2008年10大ニュース【よりミク編】

「『変』て言われるとなんだかウレしい」「自分ルールがある」……思わずうなずくあなたはひょっとしてB型？　血液型本「B型自分の説明書」が、2008年10月に155万部を突破する、大ベストセラーになった。自費出版からスタートしたものの、斬新なチェック方式で話題を集め、今ではA型、AB型、O型の姉妹本と併せて、幅広い層に支持されている。ゲーム化も決まり、血液型トークが大好きな日本人の心を、さらにくすぐる一年であった。[続きを読む]

トーク番組のセオリーをぶっちぎった「アメトーーク！」（テレビ朝日系）が話題だ。ガンダム好きなど、共通点を持つゲストを集める「くくり」、プライベートなどの仲間を集めた「芸人ファミリー」、芸人が自ら企画する「芸人持ち込み企画」など。その形式は他局の番組にも影響を与え、今や業界視聴率No.1と言われている。マニアックなトーク内容は視聴者の置き去りも辞さないが、それをきっかけに活動の幅を広げる芸人も多い。[続きを読む]

2008年の世相を表す一文字は、「痛」だったといっても過言ではないほど「痛○○」がメジャーになった。「痛○○」とは、アニメや美少女ゲームのキャラをグッズにデザインすること。痛車をはじめ、痛ケータイや痛ギターなど多種多様な「痛」が広がりをみせている。また、「萌え」が食生活にまで侵食。美少女の絵入りの「萌え米」「萌えイチゴ」から、果ては「もみじ饅頭」まで飛び出した。[続きを読む]

朝ごはんにバナナを取り入れ、規則正しい生活を送ることで減量効果が期待できるという「朝バナナダイエット」。方法のシンプルさと、「ガマンしない」「お金を掛けない」「時間をかけない」気軽さがネットで受け、口コミで広まった。それをマスコミが大々的に取り上げたことにより注目度は急上昇。スーパーからバナナが消えるほどの大ブームに発展した。ブームは海外にまで広がり、書籍には「韓国版」「台湾版」も登場。過熱する報道に提唱者のはまち。さんは、書籍を読み、しっかり理解した上での実行を呼びかけている。

男同士の恋愛に萌える「腐女子」にスポットライトを当てたビジネスが、2008年は特に目立った。世界初をうたった腐女子専用ポータルサイト「fujyoshi.jp」の始動や、「腐女子の品格」「腐女子の本懐」といった、いわゆるマニュアル本の登場。TVアニメ化されたBL漫画「純情ロマンチカ」は続編が放送され、腐女子を彼女にもつ男性のブログ「腐女子彼女。」は書籍化、漫画化を経て、ついには実写映画化まで決まっている。表に出ることをよしとしない「隠れ腐女子」が多いと言われているだけに、今後ビジネスがどのように発展していくのかは未知数だ。

奈良県のPRキャラ「せんとくん」をめぐる大騒動が起きた。 童子の頭にシカの角を生やした姿に、「仏を冒涜している」「かわいくない」などの意見が続出。テリー伊藤が「ぬる坊」と命名するなど、大いに盛り上がる。民間団体が制作した「まんとくん」や 「なーむくん」と、キャラ抗争も勃発した。着ぐるみ登場後は、「意外と可愛い」と人気がぐんぐん上昇。12月に夢の3キャラ競演が実現している。しかし「なーむくん」制作団体からは「角には今も抵抗」との声も。ゆるキャラ騒動はまだまだ続く？

テレビもネェ！　ラジオもネェ！　力強いライム（韻）で始まる、吉幾三の「俺ら東京さ行ぐだ」。日本初のラップソングと呼び声高い1984年の名曲が、時を超え「IKZO」の名で再ブームを起こした。Perfumeや宇多田ヒカルと「俺ら〜」を融合させた動画が、2008年4月頃からニコニコ動画で流行。邦楽のみならず、Daft Punkら海外のダンス・ミュージックとも恐るべきスンクロ率（非常に合うこと）を記録する。農作業用BGMとしてのクオリティの高さ、どの曲とミックスしても、決して「IKZO」らしさを失わない楽曲の強さは人々を震撼させた。IKZO人気を受け、7月には本人がニコニコ動画に「降臨」、世間を賑わせた。

枝豆を永遠につまみ出していたい！という欲求に応える「∞エダマメ」や、お菓子のあけくちを何度もめくれる「∞ペリペリ」、穴があったら指を突っ込みたい！という本能を刺激する「ツッツキバコ」など、人間のクセを逆手に取った新感覚トイが続々登場。また、遊び感覚でお金を貯めることができるRPG貯金箱「貯金伝説 バンククエスト」や、イケメンと甘い日々を過ごしながら貯金できる「イケメンバンク」なども話題になった。なお、「イケメンバンク」は映画化も決定している。

ネットを中心に「美人すぎる議員」として、2008年1月あたりから話題になっていた青森県八戸市議・藤川優里議員。その評判は瞬く間に広がり、「週刊文春」3月6日号では巻頭グラビアに登場するなど、メディアへの露出が増加。ついには「藤川ゆり」名義で、写真集とDVDまで発売された。DVDは12月1日付のオリコン週間ランキング、アイドル・イメージ部門で1位を獲得。藤川議員は地元・八戸市のPR目的であることを強調しているが、水着姿も盛り込まれた内容には「やりすぎだ」といった反発の声も聞かれ、後援会会長とのトラブルも発生している。

2008年幕開け、伝統ある「裸祭り」が話題をさらった。岩手県奥州市の黒石寺で、毎年2月に行われる「蘇民祭」のポスターに対し、JR東日本が駅構内での掲示を拒否。髭と胸毛を生やした逞しい男性の姿に、「女性が不快に思うものを見せるのはセクハラ」と判断したという。マスコミがこぞって取り上げ、「差別だ」などネットでも大盛り上がり。31億円もの広告効果を上げた。ポスターのモデルとなった祭りの世話人、佐藤真治さんは「気にしない」と述べるも、取材攻勢により参加自粛を余儀なくされた。2009年のポスターは、寺に雪が舞い下りる「風景」が採用されている。