トヨタ、ホームラリーで首位奪還なるか。若手パヤリが最高峰デビュー、ラトバラ代表もWRC2参戦へ

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2024年07月30日 12:20  AUTOSPORT web

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2024年WRC第9戦ラリー・フィンランドに新リバリーで出走する69号車(左/カッレ・ロバンペラ車)と17号車(右/セバスチャン・オジエ車)
 8月1日(木)から4日(日)にかけて、北欧フィンランドにて2024年WRC世界ラリー選手権の第9戦『ラリー・フィンランド』が開催される。

 現在マニュファクチャラー選手権で僅差のランキング2位につけるTOYOTA GAZOO Racingワールドラリーチーム(TGR-WRT)は、首位奪還を目指して今季最多となる5台のトヨタGRヤリス・ラリー1を送り込む。

 ドライバーは、レギュラーのエルフィン・エバンス(33号車)と勝田貴元(18号車)に加え、パートタイム参戦のセバスチャン・オジエ(17号車)とカッレ・ロバンペラ(69号車)、さらに今回WRC2からステップアップを果たすサミ・パヤリ(5号車)だ。

■最多5台体制のTGR-WRT。代表もラリー2で出走

 フィンランド中部の都市『ユバスキュラ』を中心に開催されるラリー・フィンランドは、WRCのなかでもっとも平均速度が高いグラベル(未舗装路)ラリーだ。

 路面は全体的にフラットで、森の中を抜けて行く道は緩やかな高速コーナーやまたクレスト(丘)やジャンプなど起伏が多く、かなりスピードが乗りやすいことが特徴となる。

 サービスパークが置かれるユバスキュラからほど近い場所に拠点を置くTGR-WRTは、過去6年間で5勝をあげてきた。今シーズンは、同じく超高速グラベルの第7戦ラリー・ポーランド、第8戦ラリー・ラトビアでロバンペラが連勝を飾っており、そのままの勢いでシーズン6勝目を狙う。

 ユバスキュラ出身で、自身初のホームラリー制覇を目指すロバンペラと、前戦ラトビアでは久々の超高速グラベルラリー出場ながらも総合2位フィニッシュで速さを証明したオジエのマシンには、彼らが監修し名を冠したGRヤリス特別仕様車にインスパイアされた特別なカラーリングが施される。

 さらに今回は、今シーズンのWRC2にトヨタGRヤリス・ラリー2で出場し2勝をあげている若手のパヤリが、コドライバーのマルコネンとともに、初めて最高峰クラスにチャレンジ。

 パヤリのクルマに関しては、TGR-WRTが行う若く才能のあるドライバーへの支援を示す、ホワイトを基調としたカラーリングが施されることとなった。

 そして、今回はチーム代表であるヤリ-マティ・ラトバラもドライバーとして地元イベントに出場する。コドライバーは昨年に続いてユホ・ハンニネンが努め、今回はトヨタGRヤリス・ラリー2での出走だ。今大会には、TGR WRCチャレンジプログラムの二期生である山本雄紀と小暮ひかるを含めた全9台のトヨタGRヤリス・ラリー2がエントリーするなど、こちらも今季最大の盛り上がりとなりそうだ。

■『バーチャル・シケイン』が初導入

 例年通り、ラリーは木曜日の夕方にユバスキュラ市内にて、グラベルとターマック(舗装路)の混合路面である『ハルユ』のスーパーSSで幕が開ける。

 森林地帯での本格的な戦いは金曜日デイ2から始まり、サービスパークの北東に展開する『ラウカー』、『ミヒンパー』、『ルイヒマキ』というクラシックなステージに、新設の『サーリカス』を加えた4本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。その後、ハルユでの2回目のスーパーSSでデイ2は締めくくられる。

 ラリーも折り返しとなる土曜日のデイ3は、歴史あるステージの『オウニンポウヤ』と『パイヤラ』、そして『ヴァスティラ』という3本のステージをミッドデイサービスを挟んで各2回走行。6本のステージの合計距離は144.22kmと、ステージ距離は4日間で最長だ。

 なかでも、全長32.98kmの『オウニンポウヤ』では、シリーズ初の『バーチャル・シケイン』が導入される。これは、指定された区間(200m)のどこかで時速60kmまで減速しなければならないというもので、減速不足の場合には時速1kmのオーバーにつき2秒のペナルティが加えられる。

 最終日となるデイ4は『サーロイネン-モクシ』と、久々に復活したクラシックステージ『ラーヤヴォーリ』の2本のステージを各2回走行。最終SS20は、トップ5タイムを記録した選手とマニュファクチャラーにボーナスの選手権ポイントが与えられる『パワーステージ』となる。

 20本のステージの合計距離は305.69km、リエゾン(移動区間)も含めた総走行距離は1372.56kmとなる予定だ。

 チームのホームイベントとなるラリー・フィンランドに、ドライバーとしても挑むヤリ-マティ・ラトバラチーム代表は、「5台のラリー1カーで大会に臨むのは非常にエキサイティングなことだ」とその想いを語る。

「これを実現するためには大変な努力が必要で、協力してくれているチームの全員に感謝している。我々のドライバーたちは、全員が良い成績を残したいと強く思っているだろう」

「カッレ(・ロバンペラ)は地元での初勝利を狙っており、エルフィン(・エバンス)はこのイベントがつねにお気に入りだ。(勝田)貴元もこのラリーはいつも好調だし、セブ(セバスチャン・オジエの愛称)はしばらくラリー・フィンランドに出場していなかったが、もう一度優勝したいと思っているだろう」

「また、今回はサミ(・パヤリ)が初めてラリー1カーで出場するのも非常に興味深いことだ。ラリー2からのステップアップに彼がどのように適応するのかも楽しみだよ」

「これまでポーランドとラトビアを終え、選手権でのポイント差を縮めることができたので自信はあるが、母国開催のイベントはつねにプレッシャーがかかるものだ」

「フィンランドの道をリスペクトしなければ、すぐにその代償を払うことになってしまうので、謙虚であることを忘れてはならないね」

「また、トヨタGRヤリス・ラリー2をドライブする機会を与えてくれたモリゾウさん(TGR-WRT会長)には心から感謝している。フィンランドは私がつねに走りたいと思っているイベントで、それと同時にユホ(・ハンニネン/コドライバー)と競技に出場することは、我々のカスタマーと経験を共有する良い機会にもなるだろう」

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