夜中のトイレがツラい!更年期の頻尿対策3つ

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2023年11月19日 12:10  つやプラ

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「更年期に入ってから夜トイレに行く回数が増えた」「尿意のせいで朝までしっかり眠れない……」と悩んでいませんか?

生活習慣を見直すことで、就寝中にトイレで目を覚ます回数を減らせる可能性があります。

今回は、横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長の医師、横倉恒雄先生、および薬剤師/臨床検査技師の木村英子さんに、夜間頻尿になりやすい生活習慣と更年期の頻尿への対処法について教えていただきました。

■更年期に夜間のトイレが近くなる理由

更年期になると女性ホルモンの分泌量が減少して、尿意を感じやすくなり、夜間にトイレが近くなることがあります。

尿をためる作用のある女性ホルモンが減少すると、膀胱に尿をためられなくなり、尿意を感じやすくなるのです。

また更年期は、加齢による尿道括約筋の緩みや自律神経の乱れが起こりやすくなる時期です。加齢や自律神経の乱れが原因で、トイレに行く回数が増えます。

ただし、頻尿には病気が隠れているケースもあるので注意が必要です。膀胱炎のような尿路系の病気、子宮筋腫や卵巣腫瘍によって膀胱が圧迫されていることもあります。

頻尿に悩んでいる場合は、内科や婦人科を受診するようにしましょう。

■夜間頻尿になりやすい生活習慣

夜のトイレがツラい!簡単にできる更年期の頻尿対策

夜間頻尿は、更年期や加齢、病気の影響だけでなく、生活習慣によって症状が強くなることもあります。

夜間頻尿になりやすい生活習慣としては、水分の摂り過ぎ濃い味の食事の食べ過ぎ、運動不足が考えられます。

(1)水分を摂り過ぎている

水分を摂り過ぎると、余分な水分を体外へと排出する必要があるため、トイレの回数が増えます。

とくに、就寝前に水分を摂り過ぎると、夜間頻尿を起こしやすくなるため注意が必要です。

(2)味の濃いものを好んで食べる

味の濃いものを好んで食べると、塩分摂取量が多くなる傾向にあります。

のどが乾きやすくなり、摂取する水分量が増えるため、トイレに行きたくなるのです。

さらに、塩分に含まれるナトリウムを体外に排出しようとする生理作用も働くため、トイレが近くなります。

(3)運動が不足している

運動不足になると、体内の水分を汗として排出する機会が減るため、尿として排出する水分量が増えます。

その結果、夜間に尿意を感じやすくなるのです。

また、骨盤底筋群の筋力低下で尿を膀胱内にとどめておく力が弱くなると、尿漏れや頻尿などにつながる可能性もあります。

■夜間頻尿への対処法とは

夜間頻尿への対処法について、「夜間頻尿診療ガイドライン」をもとに3つ紹介します。

(1)就寝前の水分の摂り過ぎに注意する

水分摂取量を制限して夜間頻尿の改善を目指す場合は、医師の指導を受けることが大切です。

独自の判断で水分量を制限すると、脱水症のリスクもあり危険なので、まずは医師に相談しましょう。

夜間頻尿診療ガイドラインでは、1日の飲水量を体重の2%程度にとどめると、夜間の排尿回数や尿量を抑えられると報告されています。

水分摂取を見直す際には、夕食以降にカフェインや水分を多く含む食事を摂らないことも大切です。

(2)食生活を見直す

塩分摂取量を適正に保ち、食生活を見直すことも、夜間頻尿の改善に有効です。

1日あたり男性8g、女性7gを超えた塩分を摂っている方が食事改善を行うと、夜間の排尿回数や尿量が低下したと報告されています。

塩分摂取量を見直す場合は、厚生労働省の推奨する1日の塩分摂取量(男性7.5g未満、女性6.5g未満)を目安にするといいでしょう。

(3)適度に運動をする

夜間頻尿を改善したい場合は、適度な運動も有効といわれています。

散歩ダンベル運動、スクワットなどの運動を適度に行うと、体内の水分を汗として体外に排出できるため、尿量を減らせます。

また、運動はストレス解消にもつながるため、睡眠障害にもアプローチでき、就寝の途中で目を覚ましにくくなるのです。

■夜間頻尿のお悩みには漢方薬もおすすめ

就寝中のトイレ回数を減らしたい場合は、漢方薬もおすすめです。漢方薬のなかには、「頻尿」に効果が認められているものもあり、泌尿器科などで処方されています。

また、漢方薬は更年期の標準治療として婦人科でも処方されています。

更年期の頻尿対策には、以下のような働きのある生薬を含む漢方薬から選び、根本改善を目指します。

・膀胱の機能を正常化する

・ホルモンバランスの乱れを整える

・自律神経の乱れを整え、排尿のコントロールを改善する

症状に合わせた漢方薬を服用して、頻尿の根本原因にアプローチしましょう。

更年期の夜間頻尿におすすめの漢方薬

清心蓮子飲(せいしんれんしいん)

水分代謝を調整し、余分な水分を排出する作用や、炎症を鎮め、尿路の機能を正常化する作用によって頻尿を改善します。

猪苓湯(ちょれいとう)

腎臓や膀胱の炎症を抑える作用や出血を止めて血尿を治す作用によって頻尿、残尿感の他、腎臓や膀胱の炎症性疾患も改善します。

慢性的に頻尿が気になる場合には、中長期的な服用で体質からの改善を目指しましょう。また、漢方薬は自分の体質に合ったものを選ぶことが大切です。体質に合わない場合、十分な効果を得られなかったり、副作用が生じたりすることもあります。

初めて飲むときは、漢方に精通した医師、薬剤師などにご相談ください。最近はオンラインで漢方薬の専門家に、自分に合った漢方薬を気軽に無料相談できるサービスもありますので、試してみるのもいいでしょう。

■生活習慣の改善で更年期の夜間頻尿を予防しよう

更年期になると女性ホルモンの分泌量が減少するため、夜間のトイレが近くなることがあります。

そのような場合に生活習慣を見直すと、夜間頻尿の悩みを改善できる可能性があります。

水分の摂取量や食事内容に気を付けながら、適度な運動を習慣にして夜間頻尿を予防しましょう。

【監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生 プロフィール】

監修医:横倉恒雄(よこくらつねお)先生

医学博士/医師(婦人科、心療内科、内科など)。横倉クリニック・健康外来サロン(港区芝)院長。東京都済生会中央病院に日本初の「健康外来」を開設。故・日野原重明先生に師事。病名がないものの不調を訴える患者さんにも常に寄り添った診療を心がけている。新刊本『今朝の院長の独り言』(青春出版社)は10万人の患者が癒されたポジティブなメッセージに溢れていると話題に。

【漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん プロフィール】

漢方部分監修者:木村英子(きむらえいこ)さん

薬剤師/臨床検査技師/Vedic Healers Ayurveda basic course 修了。検疫所、病院にて公衆衛生・感染症現場を経験した後、インドでアーユルヴェーダに出会う。現在はAIを活用し、お手頃価格で漢方を自宅に届けてくれるあんしん漢方にて活躍中。

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