『クスコスバルインプレッサ(GDB型/2002年)』JGTC初の4ドア特認車両が見せた快走【忘れがたき銘車たち】

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2024年07月30日 07:50  AUTOSPORT web

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2002年の全日本GT選手権第3戦スポーツランドSUGOを小林且雄と谷川達也のドライブで戦ったクスコスバルインプレッサ。
 モータースポーツの「歴史」に焦点を当てる老舗レース雑誌『Racing on』と、モータースポーツの「今」を切り取るオートスポーツwebがコラボしてお届けするweb版『Racing on』では、記憶に残る数々の名レーシングカー、ドライバーなどを紹介していきます。今回のテーマは2002年の全日本GT選手権(JGTC)を戦った『クスコスバルインプレッサ(GDB型)』です。

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 1998年、当時はまだラリーなど“泥”のイメージがまだ強かったスバル・インプレッサ(GC型)がサーキットレースである全日本GT選手権(JGTC)へとフル参戦を開始した(初のスポット参戦は1997年の最終戦スポーツランドSUGO)。

 全日本ダートトライアル選手権などを戦っていたコンストラクター『キャロッセ』が製作したインプレッサのGTマシンは、フル参戦初年度ながら初優勝を記録し、活躍を見せる。しかし、その後は勝利に恵まれなかった。そして、2002年より市販車のモデルチェンジに伴って、ベース車両を変更することになった。

 2002年のJGTCに投入されたのが、GDB型のクスコスバルインプレッサだった。この車両はFRレイアウトなど1998年の初フル参戦以来、GC型において蓄積したノウハウを多く受け継ぐマシンであった。

 ただ新規に開発された点も多数あった。まずGDB型へとボディを変更するにあたり、市販車のラインアップから2ドアが消滅したため、4ドアの特認車両として開発されることになった。ちなみに、この時点で4ドアのJGTC車両が参戦するのはシリーズ史上初めてのことだった。

 またGDB型となって前後トレッドが60mm広がったことを活かすため、ボディのねじれ剛性を上げて、フロントには大径タイヤを履かせるなどコーナリングスピードのさらなる向上を図った。

加えて、搭載されるエンジンもSTIの手でターボなど補機類のレイアウトも込みで新たに設計、開発が行われてポテンシャルアップを果たしている。

 空力についても日本自動車研究所(JARI)の風洞を使って実験が行われ、デザインが見直されていた。

 GDB型のクスコスバルインプレッサは、TIサーキット英田が舞台となった2002年シーズンの開幕戦でデビューを果たすと第3戦のスポーツランドSUGO、ツインリンクもてぎでの第6戦と2度の2位表彰台を獲得。勝利こそなかったもののまずまずの成績を残した。

 そして2003年以降、まだ届いていなかった2度目の勝利を目指し、さらなる改善を続けていくこととなる。

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