言葉に“男らしさ、女らしさ”が強く出る日本は、世界のこうした動きをどう捉えるであろうか。ジェンダーフリーの発想から、“彼”、“彼女”という言葉の廃止が叫ばれるようになっている中、スウェーデンが新たな代名詞の誕生を発表した。
英メディア『metro.co.uk』が伝えているところによれば、スウェーデンでは“Han(彼は)”、“Hon(彼女は)”に代わり、4月からは“Hen”という代名詞を使用することが正式に決まったもようだ。学校で使用される教科書、裁判所や行政機関における公文書にも“Hen”が使われることになるという。
この“Hen”は1960年代ごろ、男女にかかわらず個人を表す言葉として使用してはいかがかと提案されたことがあるという。ただしその頃のスウェーデンにおいては賛同する者がほとんどおらず、封印されていた。だがやがて
トランスジェンダーの人々がそうした言葉の存在に着目するようになり、2000年ごろに“Hen”は復活。最近の辞書にはすでに新生単語として登場しているそうだ。
昨年6月にこちらでお伝えしていたが、カナダ・バンクーバー市の教育委員会もジェンダーフリーの発想からHe、Sheをやめ“Xe(ゼ)”という新たな代名詞を使用する旨を発表し、PTAに困惑と混乱をもたらしたことが話題となった。男女にとらわれない個性の尊重、性同一性障害への理解を求めたが、his/herに代わって“xyr”、him/herに代わって“Xem”となかなか覚えにくく、支持率はかなり低めだとも伝えられていた。
※ 画像はmetro.co.ukのスクリーンショット。
(TechinsightJapan編集部 Joy横手)