ガソリン減税、会期末の焦点=不信任巡り、与野党駆け引き

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2025年06月13日 07:31  時事通信社

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与野党の党首会談を終え、記者団の取材に応じる石破茂首相=12日午後、首相官邸
 国会会期末が迫り、与野党の駆け引きが活発になってきた。石破茂首相は「国難」と位置付ける日米関税交渉を巡り与野党党首会談を開き、協調機運を演出。これに対し、野党各党は政権が後ろ向きなガソリン減税法案を共同提出し、揺さぶりをかける。内閣不信任決議案の行方など参院選を意識した攻防が大詰めを迎えつつある。

 「国難と言うべき状況に野党も含め対応する必要があり、改めてご意見を承った」。12日の党首会談を終え、首相は首相官邸で記者団にこう語った。

 党首会談は、トランプ米大統領との首脳会談に先立ち、交渉の現状を説明するために開催された。ただ、トランプ氏の出方はなおつかめず、首相は「(交渉は)何合目かは分からない」と認める。参院選前に厳しい結果となる場合に備えつつ、内閣不信任案提出の口実を一つでもつぶしたいのが本音だ。首相は帰国後の19日にも改めて党首会談を行う。

 立憲民主党内では、内閣不信任案の提出見送り論が広がっているが、野田佳彦代表は12日、「私は決めていない」と記者団に強調した。一方、政府関係者は「ここで不信任案を出せば世論の批判は野党に向かう」とけん制する。

 国会最終盤の11日には、野党7党がガソリン税暫定税率の7月廃止に向けた法案を共同提出した。「普通は水面下でささやきがあるものだが、なかった」。自民幹部は野党の出方に虚を突かれたことを認める。立民の笠浩史国対委員長は12日、自民党の坂本哲志国対委員長と会談し、速やかな審議入りを迫った。坂本氏は審議に先立ち与野党協議を求めて折り合わず、13日の衆院財務金融委員会の理事懇談会で扱いを話し合う。

 少数与党下の衆院では法案が通過する可能性もあるが、与党は国・地方の減収が1.5兆円程度になることなどを挙げ、早期廃止には慎重だ。公明党の斉藤鉄夫代表は記者団に「(7月実施は)技術的にできない。政局的な意味合いしか感じられない」と訴えた。

 参院は自民、公明両党が過半数の議席を占めており、法案が送付されても可決・成立する可能性は低い。ただ、立民からは「(参院で)否決できるものならすればいい。参院選の最大の争点にしてもいい」(重徳和彦政調会長)と強硬論も出ている。法案提出を機に「ガソリン」も参院選の主要テーマに据える考えだ。 

与野党党首会談の後、記者団の取材に応じる立憲民主党の野田佳彦代表=12日午後、国会内
与野党党首会談の後、記者団の取材に応じる立憲民主党の野田佳彦代表=12日午後、国会内

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