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長時間労働「未発症」でも慰謝料を 異例の判決

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2019年10月09日 06:55  朝日新聞デジタル

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朝日新聞デジタル

写真長崎地裁=長崎市万才町
長崎地裁=長崎市万才町

 病気を発症していなくても、長時間労働は会社の安全配慮義務違反――。こんな異例の判決が出た。最長で月160時間以上の時間外労働をさせたとして、長崎地裁大村支部は、元従業員の男性に慰謝料30万円を支払うよう長崎県大村市の製麺会社に命じた。男性は具体的な疾患が出ていないが、裁判所は「不調をきたす危険があった」と会社の責任を認めた。


 判決は9月26日付。この会社の工場で働いていた30代男性が、過酷な時間外労働をさせられたとして会社に慰謝料や未払い残業代などを求めていた。


 判決は、男性が2017年6月に退職するまで約2年間、残業時間が毎月、過労死ラインとされる月80時間を上回る90時間を超え、最長160時間におよんでいたと認定。タイムカードからわかる男性の労働状況について注意を払わなかったなどとして、会社の安全配慮義務違反を認めた。


 そのうえで、「男性の心身の不調を認める医学的証拠はない」としながらも、「疾病の発症にいたらなかったとしても、会社は安全配慮義務を怠り、心身の不調をきたす危険がある長時間労働に従事させた」と指摘。未払い残業代に、精神的苦痛に対する慰謝料30万円を含めた計約480万円の支払いを命じた。


 訴訟で会社側は「従業員の健康状態や稼働状態について必要な配慮は尽くしていた」と主張していた。被告側の代理人弁護士は取材に控訴する方針を示した。


 脇田滋・龍谷大名誉教授(労働法)は「過労死や病気発症の『手前』でも安全配慮義務が認められ、慰謝料の支払いが命じられたのは異例」と指摘。そのうえで「これまで労働事件は過労死などの結果が判断基準になることが多かったが、この判決は長時間労働に伴う苦痛が人格権の侵害になると認めた」と評価した。「労働者が働きやすい環境を求めて使用者側と対抗するための『論理』のひとつになる」と話した。(横山輝)


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  • 長時間労働が習慣になれば遊び方がわからなくなる
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  • 身体を壊してからでは遅いんだ。
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