3年ぶりエミル・フレイが勝利の美酒。ウインワードAMGはBMWとの接戦を制する/GTWCヨーロッパ第5戦

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2024年07月23日 18:40  AUTOSPORT web

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ホッケンハイムで開催されたGTワールドチャレンジ・ヨーロッパ第5戦(スプリント・カップ第3戦)レース1のスタート
 7月19日(金)から21日(日)にかけて、ドイツのホッケンハイムで2024年ファナテック・GTワールドチャレンジ・ヨーロッパ・パワード・バイ・AWS(GTWCヨーロッパ)第5戦が開催された。

 スプリント・カップの今季第3戦となったイベントは、週末に各60分の決勝が2回行われ土曜のレース1は、ルーカス・アウアー/マーロ・エングル組48号車メルセデスAMG GT3エボ(ウインワード・レーシング・チーム・マンフィルター)が優勝。翌日開催のレース2では、ベン・グリーン/コンスタ・ラッパライネン組14号車フェラーリ296 GT3(エミル・フレイ・レーシング)がスイス国籍のチームに3年ぶりの勝利をもたらしている。

 32台のGT3カーがグリッドに並んだ真夏のホッケンハイム。強い日差しが照りつけるなか、20日(土)の決勝前に行われた予選では71号車フェラーリ296 GT3(AFコルセ)がポールポジションを奪った。エリゼオ・ドンノが乗り込んだ296 GT3は、晴天の下でスタートが切られた決勝のオープニングラップから、フロントロウに並んだグリーン駆る14号車フェラーリに迫られるが、この同門バトルを制して以降は徐々に後続とのギャップを拡げていく。

 対して序盤にポジションを奪えなかった14号車フェラーリは、アウアー駆る48号車メルセデスからプレッシャーを掛けられる立場に。グリーンは必死のディフェンスで48号車と、さらにその後ろから迫ってきた991号車BMW M4 GT3(センチュリー・モータースポーツ)を抑え込むが、レース中盤のピット・ウインドウ・オープンまで残りわずかのところで2台に攻略を許してしまう。

 そのピットタイミングでは14号車フェラーリが上位陣の中で真っ先に入りピットロードに飛び込む。同じタイミングで、19番手スタートながら前半の25分で6番手まで這い上がる、脅威の挽回を見せた32号車BMW M4 GT3(チームWRT)がピットイン。アウトラップで14号車フェラーリもかわし実質のトップ3に浮上した。

 2番手を走る48号車メルセデスはレースの折り返しのタイミングでピットに戻ると32号車BMWの前でコースに復帰。この翌周にトップの71号車フェラーリがピットインしたが、作業に時間が掛かり4番手での復帰となった。

 レースの後半戦はエンゲルの48号車メルセデスとドリス・ファントール駆る32号車BMWの一騎打ちの展開となり、フィニッシュまで残り13分の段階で、ピットアウト直後の攻防以来やや間が開いていた両車が最接近。ランオフエリアも使ったバトルの末、前者がポジションを守りきり最後は1秒089という僅差でウインワードのメルセデスがトップチェッカーを受けた。48号車から7秒遅れた14号車フェラーリが3位。4位にはポールシッターでシルバーカップを制した71号車フェラーリが入り、同クラス2位となった30号車BMW M4 GT3(チームWRT)が総合5位となっている。

 明けた日曜日も青空の下で予選と決勝レースが行われた。4番手からスタートした14号車フェラーリは、ラッパライネンがオープニングラップで32号車BMWをかわし幸先よく3番手に浮上する。さらに、2番グリッドからスタートし6号車ランボルギーニ・ウラカンGT3エボ2(リキモリ・チーム・エングストラー・バイ・ワン・グループ)を追っていた99号車アウディR8 LMS GT3エボII(トレゾア・アテンプト・レーシング)が左フロントサスペンションの損傷で戦線を離れたため、労せず2番手に。

 フルコースイエローと短いセーフティカーランを挟んで迎えた直後のピットタイミングでは、エミル・フレイ・レーシングが迅速なピット作業で14号車を送り出し、同じタイミングでピットインした32号車BMWとタイヤ交換時にタイムを失った6号車ランボルギーニに先行。ラッパライネンからバトンを受けたグリーンがそのまま後半の約30分を危なげなく走りきってトップチェッカーを受けた。エミル・フレイ・レーシングにとっては2021年以来の総合優勝となった。

 優勝車の約6秒後方では、ウィーツがステアリングを握る32号車BMWと、10番手スタートとなった48号車メルセデスによる接近戦が繰り広げられたが、アウアーのメルセデスに決定的な場面は訪れず。結果、WRTのエースカーがこの週末2度目の2位表彰台を獲得し、レース1の勝者は3位で日曜のレース2を終えることとなった。トップから15秒遅れた4位は9号車メルセデスAMG GT3エボ(ブーツェンDVS)、5位にはシルバーカップ優勝の30号車BMW(チームWRT)が入っている。

 GTWCヨーロッパの次戦は、今大会と同じくドイツが舞台。7月26〜28日にニュルブルクリンクで行われる第6戦だ。グランプリコースでの開催となる同イベントは、エンデュランス・カップの第3ラウンドとなっている。

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