旧ジャニ不在で頼みの綱はK-POPとバンド、紅白歌合戦に秘められた「NHKの思惑」

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2023年11月21日 05:10  週刊女性PRIME

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週刊女性PRIME

『第74回NHK紅白歌合戦』初出場会見に登壇したアーティストたち

 今年の大みそかに生放送される『NHK紅白歌合戦』の出場歌手が発表された。

「紅組5組、白組8組の初出場を含む、全44組が出場します。注目されていた、旧ジャニーズの出場はなし。性加害問題への対応が十分ではないと判断されたようです」(スポーツ紙記者)

 出場歌手の選考は、“今年の活躍”“世論の支持”“番組の企画・演出”を基準として行われた。

出場歌手「盛り上がりに欠ける」の声も

 紅組は、TikTokを中心にダンスが流行した4人組の女性グループ『新しい学校のリーダーズ』や、バラエティー番組でも活躍したano

 そして、『ONE PIECE FILM RED』のキャラクター『ウタ』として昨年出場していたAdoや、今年デビュー50周年の伊藤蘭、人気K-POPグループ『TWICE』の日本人メンバー3人によるユニット『MISAMO』という、バラエティーに富んだ面々が初出場。

 一方の白組は、K-POPから『Stray Kids』『SEVENTEEN』

 バンド勢も充実し、'22年12月に公開された映画『THE FIRST SLAM DUNK』の主題歌がヒットした『10-FEET』や現在放送中のアニメ『呪術廻戦』(TBS系)のオープニング曲を歌うキタニタツヤ

 miletとのコラボ楽曲で、今年4月期に放送されたアニメ『鬼滅の刃』(フジテレビ系)のエンディングを担当した『MAN WITH A MISSION』、複数の楽曲が年間チャートで上位となった『Mrs. GREEN APPLE』が初出場を果たした。

 さらに、メディア出演ではキャラクターのイラスト姿で活動する『すとぷり』と、'20年から3年連続司会を務めた大泉洋という顔ぶれとなった。

 ネット上では賛否両論の意見があり、初出場組が祝福される中、

《盛り上がりに欠ける》

《例年以上に目玉もなく見たいと思うアーティスト本当少ない》

 といった声も。

 出場歌手について、音楽ライターのまつもとたくお氏は、次のように評する。

旧ジャニ不在を感じさせない布陣

「旧ジャニーズ不在の中でどう構成するかという課題があったと思いますが、非常に考え抜かれた印象があり、お見事だなと思いました」(まつもと氏、以下同)

 そこには、こんなNHKの思惑が感じられたという。

「旧ジャニーズの“穴埋め感”が強くならないようにしたのでしょう。同じカラーのアイドルから選出するのではなく、K-POPとバンドを新たに起用することで“旧ジャニーズが呼べなかったからこの人を入れたんだろう”などと思わせないようにしたのだと思います」

 K-POPの中でも、『SEVENTEEN』と『Stray Kids』に白羽の矢が立ったのはなぜか。

「『BTS』のメンバーが兵役やソロ活動中の今、次点といえるのが『SEVENTEEN』なんです。今年10月にリリースしたアルバムのセールスは、発売初週で509万枚を超え、歴代K-POPでトップになりました」

『Stray Kids』は日本でもドームツアーができるほどの人気があるという。

「日本デビューもしており、日本での実績もある2組が選ばれたのではないでしょうか。ただ、K-POPが苦手な層のために、紅組は『LE SSERAFIM』と『MISAMO』という、日本人メンバーが人気を集めるグループでバランスをとったのだと思います」

 複数のバンドが出場を決めた理由は?

「旧ジャニーズの中心支持層と近い、若年層を取り込む狙いがあるのではないでしょうか。さらに、ボカロPとしての実績もあるキタニタツヤさんや、『すとぷり』といった新しいタイプのアーティストも、同様でしょう」

 若年層中心にも見えるが、ほかのアーティストで幅広い年代をカバーしているそう。

星野源さんや福山雅治さん、藤井フミヤさんなどの安定感のあるアーティストや、演歌勢は、中高年にもウケる人選だと思います」

 もちろん“安定”だけではなく……。

「鮮度を出すために、大泉洋さんを歌手という新機軸で選出したのかもしれません。もともと歌唱力にも定評があり、今年リリースした楽曲は玉置浩二さんプロデュースで話題性もありますから」

 また、今年のテーマの“ボーダレス”もしっかり意識されているようだ。

「『新しい学校のリーダーズ』、『YOASOBI』、Adoさんなどは、世界でも注目されているアーティストです。海外からも見られているということを考慮したのではないでしょうか」

 そして、注目が集まるのは、例年大物アーティストが出場してきた“特別枠”だ。

「昨年は、松任谷由実さんや加山雄三さん、桑田佳祐さんや佐野元春さんらの“同級生バンド”や、安全地帯などが出場しました。NHKは、今後の“サプライズ発表”の可能性も示唆しており、特別枠に期待が寄せられています」(前出・スポーツ紙記者、以下同)

 旧ジャニーズ勢の追加出場はありえるのだろうか。

「今のところ、NHKは慎重な姿勢を示しているようです。補償や再発防止の取り組みの実施や進捗がポイントとなります」

 では、いったい誰が?

追加で出場するのが濃厚な歌手

「昨年も出場した安全地帯は、今年も出場する見込み。さらに、朝ドラ『ブギウギ』ヒロインの趣里さんは、母親の伊藤蘭さんとの親子共演も期待できそうです」(NHK関係者、以下同)

 そして、多くの著名なアーティストがこの世を去った今年。追悼企画が予定されているという。

「メンバーのHEATHさんが亡くなった『X JAPAN』からはYOSHIKIさん、谷村新司さんを亡くした『アリス』、『YMO』の細野晴臣さんの出場が濃厚です」

 さらに、あの大物バンドも。

「今年デビュー45周年を迎えたサザンオールスターズも、出場する見通しです」

 例年とひと味違う年末だけど、やっぱり楽しみ!

まつもと・たくお●音楽ライター。ニックネームは“K-POP番長”。2000年に執筆活動をスタート。『韓流ぴあ』やNHKの語学テキストなど専門誌を中心に寄稿。書籍『アーバン・Kポップ』(ミュージック・マガジン社)を監修

このニュースに関するつぶやき

  • 心配せずとも既に此の4半世紀で家族団欒で紅白を見る師走は殆ど滅亡し多くが外や配信の推し御贔屓筋のカウントダウン催しを観たり参加してて地上波も精々御笑いバラエティ位だ
    • イイネ!5
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