日本HP社長も愛用のHyperXブランドから新型キーボード/マウス/バックパックが登場! 実機を試して分かったこと

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2024年07月12日 12:41  ITmedia PC USER

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今回紹介するHyperXブランドの製品

 日本HPのゲーミングブランド「HyperX」から、キーボードやワイヤレスマウス、バックパックなどが発売された。元々はKingstonからオーバークロック用メモリなどをリリースしていたHyperXブランドだが、ヘッドセットなどゲーミングデバイスに拡大、HPに買収された現在ではキーボード、マウスなどもラインアップを拡充している。


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 ゲーミングデバイスにはゲーム用の特殊な機能以前に、精度が高く、高速なレスポンスとハードな利用に耐える耐久性が求められる。そのため、通常利用においても生産性の向上やストレスの低減につながるポテンシャルを持っていることが多い。ゲーミングブランドHyperXの普段使いにおける実力を見てみよう。


●そもそもHyperXとは?


 HyperXの歴史は、今から22年前にまでさかのぼる。2002年、Kingston Technologyの高性能メモリモジュールラインとしてスタートしたHyperXは、2014年にゲーミングデバイスへの展開を開始。ゲーム用ヘッドセットシェアで首位に立つなど、ゲーミングデバイスのリーディングブランドへと成長した。その後、2021年にHPに買収され、同社のゲーミングエコシステムの一部としてさらに進化を続けている。


 今回紹介するのはHyperXの新製品である、ゲーミングキーボード「HyperX Alloy Rise 75」、ゲーミングワイヤレスマウス「HyperX Pulsefire Haste 2 Mini Wirelessゲーミングマウス」、ゲーミングバックパック「HyperX Knightバックパック」の3製品だ。いずれもメーカーの保証期間は2年間となっている。


● キーボード: HyperX Alloy Rise 75


 まずは、ゲーミングキーボードHyperX Alloy Rise 75(以下Rise 75)から紹介しよう。Rise 75は6列配列を採用した、USB接続の75%キーボードだ。各国の市場にさまざまなキーレイアウトを用意しているが、日本向けはJIS配列が基本となる。


 一般的な75%キーボードと比較すると右端列のキーが(右カーソルキーを除くと)3キーしかないところ、ファンクションキーがF13まであるところが目を引く。右端列キーは、上からHOME/Page UP/Page Down、Fnキー同時押しでEND/Insert/PrintScreenが割り当てられている。


 対称性のあるHOME/ENDをFnキーのオン/オフで使い分けることには違和感を覚えるものの、カスタマイズツール「NGENUTIY」を使えば、好みのキーに割り当てられる。右上端には押し込み可能な回転ノブがあり、ボリューム変更、マイクミュートオン/オフを行える。なお、回転ノブの機能割り当て変更はできない。


●HyperXリニアスイッチを採用し見た目もカスタマイズが可能


 採用されているキースイッチはHyperX独自のメカニカルスイッチ「HyperXリニアスイッチ(赤軸)」だ。ステムには自己潤滑性に優れ、摩耗にも強いPOM(ポリオキシメチレン/ポリアセタール)を使用する。ルブ済みで出荷されているため、非常に滑らかな動作だ。


 キートップと接続するプラス型のステムトップを、隙間のあるウォールで覆うハーフウォール型ステムで、キートップの横ブレを軽減し、安定したタイプ感を可能にしている。また、スイッチプレートを衝撃吸収材で挟み込むガスケットマウントを採用しており、底打ち感を軽減、クリック感のないリニアなタイプ感を実現し、40gに設定されたキー荷重と合わせて軽やかな印象だ。ただし、静音キーボードではないので、環境によっては周囲への気遣いが必要かもしれない。


 キートップはダブルショットPBT(2色成形)となっている。印刷ではないため摩擦によって刻印が消えることはなく、キー下のRGBライトがキレイに透過する。RGBライトは各キーだけでなく側面にも配置されており、より豊かな表現が可能だ。


 専用ツールのNGENUITYでカスタムできる項目は、主にRGBライティング/キー割り当て/ゲームモードでの無効化キーなど。RGBライティングは押されたキーを起点とするトリガー3種と、繰り返しパターンであるループ9種を組み合わせられる。


 ループの中にはビデオキャプチャーというエフェクトがあるが、これは録画した動画の動きをRGBライティングで再現するというものだ。「こういうライティングをしたい」という動画を作成すれば、どんなライティングパターンでも設定することが可能だ。


 キー割り当てはキー単体、Fn同時押しの2つのレイヤーで設定可能だ。割り当てられる機能はキーの再割り当て/マウス操作/メディアコントロール/マクロ/Windowsのショートカット/無効となっている。


 このあたりは、一般的な仕様といえるだろう。ゲームモードではWindowsキーが無効化されるが、ゲームモードの設定ではAlt+Tabキーなど4種類のショートカットを追加で無効化できる。


 Rise 75の設定は、プリセットという単位でNGENUITYで管理されるが、これらはGamelink機能で特定のプログラムにひも付け、自動的に切り替えられる。もちろん、ひも付けるプログラムがゲームである必要はないので、アプリケーションごとに特定のマクロやキーの再割り当てを登録しておくという使い方もできる。プリセットの内容は、プロファイルとしてキーボード本体に10個まで保存することも可能だ。


 他にも、Rise 75自体のカラーバリエーションはブラックのみだが、換装用のトッププレートがホワイトとネイビーブルーの2色で展開されている。トッププレートの素材は剛性の高い肉厚なアルミ製で、ベースとは6個のマグネットで装着されている。取り付けはツールなしで簡単にできるが、ずれることもなく、しっかりと固定される。別売トッププレートには同色の回転ノブも付属するので、好みに応じて交換するといいだろう。


●ゲーミングマウス「HyperX Pulsefire Haste 2 Mini Wireless」


 次に紹介するのは、ワイヤレスゲーミングマウスのHyperX Pulsefire Haste 2 Mini Wireless ゲーミングマウス(以下Haste 2 Wireless)だ。Haste 2 Wirelessは先行モデル「HyperX Pulsefire Haste 2 Wirelessゲーミングマウス」の小型版で、実測で61g(公称値は約59g)の軽量マウスとなっている。


 小型版という位置付けにはなっているものの、日本人にとってはちょうどいいサイズ感だろう。デザインもオーソドックスで、シンプルなためオフィスで使っても(RGBライティング次第では)違和感もなさそうだ。


 操作感としては、とにかく軽量かつスムーズ。これに慣れてしまうと、他のマウスが重たくて疲れてしまいそうだ。底面には超軽量ながら、フル充電で約100時間の稼働が可能なバッテリーを内蔵する。充電にはUSBケーブルを使うが、PCに直接接続すればそのまま有線接続で利用可能だ。


 無線接続もBluetoothに加え、付属の専用ドングルを使用した2.4GHz帯での接続もサポートしている。Bluetoothの設定を残したくなければ2.4GHz、USBポートにアクセスできないのであればBluetooth、充電切れであれば有線など、状況に応じて使い分けられる。


 また、付属のUSBケーブルは軽くて柔らかいパラコードケーブルが採用されており、通常使いであれば有線でも使用感が損なわれることはない。コンパクトにまとまるため、マウスと一緒に持ち歩いてもかさばることはなさそうだ。


 性能面ではゲーミングマウスらしいハイスペックで、最大2万6000DPI、650IPSの「HyperX 26Kセンサー」を搭載する。DPIは1インチの移動が何ドットの移動に対応するかを示し、Haste 2 Wirelessでは、最大設定でわずか3.7mmの操作で4K(3840×2160ピクセル)のディスプレイを横断できる。さすがにこのレベルを常用することはないだろうが、DPIの高さは検出精度の高さに直結する。本体に最大5レベルを保存しておくことも可能なので、DPI切り替えボタンで使い分けるとよいだろう。


 IPSは、マウスが追従できる最高速度を表したものだ。Haste 2 Wirelessの場合は1秒間に650インチ(約16.51m)、つまり5cmを1秒間に330回往復させてもカーソルが飛ばない。


 NGENUITYでは、RGBライティング/ボタン割り当て/センサーレベルのプリセット/ポーリングレート/リフトオフディスタンスなどを設定可能だ。RGBライトがホイール部分の1つだけなので、RGBライティングで選べるエフェクトは少なく、トリガーはボタンクリック時のフェードのみ、ループも3種類のみとなっている。


 ただし、対応機種間で同期をとってライティングを行う「ライトの同期」を設定すれば、さらに3種類のループ設定も行える。


●ゲーミングバッグ「HyperX Knightバックパック」


 最後に、HyperX Knightバックパックを紹介しよう。HyperX Knightバックパック(以下Knight)は約22.6Lの大容量バックパックで、ショルダーストラップを収納してダッフルストラップを取り付ければ、ダッフルバッグとしても利用できる。店頭での想定価格は1万3300円前後となる。


 ゲーミングガジェット用として設計されているものの、当然ながらPCやデジタルガジェットとの親和性も高い。内部は大きく2つに分かれており、表側に近い部分はノートPC用を固定するためのバンドが設けられている。メイン部分との仕切りやバック全面には緩衝材が入っており、精密機器を安全に運搬するための工夫が施されている。


 また、PC本体やマウス、キーボードだけでなく、ヘッドセットやUSB充電アダプターなど細々とした周辺機器の収納スペースも数多く用意されている。外側から簡単にアクセス可能なポケットに加え開口部もあり、財布やICカード、入館証などがバッグ内でごちゃごちゃにならず、さっと取り出すことができる。スリムながら容量が大きく、バックパックとしても大型の部類ではあるが、HyperXの意匠を取り入れつつも普段使いできるテイストに仕上がっている。


 メーカー保証が2年間と長く、シューズ用の収納スペースが用意されるなど、1泊2日程度の出張にもピッタリのサイズ感だ。


●まとめ


 今回紹介したHyperXの新製品は、いずれもゲーミングデバイスとして高い性能を誇りながら、普段のオフィス利用にも大いに役立つ製品群となっている。ゲームプレイ中に求められる高精度、高速なレスポンス、耐久性といった特性は、日常のオフィスワークにおいて必要とされるレベルを超えているかもしれない。だが、その特性が使用者にとって知覚できるものであれば、そこには間違いなくストレス低減や業務効率向上に繋がるファクターがある。


 特に、HyperXの製品はiFデザイン賞を受賞するなど、洗練されたデザインでも知られている。オフィス使いでも違和感なく使用できる点も大きな魅力と言えるだろう。


 また今回取り上げた製品は、いずれもAmazonで開催中のプライムデー先行セールにて割引されているので、興味がある人はチェックするといいだろう。


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