宮田莉朋、22戦目で悲願のSF初優勝。ポールシッター大湯と野尻が接触の波乱【第3戦決勝レポート】

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2023年04月23日 18:31  AUTOSPORT web

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2023スーパーフォーミュラ第3戦鈴鹿 初優勝を果たした宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM’S)
 4月23日、2023年全日本スーパーフォーミュラ選手権の第3戦決勝レースが鈴鹿サーキットで開催され、予選12番手からスタートした宮田莉朋(VANTELIN TEAM TOM'S)がセーフティカー(SC)導入の好機を味方につけ、参戦22戦目にして悲願のSF初優勝を飾った。

 2番手スタートからアンダーカット作戦で一時トップに立った坪井翔(P.MU/CERUMO・INGING)は終盤に宮田にかわされ2戦連続となる2位。3位には平川亮(ITOCHU ENEX TEAM IMPUL)が入り、トヨタ勢が表彰台を独占した。ポールシッターの大湯都史樹(TGM Grand Prix)は中盤までトップを守っていたものの、タイヤ交換直後に野尻智紀(TEAM MUGEN)と接触。2台そろってリタイアとなった。

 予選日に続き青空が広がる鈴鹿サーキット。気温21度、路面温度36度というコンディションのもと、フォーメーションラップが開始されたが、予選5番手の牧野任祐(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)がグリッド到着直後にエンジンが止まってしまい、スタートディレイとなる。

 牧野のマシンはピットロードに移動され、各車はエクストラフォーメーションラップに入り、レースは1周減算の30周で争われることに。すると今度は7番グリッドの佐藤蓮(TCS NAKAJIMA RACING)がマシントラブルを訴え、エクストラフォーメーションラップ中にピットイン。結果、グリッドには20台が並ぶなか、決勝レースのスタートが切られた。

 ホールショットを奪ったのはポールシッターの大湯。その後ろに予選順位通りに坪井、野尻と続く。4番手の山下健太(KONDO RACING)はスタートでやや出遅れてしまい、後続のリアム・ローソン(TEAM MUGEN)にスプーンカーブで先行を許し、さらに阪口晴南(P.MU/CERUMO・INGING)にも接近される。2周目の1コーナーではサイドバイサイドのバトルに持ち込まれたが、何とかポジションを死守した。

 4番手に上がったローソンは野尻にも接近。大湯と坪井が1分41秒台のラップタイムで周回する中、野尻は1分42〜43秒台とペースが上がらず、3周目にはローソンが野尻をかわして3番手に浮上した。野尻は山下にもかわされ5番手にドロップ。さらに阪口、平川らに迫られる展開となった。

 ピットウインドウが開いた10周終了時点で、アンダーカットを狙ってタイヤ交換に向かったのはローソン、山下、阪口、ジュリアーノ・アレジ(VANTELIN TEAM TOM'S)、太田格之進(DOCOMO TEAM DANDELION RACING)、小林可夢偉(Kids com Team KCMG)の6台。

 ローソンがピットインしたことで暫定2番手に上がった坪井は、翌周にピットへ。ローソンはオーバーテイクシステムも使いアウトラップでプッシュし、コースに復帰した坪井のすぐ背後に迫った。

 冷えたタイヤでローソンの猛追を、坪井は何とかヘアピンまでをしのぐと、ようやく温まったタイヤでペースアップ。13周目にはファステストラップを塗り替え、暫定トップの大湯に対するギャップを削っていった。18周を過ぎるころになると坪井の前に同一周回のタイヤ未交換組のマシンが現れ始め、これで坪井のペースが鈍ったところを狙い、19周を終えたところで大湯はピットイン。

 ただ、この時点で坪井とのギャップは31秒まで縮まっており、トップを守ることはかなわず。坪井、そしてローソンの先行を許し大湯は3番手でコースに復帰した。

 その大湯に迫ったのが野尻。坪井と同じく11周を終えたところでタイヤ交換を行い、ローソンの背後、事実上の3番手を走行していた。コース復帰直後の大湯に一気に近づき、両者は1コーナーでテール・トゥ・ノーズに迫る。そのままS字に入っていったが、まだタイヤが冷えていてプッシュできない大湯のマシンに、野尻のノーズがわずかに当たってしまう。

 挙動を乱した大湯のマシンは野尻とともにコースアウト。2台そろってタイヤバリアにヒットしてしまった。久々のポールポジションから優勝争いが見えていた大湯とポイントリーダーとして盤石なレース展開を見せていた野尻だったが、このアクシデントで2台ともリタイアとなった。

 2台のクラッシュにより、レースはSCが導入される。全車のペースが一気に下がったこの隙をついて、宮田と平川がピットイン。坪井とローソンをかわすことはできなかったが、宮田は3番手、平川は4番手と大きくポジションアップした。車両回収を終えて、24周目に入るところでリスタートが切られると、坪井はうまくリスタートを決めた一方、ローソンはフレッシュタイヤの宮田に迫られ、26周目に入ったホームストレートで逆転。宮田は優勝が目前に迫る2番手までポジションアップに成功した。

 残り4周は、坪井と宮田の優勝争い、ローソンと平川の3番手争いがヒートアップ。28周を終えてホームストレートに戻ってくると、坪井と宮田の差は0.3秒。ここで宮田が、残りわずかとなったOTSを使って一気にスピードを上げ、1コーナーでアウト側から一気に坪井を抜き去って見せた。

 宮田はついに先頭におどり出てファイナルラップへ。坪井は宮田にかわされた後でややペースが鈍り、2台の差は一気に広がっていく。最後は単独走行の形でトップチェッカー。ここまで何度も2位が続き悔し涙を飲んでいた宮田が、待望のスーパーフォーミュラ初優勝を遂げた。

 最後の最後に逆転を許した坪井は、ローソンをかわした平川に0.4秒差まで迫られファイナルラップへ入ったが、なんとか猛攻を阻止して2位でチェッカー。平川は坪井をとらえることはできなかったが、予選10位から大幅ポジションアップの3位フィニッシュとなり、トヨタエンジンユーザーが表彰台を独占するかたちに。ホンダ勢トップはローソンの4位となった。

 2023年の全日本スーパーフォーミュラ選手権、次戦となる第4戦は5月20〜21日に大分県のオートポリスで開催される。

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  • F1にもインディーカーにも直結しないガラパゴスレース
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