ホンダ:マリーニが今季初のポイント獲得「開幕戦からの努力が報われて状況が好転し始めた」/第9戦ドイツGP 決勝

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2024年07月08日 10:30  AUTOSPORT web

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中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)/2024MotoGP第9戦ドイツGP 決勝
 7月7日、2024年MotoGP第9戦ドイツGP MotoGPクラスの決勝レースがザクセンリンクで行われ、レプソル・ホンダ・チームのルカ・マリーニは15位、ジョアン・ミルは18位となった。

 ヨハン・ザルコ(ホンダ・カストロールLCR)は17位、中上貴晶(ホンダ・イデミツLCR)は14位で終えている。また、ワイルドカード参戦のステファン・ブラドル(HRCテスト・チーム)は20位となっている。

 サマーブレイク前最後となるドイツGPの決勝レースは、曇り空の下ドライコンディションでスタート。タイヤはホンダ勢5名を含む、計22名の全ライダーがハード/ミディアムを選択した。オープニングラップでは、17番手の中上を先頭にマリーニ、ミル、そしてブラドルが続く。土曜日以降やや苦戦気味のザルコは、出遅れて最後尾に順位を落とした。

 しかし、4周目には20番手まで回復させるが、後方の順位にあまり変動がないままレースが進んでいく。そんななか、序盤にファビオ・ディ・ジャンアントニオ(プルタミナ・エンデューロVR46レーシング・チーム)のマシントラブルによるリタイア。そして終盤に先頭を走るホルヘ・マルティン(プリマ・プラマック・レーシング)の転倒により、各ライダー2つずつ順位を上げることとなった。

 そのことも助かったが、終盤は中上をパスしたマリーニを先頭に熾烈な13番手争いが展開されていた。最終ラップに突入すると、中上がマリーニをオーバーテイクし、15位でチェッカーを受けた。しかし、レース終了後に14位で先着したアウグスト・フェルナンデス(レッドブルGASGASテック3)がタイヤの内圧違反で16秒のタイム加算ペナルティーが科せられた。そのため中上は14位、マリーニは15位へと繰り上がり、ホンダ勢ふたりがポイント獲得となった。

 さらに、ザルコとブラドルもフェルナンデス同様の違反が判明。ザルコは16秒加算も順位は変わらず17位。母国GPのブラドルは20位へ降格となったため、19位のミルが18位に繰り上がっている。前半の計9戦が終了し、ホンダ勢は苦境が続いているが、マリーニが初ポイント獲得など少しずつではあるものの改善も見受けられるようになってきた。

 ただ、コンストラクターズランキングでは、トップのドゥカティが315ポイント獲得しているのに対し、ホンダはわずか24ポイント。未だコンセッション(優遇措置)の恩恵を十分に活かしきれていないのが現実だ。しかし、これから約1カ月間のサマーブレイクを挟んで中盤戦へと突入する。

 中盤戦以降ではまずポイント獲得を目標に、戦闘力を底上げしていち早く下位争いから脱却したいところ。次戦の第10戦イギリスGPでは、少しでも強くなったホンダ勢の姿を見られることに期待したい。また、ザルコにおいてはサマーブレイク中に、鈴鹿8耐に参戦する。3連覇を目指すTeam HRCで、現役MotoGPライダーの彼がどのような走りで勝利に貢献するのか注目したいところだ。

■ルカ・マリーニ(決勝:14位)
「シーズン前半戦が終わったけれど、全体的にはこれまで成し遂げてきたことに満足している。正直、これほど苦戦するとは思ってなかったけれど、今は状況が好転し始めている。開幕戦からの努力が報われてきていると思っているから、サマーブレイク明けの後半戦でなにが起こるかを見てみたい」

「トップのライダーとのタイム差も、これまでと比べるとよかったと思う。コースレイアウトも関係しているけれど、マシンの改善が進んでいることを感じた。ホンダは、全員が同じ方向に向かって頑張っているんだ。サマーブレイクを終えたら、引き続き頑張っていきたいね」

■ジョアン・ミル(決勝:18位)
「なにが起こったのかを理解し、今後それをどう回避するかを考えなければならない。今大会も自分のポテンシャルをフルに発揮することができず、ほかのホンダライダーより苦戦してしまった。長くて厳しくて、そして多くのことを学ばなければならなかった」

「チームと僕はすでに今日のデータをチェックした。これから先、なにを変えていけばいいのかということについて、いくつかアイディアもあるから、これからも努力と挑戦を続けていくよ。より強くなって、シルバーストーンに戻ってくることを目指そうと思う」

■ヨハン・ザルコ(決勝:17位)
「レース序盤にかなりタイムをロスしてしまった。しかし、その時点で戦略を立て直し、焦らず自分のペースで走ろうと決めたんだ。前日のスプリントの経験からタイヤの消耗に対処できたのはポジティブだったけれど、それ以上のなにかが必要だとも感じた。今日はスタートからゴールまで混戦になり、難しいレースだった。それでもだんだん自分が乗りたいマシンに近づいてきている。これからも全力で戦っていくよ」

■ステファン・ブラドル(決勝:20位)
「ザクセンリンクのレースはいつも楽しく、今大会もファンのサポートに感謝している。コース上はもちろんのこと、パドックやイベントでも、常にファンのサポートを感じた。ここで学んだことを活かし、テストチームと協力してマシン開発を続けていくよ。今大会は、自分たちのマシンだけでなく、ライバル勢のマシンを理解することも大いに役立ったと思っているよ」

■中上貴晶(決勝:14位)
「ポイント獲得圏内のバトルだったので、最終ラップは全力を尽くしました。最後はマリーニ選手との戦いになり、先着することができました。今日はフロントタイヤの選択に悩み、コースインするまでミディアムにしようと思いましたが、スタートが近づくにつれて青空がのぞいたのでハードにしました。そのおかげでフロントのフィーリングはよく、タイヤ選択は正解でした。これで前半戦が終わりましたが、予想以上に厳しい戦いが続いています。サマーブレイクを終えて後半戦が始まるまで、しっかり身体をつくって準備したいです」
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