なでしこ4発大勝もパリ五輪への修正点明確に…長谷川唯「前半は特に課題の多い試合だった」

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2024年07月13日 20:19  サッカーキング

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ガーナ戦に出場した長谷川唯 [写真]=金田慎平
 日本女子代表(なでしこジャパン)MF長谷川唯(マンチェスター・シティ/イングランド)が、13日に行われたガーナ女子代表戦を振り返った。

 4−3−3で臨んだ前半、ガーナが途中で退場者を出したものの、効果的に攻められずスコアレスで折り返す。3−4−2−1に変更した後半は一気に4ゴールを奪い、パリオリンピック2024前最後の国際Aマッチを4−0の勝利で飾った。

 中盤でフル出場した長谷川は、「4−0という結果自体はパリの大会に向けて勢いづくかなと思うんですけど、前半は特に課題の多い試合だったなというのが正直なところです」と試合を振り返ってコメント。自身のプレーを次のように評価した。

「自分自身、少し前目でプレーするところもあって、結構前で待つシーンが多かったなかで、なかなかボールを触れなくてリズムが出ないなというなかでプレーしていました。個人としても今までで最悪なくらいの内容だったかなと思うんですけど、後半システムを変えて少しボールを触れるようになってリズムが出てきました。その中でチャンスメイクが多少はできたかなと思うので、もっと早く前半いいテンポで回せるように、システムなり、ポジションなり、立ち位置なりを考えて出来たらいいなとは思います。今回チャレンジしてやった部分も含めて、パリではそこまでの余裕がないと思うので、しっかり考えてプレーしたいなと思います」

「一列後ろに下がった方が相手のプレッシャーがなくて、余裕があって『簡単にプレーできる』と思いましたけど、できれば狭いスペースでも前を向いてチャンスメイクできるのがベストかなと自分の中で思っています。だけど、そもそもそこにボールが入るか入らないか、というところがある。縦パス入れるタイミングが、今日は相手が10人になって引いてきたのもあって難しかったんですけど、その縦パスを入れる役に自分がなるか受け手になるかは、試合の流れを見ながらやっていければいいかなと思います」

 ガーナが途中で退場者を出して守勢に回ったことが、前半をより難しくさせる一因となった。「カウンターを受けるリスクが自分たちはなくなったなかで、ブロックを敷かれると難しくなりました。最近そういう戦いをあんまりしていないなというのがあるので、前半少し苦労した部分があったり、自分がボールに触れない時間が多かったなと感じました」と語った長谷川は、「本当は11人対11人でやりたかった部分もあります」と本音を吐露しつつ、「本大会でそういう試合もあり得ると思うので、そういう意味では大会前すごくいい試合になったかなと思います」と、ポジティブに捉えている。

 先制点は敵陣でのボール奪取の流れから田中美南がマーク。さらにコーナーキックから浜野まいかがリードを広げ、3点目は藤野あおばが直接フリーキックを沈めた。トドメの4点目も藤野のFKに植木理子が合わせてと、セットプレーから3点を奪えたことには、長谷川も手応えを示している。

「セットプレーは色んなパターンを考えてやってきていて、それが今日出ていたと思います。狙い通りの得点が取れていたと思います。本大会ではセットプレーでの得点が鍵になってくると思うので、続けていければいいかなと思います」

 現地時間25日17時(日本時間26日0時)に予定されているパリ五輪の初戦スペイン女子代表戦までの準備期間は、あと10日ほどしか残されていない。長谷川はガーナ戦で明確になった課題の克服を誓った。

「今日も強度の部分が足りていなかったと思うので、一対一の部分だったりは個人個人が突き詰めていきながら、チーム全体としては戦術の整理というか、(パターンが)いくつもあるなかでのプレーになるので、それを全員がちゃんと共有できればいいかなと思います。今日は正直、攻守の切り替えの部分も遅かったというのは自分の中で感じています。特に前半はゆったりしたゲームになってしまったかなと思うので、本大会に向けて前提条件というか、必ずやらなきゃいけない部分は明確になったかなと思います」
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