ドラマも不調で崩壊寸前、失速する旧ジャニーズタレント!一方で勢いを増す「新勢力」

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2023年11月08日 19:00  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

(左から)横浜流星、吉沢亮、松本潤、二宮和也

 揺れに揺れている旧ジャニーズ帝国の崩壊危機は、芸能界のさまざまなところに影響を及ぼしている。

 旧ジャニーズタレントのテレビでの仕事は、主に「ドラマ」と「音楽」だ。

 例えば、テレビ朝日系の老舗音楽番組『ミュージックステーション』では、これまで旧ジャニーズグループと路線がカブる他事務所の男性グループは、ほぼ出演できないという暗黙の了解があった。

 だが今年9月以降、アイドル要素の強い男性グループである「BE:FIRST」「JO1」「INI」が立て続けに初出演を果たし、ついにジャニーズ忖度がなくなったと話題になったものだった。

10月期ドラマは旧ジャニーズタレントだらけ

 一方のドラマ業界はどうだろうか。

 ジャニーズ以外のイケメン俳優がドラマに出られないなんてことはなかったが、ジャニーズ勢がドラマ業界で占める割合が高かったのも事実。

 特に、10月17日付で社名を「SMILE-UP.」に変更したばかりの今クールは、皮肉にも旧ジャニーズタレント出演ドラマが通常よりもかなり多いのである。

 10月スタートのドラマが企画立案されたころは、まだ故・ジャニー喜多川氏が起こした性加害事件が、ここまで社会全体を揺るがすほど大きく扱われておらず、テレビ局各局は楽観視していたのかもしれない。

 今クールの作品は9月には撮影開始していただろうから、さすがに急遽中止することも他作品に差し替えることも困難。その結果、旧ジャニーズタレント主演ドラマが5本もスタートすることになっていた。

 まずGP(ゴールデン・プライム)帯でジャニーズタレント主演のドラマは3本。

 TOKIO・松岡昌宏(46)主演の『家政夫のミタゾノ』(テレビ朝日系)、嵐・二宮和也(40)主演の『ONE DAY〜聖夜のから騒ぎ〜』(フジテレビ系)、Sexy Zone・菊池風磨(28)主演の『ゼイチョー 〜「払えない」にはワケがある〜』(日本テレビ系)。

 GP帯からは外れるが23時台のドラマでは、嵐・相葉雅紀(40)主演の『今日からヒットマン』(テレビ朝日系)、WEST.(旧ジャニーズWEST)・重岡大毅(31)主演でSixTONES・田中樹(28)も出演する『単身花日』(テレビ朝日系)もある。23時台のドラマも含めると旧ジャニーズタレント主演ドラマは5本にも及ぶわけだ。

 ちなみに今年1月から放送されている嵐・松本潤(40)主演の大河ドラマ『どうする家康』(NHK)も忘れてはならない。

 ほかにも、なにわ男子・道枝駿佑(21)が準主役を演じる『マイ・セカンド・アオハル』(TBS系)、風間俊介(40)が3番手キャストで出演する『たとえあなたを忘れても』(テレビ朝日系)、HiHi Jets・作間龍斗(21)が3番手キャストで出演する『コタツがない家』(日本テレビ系)などもある。

 このように、今クールはとてつもない本数のドラマに旧ジャニーズタレントが出演中となっているのだ。

『フェルマーの料理』が注目を集めているワケ

 しかし、来年以降のドラマではこうはならないのは自明の理。しばらくは旧ジャニーズタレントを出演させることに躊躇するテレビ局は多く、今後のドラマ業界の勢力図は激変していく可能性は充分ある。

 そこで注目を集めているのが『仮面ライダー』シリーズ、『スーパー戦隊』シリーズ(どちらもテレビ朝日系)で脚光を浴びて、人気を高めて来た“特撮ヒーロー出身”の俳優たちだ。

『仮面ライダー』や『スーパー戦隊』はイケメン俳優を多数輩出してきたが、旧ジャニーズ帝国の崩壊危機となった今、ますます存在感を高めている。

 そして、すでに今クールのドラマで、特撮ヒーロー出身俳優のダブル主演ドラマが注目を集めている。

仮面ライダーゼロワン』(2019年)で主役ライダーを演じた高橋文哉(22)と、『烈車戦隊トッキュウジャー』(2014年)で主役の1号(レッドに相当する役)を演じた志尊淳(28)の二人が主演を務めている『フェルマーの料理』(TBS系)のことだ。

 今までも特撮ヒーロー出身俳優の主演ドラマは数多く制作されてきたが、今後はさらに増えていくに違いない。

 というのも、『仮面ライダー』出身と『スーパー戦隊』出身の人気俳優は一大勢力と言えるほど多数いるからだ。

実は特撮ヒーロー出身俳優はこんなにもいる

 2000年以降の作品で、現在、第一線で活躍している人気の特撮ヒーロー出身俳優は次のとおり。

――――――――――――
(※)印は作品の主人公役

『仮面ライダー』シリーズ出身者

オダギリジョー(※)/『仮面ライダークウガ』(2000年)
要潤/『仮面ライダーアギト』(2001年)
水嶋ヒロ(※)/『仮面ライダーカブト』(2006年)
佐藤健(※)/『仮面ライダー電王』(2007年)
瀬戸康史(※)/『仮面ライダーキバ』(2008年)
菅田将暉(※)、桐山漣(※)/『仮面ライダーW(ダブル)』(2009年)
福士蒼汰(※)、吉沢亮/『仮面ライダーフォーゼ』(2011年)
高杉真宙/『仮面ライダー鎧武(ガイム)』(2013年)
竹内涼真(※)/『仮面ライダードライブ』(2014年)
磯村勇斗/『仮面ライダーゴースト』(2015年)
赤楚衛二/『仮面ライダービルド』(2017年)
渡邊圭祐/『仮面ライダージオウ』(2018年)
高橋文哉(※)/『仮面ライダーゼロワン』(2019年)

『スーパー戦隊』シリーズ出身者

玉山鉄二/『百獣戦隊ガオレンジャー』(2001年)
高橋光臣(※)/『轟轟戦隊ボウケンジャー』(2006年)
松坂桃李(※)/『侍戦隊シンケンジャー』(2009年)
千葉雄大(※)/『天装戦隊ゴセイジャー』(2010年)
山田裕貴/『海賊戦隊ゴーカイジャー』(2011年)
竜星涼(※)/『獣電戦隊キョウリュウジャー』(2013年)
志尊淳(※)、横浜流星/『烈車戦隊トッキュウジャー』(2014年)
一ノ瀬颯(※)、綱啓永/『騎士竜戦隊リュウソウジャー』(2019年)

――――――――――――

サブヒーローから大河主演俳優に出世した二人

 そうそうたる顔ぶれであることはおわかりいただけただろうが、特筆すべきはその作品の主役ライダーやレッドといった主人公以外の俳優も続々と売れていること。

 たとえば福士蒼汰(30)が主役ライダーを演じた『仮面ライダーフォーゼ』で、いわゆる2号ライダー役だったのが吉沢亮(29)。また、志尊淳がレッドに相当する1号で主役を演じていた『烈車戦隊トッキュウジャー』で、グリーンに相当する4号役だったのが横浜流星(27)。

 吉沢が2021年の大河ドラマ『青天を衝け』(NHK)で主演を務め、横浜は2025年放送予定の大河ドラマ『べらぼう〜蔦重栄華乃夢噺〜』(NHK)で主演が発表されている。元サブヒーローが国民的ドラマ枠である大河ドラマの主演俳優というわけだ。

 ほかにも、今やGP帯の連ドラで主役を張れるようになっている山田裕貴(33)や赤楚衛二(29)なども、主役以外のサブヒーロー役で出演していたのである。

 その作品で2番手、3番手といった役どころのヒーローでもスターダムにのし上がっているということは、それだけ層が厚いことの表れでもあるだろう。

 また余談だが、前述の『フェルマーの料理』は、『仮面ライダー』の主役と『スーパー戦隊』の主役によるダブル主演というだけでも特撮ファンからすれば熱いのだが、実はそれだけではないのだ。

轟轟戦隊ボウケンジャー』で主役のレッドを演じていた高橋光臣(41)、そして『仮面ライダージオウ』でヒーローではなく敵キャラだったが存在感を放っていた板垣李光人(21)がレギュラー出演。

『フェルマーの料理』には、実に特撮出身俳優が4人も主要キャラとして登場していることになる。

 もともとドラマ業界のイケメン俳優枠には、ジャニーズタレントたちの対抗勢力として特撮ヒーロー出身俳優は存在感を放っていたが、今後はますます重用される可能性は大。

 旧ジャニーズタレントたちが失速する隙をついて、特撮ヒーロー出身俳優の“一強時代”が到来するなんて未来もなきにしもあらずだろう。

堺屋大地●コラムニスト、ライター、カウンセラー。 現在は『文春オンライン』、『CREA WEB』(文藝春秋)、『smartFLASH』(光文社)、『週刊女性PRIME』(主婦と生活社)、『日刊SPA!』などにコラムを寄稿。これまで『女子SPA!』(扶桑社)、『スゴ得』(docomo)、『IN LIFE』(楽天)などで恋愛コラムを連載。LINE公式サービス『トークCARE』では、恋愛カウンセラーとして年間1000件以上の相談を受けている(2018年6月度/カウンセラー1位)。公式Twitter:

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