“大型新人”セスクが母国ラリーへ。オジエも復帰の第8戦ラトビアは最多10台のラリー1が参戦

　7月18日から21日にかけて北ヨーロッパのラトビアにて、2024年WRC世界ラリー選手権の第8戦『ラリー・ラトビア』が開催される。今大会の最高峰クラスには、今季最多となる10台のラリー1マシンが出走する予定だ。

　6月の第7戦ポートランドは、大会前の下見走行（レッキ）中にTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム（TGR-WRT）のセバスチャン・オジエ／ヴァンサン・ランデ組が交通事故に見舞われ、急きょ代役として出走したカッレ・ロバンペラ／ヨンネ・ハルットゥネン組が総合優勝を飾るという劇的な幕切れとなった。

　そしてもうひとり、大きく注目を浴びたのは、Mスポーツ・フォードWRTからノンハイブリッドマシンで出走したマルティン・セスクだ。ERCヨーロッパ・ラリー選手権で経験を積んできた期待の新人は、時にポイントリーダーのティエリー・ヌービル／マルティン・ウィダグ組を抑える走りも見せ、初出走ながら総合5位入賞を果たしている。

　そんなセスクの母国が舞台となるラリー・ラトビアは、2024年に初めてWRCイベントとしての開催を迎える。ステージコンディションは、ラリー・ポーランドに近い高速グラベル（未舗装路）だ。

　TGR-WRTは、最多となる4台のトヨタGRヤリス・ラリー1を送り込み、マニュファクチャラー登録となるのはエルフィン・エバンス／スコット・マーティン組（33号車）、ロバンペラ／ハルットゥネン組（69号車）、そして復帰となるオジエ／ランデ組（17号車）だ。

　今季2度目の4台目出走となる勝田貴元／アーロン・ジョンストン組（18号車）は、ライバルの獲得ポイントを減らすためにも、ひとつでも上のポジションの獲得が期待される。

　対して、現在マニュファクチャラー選手権で首位に立つヒョンデ・シェル・モービスWRTは、引き続き3台のヒョンデi20 Nラリー1をエントリー。レギュラーのティエリー・ヌービル／マルティン・ウィダグ組（11号車）、オット・タナク／マルティン・ヤルヴェオヤ組（8号車）とともに、第3戦サファリ・ラリー・ケニア以来の出走となるエサペッカ・ラッピ／ヤンネ・フェルム組（4号車）が出走する。

　そして、大型新人セスクを抱えるMスポーツ・フォードWRTは、前戦ポーランドで好調を見せたレギュラーのアドリアン・フルモー／アレクサンドル・コリア組（16号車）、グレゴワール・ミュンスター／ルイス・ルッカ組（13号車）に、マルティン・セスク／フランシス・レナール組（22号車）をくわえた3台のフォード・プーマ・ラリー1で挑む。なお、セスク／レナール組はマニュファクチャラー外での出走だ。

　ERCヨーロッパ・ラリー選手権ではお馴染みとなる今大会。WRCイベントとしては初の開催となるため、序盤でうまく流れに乗るためにも、シェイクダウンから各クルーの動きに注目だ。なかでもラトビアの経験が豊富なセスクが、初のハイブリッドマシンで見せる走りからも目が離せない。第8戦『ラリー・ラトビア』は、7月18日（木）から21日（日）にかけて開催される予定だ。

■2024WRC第8戦ラリー・ラトビア エントリーリスト（6月25日付）
No.TeamCarDriver＆Co-DriverEligibility11ヒョンデ・シェル・モービスWRTヒョンデi20 Nラリー1ティエリー・ヌービルマルティン・ウィダグM8ヒョンデ・シェル・モービスWRTヒョンデi20 Nラリー1オット・タナクマルティン・ヤルヴェオヤM33トヨタ・ガズー・レーシングWRTトヨタGRヤリス・ラリー1エルフィン・エバンススコット・マーティンM17トヨタ・ガズー・レーシングWRTトヨタGRヤリス・ラリー1セバスチャン・オジエヴァンサン・ランデM16Mスポーツ・フォードWRTフォード・プーマ・ラリー1アドリアン・フルモーアレクサンドル・コリアM18トヨタ・ガズー・レーシングWRTトヨタGRヤリス・ラリー1勝田貴元アーロン・ジョンストン69トヨタ・ガズー・レーシングWRTトヨタGRヤリス・ラリー1カッレ・ロバンペラヨンネ・ハルットゥネンM4ヒョンデ・シェル・モービスWRTヒョンデi20 Nラリー1エサペッカ・ラッピヤンネ・フェルムM13Mスポーツ・フォードWRTフォード・プーマ・ラリー1グレゴワール・ミュンスタールイス・ルッカM22Mスポーツ・フォードWRTフォード・プーマ・ラリー1マルティン・セスクフランシス・レナール