いが、約50ページにわたってメモが書かれており、記載されている日付などから、問題が明るみに出て文書の改ざんが始まった後の2017年4〜6月の出来事が記録されているとみられる。
ノートには、「8億」の文言が少なくとも6回記載。「8億の減額は損害賠償に近い」「どこの規定で『8億を差し引く』と読めるのか」「がんばって8億を出すくらいなら」などとつづられていた。
財務省によると、メモの内容は会計検査院とのやりとりなどを記録したもの。所々に「別途文書で質問させていただきたい」「答えられないものがあるのか?裏があるのか?」などといった記載もあり、詳しい説明を求められていたとみられる部分もあった。
11日に大阪市内で記者会見した、赤木さんの妻雅子さんの代理人の生越照幸弁護士は、雅子さんがノートについて「8年ぶりに戻ってきて非常に喜んでいた」と明かした。その上で、開示されたノートは1冊だけで「この前の(改ざんに至る経緯が書かれた)ノートはないのか」と疑問を呈した。

自殺した財務省近畿財務局職員、赤木俊夫さんが自筆で記録したとみられるノート(妻雅子さんの弁護団提供)