【F1第14戦無線レビュー(1)】直線スピードに不満が募った中団勢「衝撃的なくらい遅い!」「ストレートスピードがジョーク」

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2024年08月02日 11:50  AUTOSPORT web

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2024年F1第14戦ベルギーGP ピエール・ガスリー(アルピーヌ)
 2024年F1第14戦ベルギーGP。予選でトップタイムをマークしたマックス・フェルスタッペンがペナルティで11番手からのスタートになり、最前列にはシャルル・ルクレールとセルジオ・ペレスが並んだ。スタートから数周もするとルイス・ハミルトンが首位に立ち、その後方ではフェルスタッペンが直近のライバルであるランド・ノリスを追っていた。ベルギーGP前半を無線とともに振り返る。

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 前日の雨模様の予選から一転、日曜日の決勝レースは快晴。この週末一番の暑さのなかでレースが行われた。

スタート前
ピエール・ガスリー:バッテリーがフルチャージできているか、確認してくれ。
カレル・ルース:バッテリーに問題はない。行くぞ。

 直近のイギリスとハンガリーの2戦をメカトラブルによるリタイアで終えているガスリーは、マシンの状態にかなり神経質になっていた感じだ。

 ガスリーはトラブルに見舞われなかったが、周冠宇(キック・ザウバー)がスタート早々最後尾に後退。問題を訴える。

3周目
周冠宇:パワーを失っている。油圧もだ。
ヨルン・ベッカー:データ上は大丈夫だけどね。

4周目
周:戻そうとしてるけど(難しい)。

 すぐにピットに向かうかと思われたが、周回を続けた。

6周目
ベッカー:すべてが元に戻ったようだ。レースに復帰するぞ。
周:いや、ブレーキがおかしい。ペダルがすごく長いんだ。止まることさえできない。まるでブレーキなしで走っている感じだ。

 このラップ終わりに周は緊急ピットイン。結果的に、唯一リタイアを喫したドライバーとなった。

 一方15番グリッドのランス・ストロール(アストンマーティン)は、序盤から文句が絶えなかった。

ストロール:タイヤがオーバーヒートしている。でも一番の問題は、直線のスピードだ。ドラッグが大きすぎるよ。酷すぎる!

6周目
ルイス・ハミルトン:何か足の下で動いている。

 ハミルトンが異常を訴えたが、周回にはそれほど大きな影響はなかったようだ。

9周目
トム・スタラード:プランAにする? Bにする?
オスカー・ピアストリ:Aだね。

 この時点で4番手のピアストリはすぐ前のセルジオ・ペレス(レッドブル)を激しく追い立てていたが、抜ききれない。路面温度は40度を超える高温で、この時点ではタイヤが予想以上に垂れる恐れがあった。プランBは3回ストップだったのだろう。しかしピアストリは序盤の時点ですでに2回ストップで行ける手応えを感じていたようだ。

 ハミルトンも同じ感触を持っているようだった。

10周目
ハミルトン:タイヤはまだ大丈夫。リヤはかなり落ちているけどね。

 14周目、ランド・ノリス(マクラーレン)は2番手まで上がっていた。担当エンジニア、ウィル・ジョゼフが「ペースを上げろ」という指示を出した。

ジョゼフ:ランド、100%のペースだ。

 普通ならすぐにピットインするところだが、ノリスはステイアウトした。ライバルを撹乱するダミー無線だったのかもしれない。ところが直後に、暫定首位のカルロス・サインツ(フェラーリ)が目の前でコースオフを喫した。

リカルド・アダミ:クルマは大丈夫か?
サインツ:うん。集中させてくれ。

ノリス:カルロスがコースオフした。アンダーカットに行く?
ジョゼフ:ああ。ボックスしてアンダーカットだ。

 15周目にピットインしたノリスは、その5周後にピットに向かったサインツに先行することに成功した。

 中団以下ではガスリー、ストロールが直線スピードの遅さに不満タラタラだった。

15周目
ガスリー:衝撃的なくらい、ストレートが遅い!
ルース:エンジンに異常はない。温度の高さが問題だ。
ガスリー:このクルマ自体が、ジョークだよ!

ミッチェル:いい走りだぞ。
ストロール:ストレートスピードがジョークなんだけど。

 11番グリッドスタートのマックス・フェルスタッペン(レッドブル)は、17周目の時点で7番手まで順位を上げていた

フェルスタッペン:(ラッセルたちを)抜きに行くべきだよね? どう思う?
ランビアーゼ:行くんだ。

19周目
アダミ(→サインツ):プランBで行こうと思ってる。ミディアムでプランBだ。連中は最後まで行けないはずだ。
サインツ:もう数周行ってみよう。
アダミ:了解だ。

 上位勢では唯一、ハードタイヤでスタートしたサインツ。「ミディアムでプランB」というのは、ハードでの第1スティントをもっと引っ張って、次のミディアムタイヤでチェッカーまで行く1ストップ作戦だったのかもしれない。しかしタイヤが持たないと判断したのか、サインツは次の20周目にピットインし、7番手に後退。最後まで表彰台争いに絡むことはできなかった。
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F1第14戦無線レビュー(2)に続く

このニュースに関するつぶやき

  • 気温の高さとDRSトレインでオバーヒート気味だったんじゃないかな?
    • イイネ!1
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