健康的なうんちは…水に浮く?沈む? その理由を専門家が解説「腸を制する者が健康を制す」

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2024年02月20日 07:00  まいどなニュース

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健康なうんちの特徴とは…!?専門家が解説※画像はイメージです(Ameashi/stock.adobe.com)

健康のバロメーターとも言われる「排便」。でも、毎回トイレで強くいきまないと出ない。残便感がある。ウサギの糞のようなコロコロとした便が続く…など、便秘に悩む人も多いのでは? では健康的な便とは、どんな特徴があるのだろう。「うんち博士」の名で知られ、50年以上も便の研究を続ける一般財団法人辨野(べんの)フローラ研究所の辨野義己さん(75)に聞くと、意外にもその一つは「水に浮く」だという。

【写真】トイレがなくて困ったら…

健康な便の成分は80%が水分

―どうして健康な便は水に浮くのですか。

健康な便の成分は80%が水分、20%が固形物です。固形物のうち、3分の1が食べかすで、残り3分の2が腸の粘液や粘膜、腸内細菌など。水分が75%以下で便秘、85%で軟便、90%以上で下痢です。では、なぜ水に浮くのか。野菜を食べて食物繊維を十分に取っていると、便のかさが大きくなって繊維の隙間にガスが入り込むため浮力が生まれます。沈んでしまう便は水分含量や食物繊維が少ない状態。凝縮していて、隠れ便秘のサインです。

―そもそも便は毎日出るものなのでしょうか。

原則、毎日出ます。1日200〜300グラム。1カ月で約9キロ出ます。大変なのは、便が出ない便秘です。女性の2人に1人が便秘というデータもあります。

便秘の原因は大きく分けて4つあります。1つ目は食べ物の偏り。肉や加工肉好きで、野菜の摂取量が少ないこと。2つ目は運動不足。腸腰筋、腸骨筋といったインナーマッスルが弱ると、出す力が足りません。3つ目はストレス。痙攣性の便秘と言って、うさぎのようなうんこになりますね。4つ目がダイエット。アナウンサーの生島ヒロシさんがある筋力トレーニングに挑戦して、体重減少と筋力アップでかなり痩せたんです。彼いわく、難儀になったのが便秘になったこと。糖質制限を続けて食べる量が減ってきて。そういう悪循環はあります。

便所とは「体のお便りを受けるところ」

―健康的な便を出すにはどうすればいいですか。

いい便を出すには3つのうんち力があります。1つはうんちを作る力。つまり、食べ物との知恵比べです。野菜、海藻、豆類、キノコ類をしっかり摂ってください。2つはうんちを育てる力。腸内細菌のビフィズス菌や酪酸菌を持つこと・増やすこと。ヨーグルトは1日300グラム、1食100グラムずつ食べるのをおすすめします。3つめは運動。先ほどお話したように、出す力がないと出せません。ウォーキングでもランニングでも全身運動をしてください。水は1日2リットル飲んでほしいですね。

そして、トイレで便をチェックしてください。便所というのは漢字の通り、「体のお便りを受けるところ」という意味もあります。大便をする前後に体重計に乗れば、分かります。臭いは本来、きつくありません。色は黄色〜黄褐色。便座に座って、すとーんと出ると水が80%くらいです。血便やきつい臭いがあれば、要注意です。国立がん研究センターの最新の2019研究では、日本人のがん罹患数2位が大腸がんなんです。毎日出すことこそが、健康の源です。腸を制する者が健康を制します。

―最後に、失礼ながら…「辨野」さんの名前は本名でしょうか。

若い頃、大便を集めていて、知り合いの芸人に「便の好み」になったんだとなじられたこともあります(笑)そういうこともありましたが、辨野義己は本名です。講演会の掴みはいつも「便の研究をしている辨野です」

(まいどなニュース・山脇 未菜美)

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